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タイ国政府観光庁、新規感染ゼロが続く現地の状況を説明。「9月から受け入れ」という大臣発言は公式に確認できない

2020年7月16日 実施

タイ国政府観光庁は現地の現状などを説明するオンラインセミナーを実施した。写真はタイ国政府観光庁 本部 日本市場担当の鹿野健太郎氏

 タイ国政府観光庁は7月16日、オンラインセミナーを開催して現地の現状などを説明した。

 タイ現地からは、タイ国政府観光庁 本部 日本市場担当の鹿野健太郎氏がまず最新の感染状況を報告。7月15日11時30分(現地時間)の内務省発表によると、累積感染者数は3232人、そのうち治癒しているのが3092人、治療中が82人で、治癒率は95.7%になっている。死亡者数は6月から変わらず58人で増加なし、国内の新規感染ゼロは連続50日を記録している。

 こうした状況ではありながら、非常事態宣言は6月30日までだったものが7月31日まで延長されているが、一方で首都バンコクでは、BTS(スカイトレイン)や地下鉄の座席はすべて使用可能になり、レストランなどではパーティションがなくなったり、向かい合わせに座ることを制限しなくなったりと着席制限の緩和が進んでいる。同時に、国内旅行気運も高まっているという。

 旅行業界向けの安全衛生基準「SHA(Safety and Health Administration)」認証の取得も進んでいて、6月に600社くらいだったところ、現在は2520社が取得済みで、このうち宿泊施設は1625件となっている。

 そして、コロナ収束後に向けての取り組みも始まっている。在タイ日本人向け向けの国内ツアーでプロモーションを開始したり、DMC(観光地経営会社)や現地日本語メディア向けの視察・取材旅行を行なったりすることで、来年以降の日本人観光客に紹介する新しい観光素材の掘り起こし・開発に着手している。

 協定を結んだ両国間で自主隔離なしの外国人旅行者受け入れを行なう「トラベル・バブル」については、夏からの開始で交渉していたが、東アジア各地で感染第2波と呼べる状況が出てきているため、国民感情などにも配慮して現在は保留となっている。なお、一部報道で「日本からの観光客を9月から段階的に受け入れ」という大臣発言が出ているが、公式な発言としては確認できないという。