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ANA×川崎重工、航空機エンジンの廃材活かしてアップサイクル。名刺入れやパスケースなど日常で使える“1点モノ”限定販売
2023年7月20日 16:58
- 2023年7月20日12時 発売
ANAと川崎重工は、ボーイング 787型機のエンジンブレード廃材や航空機の製造過程で出る端材・余剰材を活用したアップサイクル商品を共同開発し、ECサイト「ANA Mall」内のANAワクワクショップで販売を開始した。
川崎重工は航空機製造の分野で100年以上の歴史を持ち、ボーイング 787型機の前部胴体やボーイング 777型機およびボーイング 767型機の胴体パネルなどを製造。また、ANAがボーイング 787型機のエンジンに使用しているロールスロイス社(R&R)Trent1000の開発・生産にも参画している。
今回、両社の「日本の航空宇宙産業界を盛り上げたい」という想いのもとコラボが実現。日本有数の航空機製造拠点である岐阜県の工場(天龍エアロコンポーネント、ナベヤ製作所)で商品加工を行なっており、地方における経済活性や雇用創出の一翼も担うという。
ラインアップは、オブジェ、キーホルダー、パスケース、名刺入れ、タブレットスタンドの5アイテム。発送開始はいずれも9月上旬で、準備ができ次第、追加販売を予定している。
ANA×川崎重工 アップサイクル商品一覧
B787 エンジンブレードオブジェ
通常はエンジンメーカーに全量回収され、金属スクラップとして再資源化されるボーイング 787型機のエンジンブレードをR&R協力のもとアップサイクル。下部の固定金具は川崎重工が製造しているボーイング 767型機のボディ製造時の端材を加工したもの。専用ケース付き。
初回販売数: 30個
価格: 本体4万6200円、送料2500円
B737 エンジンブレードキーホルダー
ANAが運航するボーイング 737型機の基準に従い廃棄したエンジンブレードを、キーホルダーに加工。ANAの機体登録ナンバーと使用時間を明記した情報カードが付く。
初回販売数: 50個
価格: 本体9900円、送料1500円
B767 パスケース
主に川崎重工が製造するボーイング 767型機の端材・余剰材を使い、パスケースに加工。縦型と横型の2種類を用意。
初回販売数: 縦型50個、横型50個
価格: 本体1万1000円、送料1500円
B767/777 名刺入れ
主に川崎重工が製造するボーイング 767型機と777型機の端材・余剰材を使用。可動式の蓋は、操縦席のランディングギア操作レバーをイメージしている。
初回販売数: 50個
価格: 本体1万5400円、送料1500円
B767 タブレットスタンド
航空写真家のルーク・オザワ氏が撮影したボーイング 767型機の写真を用い、羽田空港と伊丹空港の2種類を制作。ボーイング 767型機の端材を加工した脚部には、それぞれの滑走路番号(羽田が34L/16R、伊丹が14R/32L)をレーザー彫刻で刻印している。
初回販売数: 羽田空港50個、伊丹空港50個
価格: 本体8800円、送料1500円
発売初日の7月20日、両社は羽田空港のANA エアフレームメンテナンスビル(格納庫)で会見を実施。本企画の発案代表者であるANA整備センター 碇浩司氏と川崎重工の宮澤康弘氏が開発に至る想いを語った。
碇氏は、「世界中で飛んでいる航空機の一部を、実は日本メーカーが製造・流通しています。“ANAと川崎重工ってこんな面白いもの作ってるの?”と、まず話題を生み、触れていただきたい」と話す。
また「今回は先着ですが、量産態勢が整ったらさまざまな場所で販売しますし、航空マニアの方にも喜んでもらえるよう、今後ますますディープなものを取りそろえていく」という。
宮澤氏は、「川崎重工の航空ファンが集い、アイデアを出し合いながら構想を練ってきました。我々エンジニアが実際にデザインを担当し、航空機に求めるものと同じ高い精度を反映したアップサイクル商品。一般消費者向けの開発はレアケースですが、本企画を通じて少しでも航空機製造業について知っていただく好機になれば」とコメントした。