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名勝・奈良公園に「紫翠 ラグジュアリーコレクションホテル 奈良」2023年夏開業。歴史的建物と日本庭園を生かした“翠×マリオット”のダブルブランド

2022年11月1日 発表

2023年夏 開業

森トラスト 社長 伊達美和子氏が会見に臨み、2023年夏開業予定の新規ホテル「紫翠 ラグジュアリーコレクションホテル 奈良」について発表

 森トラストは11月1日、奈良県の官民連携事業「吉城園周辺地区保存管理・活用事業」において同社が進めている新規ホテル開発「(仮称)奈良吉城園計画」(奈良県奈良市登大路町55番地 他)の名称を、「紫翠 ラグジュアリーコレクションホテル 奈良」に決定したと明らかにした。同日、都内で記者会見を開き、森トラスト 社長の伊達美和子氏がそのコンセプトと全体計画について説明を行なった。

 紫翠 ラグジュアリーコレクションホテル 奈良は、同社が2017年に立ち上げたホテルブランド「翠 SUI」の3軒目の展開であるとともに、世界有数のホテルチェーンであるマリオット・インターナショナルの最高級カテゴリーブランド「ラグジュアリーコレクション」を県内で初めて誘致した“ダブルブランド”を掲げる。2022年2月21日より着工し、2023年夏の開業に向けて現在建設を進めている。

周辺地図
施設俯瞰イメージ

 場所は日本文化の発祥の地として世界にも知られる奈良県。そのなかでも建設地である吉城園周辺は、名勝地「奈良公園」の西端に位置し、春日大社や興福寺、東大寺などの世界遺産と豊かな緑に囲まれたエリアとなっている。

 青々と美しい自然の様子を表わす「紫幹翠葉」に由来する名称のとおり、新規ホテルではそのような奈良らしい風光明媚な土地を存分に生かして「歴史や伝統、神秘を体感する滞在を提供する」という。

施設イメージ。「小さな風景からおおらかな集合」を生み出すことで、奈良の環境に溶け込む街並みを形成する
京都、沖縄に続く国内3軒目の翠ブランド。ホテル名は、青々と美しい自然の様子を表わす「紫幹翠葉」に由来

 また同社は「ラグジュアリー・デスティネーション・ネットワーク」構想のもと、全国各地にグローバルスタンダードなホテルの誘致・開発を行なっている。2020年7月に開業した「JW マリオット・ホテル奈良」や海外メディアなどで高い評価を受ける「翠嵐ラグジュアリーコレクション 京都」など、ホテル開発を通じて世界に誇れる日本の魅力を発信してきた。

 新規ホテルの紫翠 ラグジュアリーコレクションホテル 奈良においても、周囲に広がる歴史的建造物を修復するとともに、新築建物や緑豊かな自然との融合を図り、ゆったりとしたくつろぎの空間を創出する。これにより「エリアの魅力をさらに高め、ラグジュアリーかつインターナショナルなホテルを目指していく」という。

建築家・隈研吾氏が設計を手掛ける
吉城園主棟など、現存する歴史的建物や周りの自然との調和を目指す

 設計を手掛けるのは、日本を代表する建築家・隈研吾氏。「伝統と現代の結び」をデザインコンセプトに、約9000坪の敷地に地上2階建て8棟の建物が立ち並ぶ、「奈良の環境に溶け込む街並み」のような宿泊施設を形成するとしている。

 レセプション設備やメインダイニングには、サンフランシスコ講和条約が結ばれた大正時代の建物である旧知事公舎を活用。全43室の客室は、奈良の伝統的な工芸品からインスピレーションを得たデザインで、窓の外に庭園の自然美を望むプライベート感あふれる空間を設える。

 また広い敷地内に残る日本庭園は今後、国内外の特別な会議や茶会、カクテルパーティーといったユニークべニューとしての活用を見込んでいるという。

正門イメージ。江戸時代から続く白壁に囲まれた旧知事公舎を生かした造り
客室イメージ。専用庭園の自然を望む、プライベート感あふれる空間を提供

 伊達社長はコロナ禍におけるホテル開発について、「2020年以降、世界の旅行者はその歩みを止めました。しかし世界は動き出しており、また将来にわたって世界旅行者は増加することが予測されています。日本も今まさに、観光立国の再生を進めるときではないでしょうか。森トラストグループは、日本観光立国の一助になるよう、この紫翠 ラグジュアリーコレクションホテル 奈良のプロジェクトを推進してまいりたい」とコメント。

 また今後もインバウンドに対して注力しながら、「日本各地の魅力を磨き、周辺エリアの方々と世界に向けて日本を発信していくことで、さらなる日本の観光先進国化と地方創生に貢献していきたい」という旨を語った。

世界に誇るラグジュアリーホテルとして2023年夏に開業予定。「よい土地との出会いがあってはじめて実行できる。地域に根差したホテルを目指す」と伊達社長
ホテルのロゴデザインは、神の使いとして奈良で大切にされている天然記念物の鹿と、ホテル敷地にもゆかりある藤原氏の家紋に用いられる「藤」がモチーフ