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タイ、外国人観光客の受け入れ増加が期待できるのは2021年後半から

2021年1月21日 実施

タイ国内の新型コロナウイルスの感染状況

 タイ国政府観光庁は1月21日、日本の関係者向けにオンラインセミナーを開催し、現地の最新動向を紹介した。

 タイでは昨年3月~5月に新型コロナウイルスの感染拡大の第1波があったが、5月後半~12月半ばにかけては抑え込みに成功。しかし、12月19日にサムットサーコーン県の魚介類の生鮮市場で大規模なクラスターが発生し、現時点でもその影響が出ている。同国政府では、移動制限や能動的PCR検査といった措置をとるなどした結果、最大で700人超だった新規感染者数は昨日時点で59人まで減少してきた。

 第2波で旅行業界への影響はより深刻なものになっており、現時点で外国からの渡航禁止措置はとられていないものの、同庁では外国人観光客の受け入れ増加が期待できるのは2021年後半からになると見ている。さまざまなシミュレーションの一例として、2019年時点で約4000万人とされていた外国人観光客数は、2021年で約25%~、2022年で50%~の回復となる見方もあるという。

 なお、タイ国内では地域ごとに「高度管理地域」「管理地域」「注意地域」「安全地域」の4段階で感染リスクが指定されており、高度管理地域のなかでも沿岸5県は「厳重な高度管理地域」に指定され、県をまたいで移動する場合には移動の理由を申告して許可を得る必要があるとされている。

 セミナー後半では、現地で人材紹介業などを展開するパーソネル コンサルタント マンパワー タイランド 代表取締役社長の小田原靖氏がバンコク市内の閑散としている様子や、政府の発表以上に失業率が高くなっている状況などを説明した。

 現地ではゴルフリゾートを外国人観光客の14日間の隔離施設に指定する動きもあるが、これは主に韓国人観光客をターゲットにしたチャーター機などを用いた大規模なツアーを念頭に置いているという。指定されたゴルフリゾートは6件と少ないが、隔離中もゴルフをプレイできるとのことで、こうした発想の転換は興味深い。