旅レポ

ブッキング・ドットコムがセレクトした京都で話題の宿泊施設に泊まる!(その2)

クチコミスコア上位の人気宿から4軒を一挙紹介

ブッキング・ドットコムがセレクトした宿泊施設を視察した

 宿泊施設予約サイト「ブッキング・ドットコム」主催のプレスツアー2日目は、京都で特に外国人観光客に人気の高いホテルを、ドミトリーから高級ホテルまで4軒視察。どの施設も、外国人観光客だけではなく日本人観光客にも十分魅力的で、「観光地の新しい楽しみ方」を提供してくれる宿が揃っていた。

京都駅から徒歩3分! デザイン性の高い共有スペースを持つ「ピースホステル京都」

 JR京都駅から徒歩3分という好立地にある「ピースホステル京都」。2013年4月にオープンした地上4階建ての建物で、ドミトリーと個室を合わせて50室あり、宿泊定員は125人。トイレ、バスは共同。客室のタイプは4~18人部屋のドミトリーが3割で、シングル、ツイン、ダブル、ファミリーの個室が7割。ベッド単価は2500円~3400円とのこと。

京都駅から徒歩3分という便利な場所にある
住宅地のなかにあり、案内板には「お静かに」の文字も
知らずに通りがかったら、はやりのカフェかと思うようなデザイン
株式会社ティーエーティー 代表取締役社長 田畑伸幸氏
1階にはカフェとバーを兼ねたスペースが。朝食は無料

 オーナーのティーエーティー 代表取締役社長 田畑伸幸氏は、小学生まで京都で、その後台湾やロンドンなどで過ごした経験を持つ。世界を見て回るなかで「京都はやっぱり特別な場所だ」という実感があり、世界中から来る観光客に快適なホステルを提供したいと、不動産関係の仕事から転職してイチから始めた事業だという。

 1階の共有部はインテリアにこだわりのあるカフェのような雰囲気だ。自由に使えるPCやライブラリが揃うラウンジ、無料の朝食が食べられるカフェやキッチン、清潔でゆったりしたシャワールームやバスルーム、独立したパウダールームなどが揃っている。共有スペースでは週1~2回、ゲスト同士の交流を目的に「たこ焼きパーティー」が行なわれているそうだ。館内はWi-Fiが利用でき、1日500円のレンタサイクルも用意されている。

無料で使えるパソコンが並ぶオシャレなラウンジとライブラリ

 デザイン性が高くセンスのよい共用施設に対して、ベッドまわりは清潔感を重視したシンプルな作り。ドミトリーの2段ベッドは簡易なものではなく3方が壁で、上下の影響も受けない作りだ。ベッドマットもセミダブルサイズで広い。「シティホテルとゲストハウスの間を狙ったポジショニング」とのことで、ゲストハウスのアットホームさとシティホテルの快適さを両立させている。

 ピースホステル京都は海外OTA(Online Travel Agent)を中心に登録され、国内OTAや場貸しサイトには登録していないというこだわりで、インバウンド率は90%。客室稼働率は98.2%を誇る。ブッキング・ドットコムのクチコミスコアも9.3と非常に高く、コメント数は5000件を超える。京都市内には系列の「ピースホステル三条」も2015年にオープンしており、どちらも海外OTAで人気ランキング上位の常連だ。

 京都駅から徒歩3分という便利な場所にあるオシャレで快適なドミトリーは、日本人観光客やビジネス利用者の目線から見ても非常に魅力的だった。

海外OTAで軒並み最上位の評価を受けている
外国人旅行者向けに英語でまとめられたインフォメーションボード
ペーパーラックのチラシも英語版がメイン
キッチンにはドリンクコーナーや共用の冷蔵庫もある
テラスは緑あふれる爽やかなスペース
長期滞在者向けにコインランドリーも充実している
シャワールームと別にパウダールームが用意してある
広くて清潔な水回り
18人部屋ドミトリー。ベッドはセミダブルサイズ(提供写真:ピースホステル京都)
4人部屋ドミトリー。ベッドはセミダブルサイズ(提供写真:ピースホステル京都)
定員2名の個室ダブルベッド。ベッドはキングサイズ(提供写真:ピースホステル京都)
定員1名の個室シングルルーム。ベッドはシングルベッド(提供写真:ピースホステル京都)
ピースホステル京都

宿泊料:ドミトリー1名2400円~、個室シングル4000円~
所在地:京都府京都市南区東九条東山王町21-1
最寄り駅:JR京都駅 徒歩3分
TEL:075-693-7077
Webサイト:ピースホステル京都

京町家で和の伝統文化を体験できる5部屋だけの高級旅館「茶の宿 七十七 二条邸」

 地下鉄東西線 二条城前駅から徒歩6分の位置にある旅館「茶の宿 七十七(なずな)二条邸」。築77年の京町家をリフォームしたことから名付けられた一軒家で、2016年2月にオープン。純和風の庭を囲んだゆったりした5部屋だけの構成で、部屋も和室と寝室、洗面所、トイレ、露天風呂を備え、45m2から90m2までの広さがある。1泊朝食付き1人2万5000円から。

築77年の京町家をリフォームした旅館「茶の宿 七十七 二条邸」
1階にある、フロントの機能を持つラウンジ
純和風の中庭

 リフォームの際に「お茶」をテーマにしたとのことで、茶室を備えるほか、スタッフが部屋で茶をたててくれるという。部屋の名前も「玉露」「玄米茶」「抹茶」など茶の名前が付けられ、部屋の香りには茶香炉が、露天風呂はお茶風呂が用意される。

 館内は伝統的な木造建築で、からくり屋敷のような面白さがある。美術品や古道具などが置かれ、和室に座って見える景色がまるで映画の一場面のようだ。「新しく作った和風の部屋」ではなく本物の説得力がある魅力的な光景だった。一方で、寝室には快適なシモンズ製のマットレスが導入されている部屋があるなど、ゲストに合わせた柔軟性も感じる。

株式会社Yumegurashi 代表取締役 大門(おおかど)真悟氏

 スタッフは全員英語が話せ、インバウンド率は7割。代表のYumegurashi 代表取締役 大門(おおかど)真悟氏は現在28歳と若いが、すでに富裕層向けのインバウンド向け旅行事業を立ち上げた経験があり、この宿にもそれが活かされているという。「日本人の感覚でよかれと思って提供したものでも、まったく喜んでもらえないこともあった。相手に喜んでもらえるサービスでないと意味がない。この宿では、分かりやすく、おしつけがましくないサービスで、会話を楽しむことを第一にして、リピーターになってもらうことを目指している」とのこと。高級旅館ではできない、おばあちゃんがするおせっかいのようなイメージだという。

各部屋に和室があり、ゆったり過ごせる
寝室にシモンズ製マットを導入した部屋もある

 朝食は庭に面した共有部で、いろりを囲んだ炭火焼き料理が提供される。伝統的な“京都らしい”朝食からは外れるが、経験上、富裕層が一番満足度が高いと感想を言うのがいつもいろり料理だったことから決断したという。この場所は夜はバーとしても利用できる。

 クチコミスコアは9.5と非常に高い。茶の宿 七十七 二条邸の成功を受けて、2017年2月に「和紙の宿 七十七 姉小路邸」、2017年5月に「和紙の宿 七十七 東山邸」もオープンしている。隠れ家のような高級旅館の雰囲気に、親しみやすいサービスを組み合わせた、宿泊を「体験」する宿。海外から京都観光に来る知人に「よい場所がないか」と聞かれたら迷わず勧められる宿を知った、という印象だ。

伝統的な木造建築の雰囲気が絵になっていた
各部屋に露天風呂を備えている
開放感抜群。「お茶風呂」も楽しめる
洗面所も雰囲気に合う凝った作り
共有スペースには茶室もある
誰でも茶が入れられるようスタッフは定期的にお茶を習っているそう
部屋の名前は茶にちなんだ名前が付けられている
各部屋にある家具は購入もできる
美術品にはそれぞれ解説が付けられている
いろりで朝食が食べられるスペース
各テーブルにいろりがあり、夜はバースペースにもなる
ゲストに「あのスタッフにもう一度会いに行こう」と思ってもらえるようおもてなししているという
茶の宿 七十七 二条邸

宿泊料:2万5000円~(1名1泊朝食付き)
所在地:京都市中京区薬屋町580
最寄り駅:市営地下鉄東西線 二条城前駅 徒歩6分
TEL:075-253-6877
Webサイト:茶の宿 七十七 二条邸

渡月橋近くに広がるハイクオリティな別世界「翠嵐 ラグジュアリーコレクションホテル 京都」

「翠嵐(すいらん) ラグジュアリーコレクションホテル 京都」は、京都でもトップクラスの人気観光地、嵐山の渡月橋すぐそばに位置する最高級ランクのホテル。世界中から観光客が押し寄せるにぎやかな渡月橋から歩いてすぐの所にあるにも関わらず、別世界のような静けさが広がっている。

屋形船が行き交う保津川沿い、嵐山を望む場所にある
ホテルの敷地入り口。“翠嵐(すいらん)”は保津川の色から取ったそう
敷地をしばらく歩いて高級感のあるフロント棟に到着
翠嵐 ラグジュアリーコレクションホテル 京都 マーケティング コミュニケーションズ マネージャー 佐藤佳子氏
中庭には京都らしいゆずの木や、モミジなど季節感あふれる木々が並ぶ

 マリオット・インターナショナルの最高級カテゴリーホテルブランド「The Luxury Collection」の1つとして2015年3月にオープンしたホテルで、1630坪の広大な敷地に39室の客室、貸し切り温泉露天風呂、宴会場、レストラン、カフェなどを併設。1室8万円の部屋が20室と最も多く、ついで1室9万5000円の部屋が12室。ゲストは富裕層が中心とのこと。嵐山の各駅までの人力車による無料送迎サービスや、JR京都駅からのタクシーによる無料送迎も行なう。

 室内は平均44m2のゆとりある広さに、モダンなデザインの寝室やリビングで構成されている。部屋数が最も多い「月の音」では、月をイメージした照明と、その月の光が保津川の水面に映るイメージでデザインされたカーペットが敷かれた美しい部屋。大きな窓からは四季で移り変わる嵐山の風景が見える。

「月の音」スーペリアルーム

 フローリングと畳敷きのリビングを持つ「柚葉 (ゆずのは)」には和風の庭があり、ヒノキの露天風呂も備える。ほかにも、畳敷きの和室だけで構成された旅館風の部屋や、保津川や渡月橋を直接望める部屋もあるとのこと。

 ここは以前、老舗旅館の「嵐亭(らんてい)」があった場所で、入り口の門や、「延命閣」と呼ばれた歴史的建造物、見事な日本庭園など修復して活用されているものもある。高い評価を得ていた嵐山温泉も宿泊者限定の有料貸し切り温泉露天風呂(1回1組45分、3500円)として活かされている。

 なかでもレストラン「京 翠嵐」として生まれ変わった延命閣は、川崎重工業の創始者、川崎正蔵が建てた別荘を修復・復元したもので、見事な日本庭園を望みながら会席料理をベースにした料理がいただける。

 入り口近くに位置するカフェ「茶寮 八翠(はっすい)」も、築100年を超える「旧八賞軒」を活用したもの。保津川沿いに建てられ、左に渡月橋を望むすばらしいロケーション。季節のよい時期にテラス席で過ごすひとときは最高だろう。宿泊者以外でも利用できるので、覚えておくと便利。

 富裕層はクチコミをあまり投稿しないので数は少ないが、クチコミスコアは8.8と好評価。唯一無二のシチュエーションと温泉のよさを評価する声が多い。ホテルを出なくても、敷地内自体がとっておきの体験になる特別なホテルという印象だ。

部屋までの廊下や共有部も木材が多用された伝統的な作り
ブラケットは月がモチーフ。じゅうたんは月が映り込む水面をイメージした青
洗面ボウルは信楽焼。バスと広いシャワーブースを備えている
「柚葉」デラックスルーム
庭に面した畳敷きのリビング
庭にはプライベートの温泉露天風呂付
宿泊者限定の有料貸し切り温泉露天風呂「嵐山温泉」
「洛」はヒノキの露天風呂
「庵」は岩風呂
レストラン「京 翠嵐」。「延命閣」として知られた別荘を修復した建物だ
入り口近く、保津川沿いに建てられた「茶寮 八翠」
テラスからは渡月橋も見えるという
翠嵐 ラグジュアリーコレクションホテル 京都

宿泊料:1室7万円~
所在地:京都府京都市右京区嵯峨天龍寺芒ノ馬場町12
最寄り駅:嵐山本線 嵐山駅 徒歩約6分
TEL:075-872-0101
Webサイト:翠嵐 ラグジュアリーコレクションホテル 京都

究極に便利な立地、本を読みながら寝落ちできる「BOOK AND BED TOKYO 京都店」

 2015年に池袋にオープンした際に大きな話題になった「BOOK AND BED TOKYO」の京都店。「泊まれる本屋」というコンセプトはそのままに、地ビールが飲める「BOOK AND BED AND BEER」と名付けられたバースペースも備えている。

 BOOK AND BED TOKYO 京都店は祇園四条駅から徒歩1分という繁華街まっただなかの便利な場所にある。やや怪しい雰囲気のビルだが、エレベータで9階に上がると、大きなドアが現われる。ここがBOOK AND BED TOKYO 京都店だと知っていないと、なかなかノックする勇気は出ないかもしれない。セキュリティという意味では安心だ。

祇園四条駅 徒歩1分、繁華街のなかにある
パブやクラブが入るビルの最上階にある
9階に着くと現われる謎のドア
部外者は入れない仕組みで安心だ

 ドアを開けて入るとすぐに地ビールが並ぶバースペースが広がり、その先にクローク、そして本棚が広がるスペースに出る。壁沿いや中央に作り付けられた本棚にベッドスペースが設けられている独自の作り。トイレ、シャワー、洗面スペース、本がゆったり読めるロビースペースなど、ゲストハウスとしての共用施設ももちろん完備している。

 ベッドは20床で、うち18床の「BOOK SHELF STANDARD」は幅110×220cmと、セミダブルよりやや小さめという程度。まさに押し入れの中に入ったような感覚だ。Wi-Fiは無料。ベッドスペースにはライトやコンセントを備えている。

ずらりと並ぶ本とベッドスペース。窓際には本がゆっくり読めるロビースペースが

 1名1泊4300円~4800円で、13時~17時のデイタイムは1時間500円(税別)で時間利用も可能だ(デイタイム時の個室・シャワー使用は不可)。

 いつもなら怒られそうな「本を読みながらの寝落ち」を誰にも止められない、本好きのためのパラダイスだ。5000冊が収納できる本棚は、京都を意識したラインアップ。写真集などのカルチャー系からガイドブックなどの情報系のほか、マンガや洋書までバラエティに富んでいる。

アトリエブックアンドベッド株式会社 山元咲奈氏

 クチコミスコアは8.4。とてもインスタ映えする空間で、ビルが川沿いの9階という立地もあって大きな窓からは驚くほど見晴らしがよい。店長のアトリエブックアンドベッド 山元咲奈氏によると、ここを知ったきっかけは誰かのブログやインスタだという人が多く、利用者は20代~30代がメインだそう。外国人観光客は3割ほどで、意外にも関西圏から3割、それ以外の日本各地から3割程度が利用するという比率だという。ゲストとスタッフの距離感が近く、仕事終わりにみんなで一緒に食事に行ったり、知人になることもあるそうだ。個人的にも、20代で知っていたらリピーターになっていたに違いない。一人旅に覚えておきたい個性派のゲストハウスだ。

こだわってセレクションされた本の数々と、押し入れの中のようなベッドの空間が並ぶ
京都を意識した本のセレクトになっているそう
2段ベッド上には、はしごで登るしくみ
窓のある「RIVER VIEW」は眺めのよい特等席だ
シンプルなリネンと枕元の便利なコンセント。
窓際のソファとクッションが並ぶロビースペース
朝食は付いていないが、コーヒーメーカー、トースター、電子レンジ、電気ポットなどが自由に利用できる
大きな鏡が設置された洗面所。混雑する朝も使いやすそうだ
ドライヤーの貸し出しもある
シャワーやトイレも複数ある
地ビールなどが飲めるバースペース。オリジナルグッズも販売している
鴨川を望む抜群の眺め。まわりに飲食店も多い
BOOK AND BED TOKYO 京都店

宿泊料:1名1泊4300円~、デイタイム(13時~17時)1時間500円(税別)
所在地:京都市東山区中之町西入ル200 カモガワビル9階
最寄り駅:京阪本線 祇園四条駅 徒歩1分
Webサイト:BOOK AND BED TOKYO 京都店

 ブッキング・ドットコムがセレクトした京都で注目されるさまざまな宿泊施設4軒を見たが、若いオーナーのアイデアや思いきりのよさ、歴史をインバウンドビジネスのチャンスに活かす京都の実力を見て取れて、非常に考えさせられた。こんなに面白い場所を、外国人観光客の方が知っているとは国内旅行者としては悔しい限りだ。ブッキング・ドットコムに登録すると、検索した結果からお勧めの宿やセール情報が定期的に届くようになる。この情報からまったく知らなかったよさそうな宿を発見することもあって面白い。ブッキング・ドットコムを国内旅行にも使うという方法を覚えておきたい。

赤池淳子

1973年東京都生まれ。IT系出版社を経て編集者兼フリーライターに。雑誌やWeb媒体での執筆・編集を行なっている。Watchシリーズでは西村敦子のペンネームでInternet Watchでのお得サイトの紹介や、家電 Watchでの製品レビュー等を執筆していた。現在は5歳男児の子育てに、仕事以上の忍耐力を試される日々を送る。