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タイ、外国人旅行者受け入れ区分「Test&Go」緩和見込み。非常事態宣言は全土で延長

2021年12月16日 実施

タイ国政府観光庁が「タイランドアップデート」を実施

 タイ国政府観光庁は12月16日、現地の最新情報を業界向けに発信する「タイランドアップデート」を開催した。説明を行なったのは、タイ国政府観光庁 本部 日本市場担当の鹿野健太郎氏。

 タイ国内の新型コロナウイルス感染状況は、全国の1日あたりの新規感染者が3000~4000人と、前回報告値(5000~7000人)からまた一段落ち着いており、重症者・死亡者も減少傾向にある。オミクロン株についても、現時点で深刻な拡大は起こっていないという。

 感染者数の推移グラフで見ると、4月から第3波、6月以降にデルタ株で1日2万人超、9月ごろにピークを迎えたが、そこから順調に減少が進み、感染症対策が機能していることがよく分かる。

鹿野氏が撮影したバンコクの様子

 タイ運輸省統計で国内の交通量を見ると(対2019年12月比)、BTSスカイトレインは59.3%、バンコク都内のバスは57.9%、バンコクの2空港(スワンナプーム、ドンムアン)の国内線は58.0%といずれも60%弱ながら、バンコク首都高速は92.0%とコロナ以前に迫る交通量になっている。このことについて鹿野氏は、公共交通機関を避けてクルマを利用する人が一定数いるからではと分析した。鹿野氏が現地バンコクで撮影した写真からもその様子が分かり、スカイトレインやMRT(地下鉄)の利用者は通勤ピーク時間帯でもやや控えめで、しかし夕方の高速道路では大きな渋滞が発生している。

 保健省が発表している地域別リスクは12月1日に見直されており、最高度厳重管理地域が6県から0県に減少、観光先行地域が4県から7県(26地区)に増えている。このように感染抑え込みは順調に見えるものの、気温が下がり、年末年始のイベントで人の移動が増えると予想されることから非常事態宣言は全土で延長、2022年1月31日までとなっている。

 11月1日から始まっている外国人旅行者の受け入れ区分については、12月16日からさらに緩和される方向で調整が進んでいる。詳細については、タイ国政府観光庁の本庁ニュースサイトで正式な情報が公開される(執筆時点では確認できず)。

 緩和の具体的な内容は、日本を含む63以上の国と地域からの渡航者に対し、ワクチン接種済みの場合に隔離なしで受け入れる「Test&Go」区分は、入国経路が現在の「空路のみ」に加えて「指定港湾からの海路」「ノンカーイ県ラオス国境からの陸路」も許可される見込み。