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JR西日本「うめきた(大阪)地下駅」2023年春開業。スマホと連動した道案内、世界初フルスクリーンホームドア初公開
デジタル可変案内サイン「One to One」「Mass」
2022年7月1日 08:00
- 2023年春 開業予定
JR西日本(西日本旅客鉄道)は、2023年春に開業予定の「うめきた(大阪)地下駅」に設置するデジタル可変案内サイン「One to One」と「Mass」、そして世界初となるフルスクリーンホームドアを報道陣に初公開した。
デジタル可変案内サイン「One to One」は、スマホに行き先を登録することで、駅に設置された案内サインに自分専用の進行方向を表示させる新しい案内サインだ。
使い方は、あらかじめ自身の持つスマホに目的地(タクシー乗り場やトイレなど)を入力し設定する。その際、スマホには自分専用のマークが表示される。設置された案内サインに近づくと、自分専用のマークと進行方向が案内サインに表示される。表示に従って歩き進むと、次に現れる案内サインにもまた自分専用のマークと進行方向が連続的に表示され、迷うことなく自分の行きたい場所へたどり着くことができる。
このデジタル可変案内サイン「One to One」が実用化されることで、駅員を探して場所を尋ねる手間などを減らし、利用者の利便性向上と駅員のより効率的な業務遂行に寄与するという。
また、同じくデジタル可変案内サインである「Mass」は、これまでの固定表示による「出口」や「番線」などの案内を常に変化させることでより多くの案内情報を表示させる案内サインだ。これにより行き先案内だけでなく、列車の遅延情報などをリアルタイムに提供することが可能になる。こちらの案内サインは「One to One」のようなそれぞれの利用客に合わせた案内表示ではなく、より多くの利用客が必要とする情報を常に可変させながら案内表示していく。
そして、このデジタル可変案内サイン「Mass」とホームドアを組み合わせたのが、世界初のフルスクリーンホームドアだ。これはホームドアそのものをリデザインし、ホームと線路を完全にホームドアで遮蔽。従来のホームドアよりも安全性を高め、さらにはデジタル可変案内サインと組み合わせることで、より分かりやすく多くの情報を利用者に提供するというもの。
これにより、利用者はより細かな列車情報、例えば列車名や時間、車両乗降口の号車番号などをひと目で確認することができるという。しかも、このフルスクリーンホームドアはサイネージ部分も列車に合わせて可動するため、車両前後にしか乗降口がない2枚ドアの車両から3枚ドアの車両まで、あらゆる列車のタイプに対応可能。新しい駅ではまず、1つの番線に設置される予定になっている。
また安全面への配慮として、利用者のホームドアとの接触や挟まれ、列車とホームドア間での閉じ込め等を、人間の目視だけではなくドア可動モーターの負荷を検知する機能、および2Dセンサーと3Dセンサーを利用して検知。利用客の安全性も確保している。
JR西日本は「うめきた(大阪)地下駅」を「JR西日本技術ビジョン」の具体化に挑戦する駅として位置付け、実現に向けて取り組んできた。さらには同駅をイノベーションの実験場「JR WEST LABO」の中心とする旨がすでに発表されている。
JR西日本 イノベーション本部の小森一氏は「新しい駅(未来の駅)とはこういうものだという姿を世の中に示し、使える技術(実現した新しい技術)があれば、既存の駅にどんどん展開していきたいと考えている。我々は、うめきた(大阪)地下駅を未来に向けた実験場として開発を進めてきた。これからも最新の技術を試す場としていきたい」と抱負を語った。