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タイ、「Special Tourist Visa」の導入に向け検討を開始

2020年9月17日 開催

Special Tourist Visaの概要

 タイ国政府観光庁は9月17日、日本の関係者向けにオンラインセミナーを開催し、海外からの観光客の受け入れに向けて「Special Tourist Visa」の導入の検討が始まったことなどを案内した。

 同国においては、現時点でも長期にわたり優遇が受けられる「タイランドエリート」プログラムによる渡航が可能となっているが、これとは別に最長270日(9か月、90日ごとに更新)の滞在が可能なSpecial Tourist Visaについて、閣議で原則合意がなされ、導入に向けた検討が始まった。

 タイ国政府観光庁 本部(バンコク)日本市場担当の鹿野健太郎氏によれば、事前に申請書類の提出が必要で、入国後に14日間の隔離対策や滞在期間中の宿泊先の確保などが求められるなど、まだまだ制約も多いが、大きなダメージを受けている現地の観光業関係者は同施策に期待を寄せている。申請費用は2000バーツ程度になる見込み。

デリバリーサービスや電子決済サービスが普及

 現地で日本語の無料タウン情報紙「ばんこくガイド」を運営するBangkok Leisure Service Co.,Ltd.の濱口陽子氏は、バンコクの現状をレポート。目に見えて大きく変わったところとして、何でもデリバリーで調達できるようになったことを挙げた。朝のコーヒーやおやつなども15~20バーツで取り寄せられ、街中の渋滞のほとんどはデリバリーのバイクなのだとか。

 一方で、コロナ前は中国人を中心とする観光客で溢れていたが、ドリアンやマッサージクリームなどを扱う中国人観光客向けの土産店の多くが閉店に追い込まれている。宿泊関連でも中級クラスのホテルが閉鎖に追い込まれるなどの影響が出ており、周辺住民を対象にしたステイケーションが流行り始めているという。

 また、鹿野氏によると、こうした状況のなかで、バンコクでは電子決済の普及が急速に進んでいる。LINE Payのように、日本からの旅行者でも使えるサービスもあり、今後は小銭のやりとりでアタフタすることも少なくなるのかもしれない。