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タイ国政府観光庁、タイ現地の最新状況を説明。非常事態宣言は9月まで延長の気配

国内の新規感染ゼロは連続86日

2020年8月20日 実施

タイ国政府観光庁が現地の最新情報を説明した。画像はタイ国政府観光庁 本部 日本市場担当の鹿野健太郎氏

 タイ国政府観光庁は8月20日、オンラインセミナーを通じてタイ現地の最新情報を公開した。

 現地からは、タイ国政府観光庁 本部 日本市場担当の鹿野健太郎氏が最新の感染状況を説明。8月19日11時(現地時刻)発表のタイ国内の感染状況は、累積感染数が3382人、そのうち治癒が3199人、治療中が125人で、治癒率は94.6%。新規感染者は1名だが海外からの帰国者で、国内の新規感染ゼロは連続86日間続いている。

8月19日11時(現地時刻)発表の感染状況

 報道されているように反政府デモなども起こっているが、8月31日までは非常事態宣言がでているため、本来は集会も禁止されている。こうした背景もあり、非常事態宣言が9月まで延長されるのではとの見方が強まっているという。

 なお、航空局により一般旅客便の停止は無期限延長中。タイ国籍を持つ人などの帰国は可能だが、引き続き14日間の政府指定施設での隔離が求められる。ところで、この際の費用は原則自己負担になるが、「7月上旬の一例」として1人4万5000バーツ(約15万3000円、1バーツ=約3.4円換算)という報告があった。また、実際には14日間ではなく15日間の隔離で、16日目に出られたそうだ(1日あたり3000バーツ、約1万円)。隔離施設はバンコクのサービスアパートメントや日系のホテルで、食事はお盆に乗った形で提供。ときどき屋上に出られたりするが、基本的には「隔離」なので、「精神的にはなかなかつらそう」とのことだった。

 タイ現地では、バンコクだけでなく地方でも検温・消毒・マスク着用が日常化。タイの国内旅行は回復傾向が顕著に見られており、鹿野氏自身、バンコクの北東120kmほどにあるカオヤイを最近訪れたそうだが、在タイ邦人が何組か見られたという。

 一方、観光・スポーツ省の大臣から「プーケットにチャーター便で観光客を直接入れてはどうか」という発言も出たそうだが、あくまで大臣個人の発言であり、政府として正式に検討する段階に至っていない。鹿野氏は「首相発言または官報が出るまで正式な情報ではない」と強調した。