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創業130年、東京・日本橋の老舗「ホテルかずさや」がリニューアルオープン。10階建ての新築ビルに和のテイストにあふれた空間
2020年7月20日 11:57
- 2020年7月17日 グランドオープン
東京・日本橋の老舗「ホテルかずさや」は、7月17日にリニューアルオープンした。
2019年4月から着工したビルは地上10階建てで、客室数は従来の2倍である154室を用意。施設やセキュリティなどは最新設備となり、旧ホテルにはなかった大浴場(男女別)も加わり、より近代的なホテルに生まれ変わった。
ホテルかずさや
グランドオープン日: 2020年7月17日
所在地: 東京都中央区日本橋本町4-7-15
アクセス: JR新日本橋駅から徒歩約1分、神田駅から徒歩約5分、東京メトロ三越前駅から徒歩約5分、小伝馬町駅から徒歩約5分
チェックイン/チェックアウト: 15時/10時
客室数: 154室
TEL: 03-3241-1045(平日10時~18時)
Webサイト: ホテルかずさや
ホテルかずさやの歴史は古く、創始者が「上総屋旅館」としてこの地に開業したのは1891年(明治24年)と、日本橋の老舗ホテルとして名を知られている。初代の工藤由郎は信州生まれで養蚕業を営んでいたが、旅館経営を夢見て東京に進出。すでに営業していた上総屋旅館を買い取って宿泊業を始めた。その際に名称を出身地である信州や信濃にちなんだものに変更しようとしたそうだが、すでにその名を冠した旅館があったので、やむなくその名を引き継いで今に至っている。
長い歴史のなかで何度か建て替えを行ない時代に即した営業を続けてきたが、とくに大事にしてきたものが江戸文化の和の心だ。新しいホテルも機能面は最新設備であるが、ルームカラーは江戸町民の色彩である「四十八茶百鼠」を使ったもので落ち着きのある空間を演出している。四十八茶百鼠は、江戸幕府が町民の贅沢を禁止するために着物の色を「茶」「鼠」「藍」の3色だけ許可したのに対し、したたかな江戸っ子が3色を組み合わせて新たなカラーバリエーションを作り出したもの。
部屋のタイプは、デラックスツイン、ツイン、ダブル、セミダブル、シングルの5種類。どの部屋にも個別冷暖房、ユニットバス(もしくはバスとトイレ、シャワールームとトイレ)、デスクテーブル、テレビ、加湿空気清浄機、冷蔵庫、Wi-Fiなどを備える。客室アメニティも、シャンプー、コンディショナー、ボディソープ、ボディタオル、ハンドタオル、歯ブラシ、髭剃り、室内用スリッパ、部屋着用の作務衣などがそろっている。
シングルルーム
ホテルかずさやは「時の鐘通り」に面していることもあり、1階のレストランは「食堂酒菜 時の鐘」、2階に新しく設置された大浴場の名前は「時の湯」と、江戸時代からの名称に関連付いている。時の鐘通りは、この地に寺社以外で時間を報せる鐘楼「石町の鐘」が建てられていたことに由来する。レストランでは厳選した素材を使用した朝食のほか、和食や洋食のランチやディナーが楽しめる(ランチとディナーは8月上旬からサービス開始)。こちらのインテリアも木材を多用した親しみやすく落ち着きのある空間が特徴で、とくに入ってすぐの場所にある大テーブルは要注目。4代目の代表取締役社長 工藤哲夫氏が知人から仕入れたものであり、山形産の栗の木を使ったもので、木目の美しさと温もりのある感触が居心地のよさを提供してくれる。宿泊客に提供される朝食にもこだわっており、和食には福井産の特別栽培米「越地米」を使用。洋食のパンはフランス産の生地を輸入し、調理場で焼き上げている。
2階にある大浴場も和のテイストが特徴だ。江戸黒(黒漆喰)をイメージした黒を基調とし、目隠し格子からはほのかな光があふれ、落ち着きがありリラックスできる空間になっている。浴槽と目隠し格子の間に置かれた石は地下から掘り出されたものであり、悠久の流れを感じさせる。一方、大浴場入口の扉や女湯の入口扉はカードキーや番号キーで施錠されており、セキュリティはしっかりと確保されているので安心して利用できる。大浴場の入口横には、江戸の日本橋文化を知ることができる「時の鐘通りミュージアム」も併設されているので、湯上り後に足を止めてみるのもいいだろう。
東京の各エリアにアクセスしやすい日本橋に立地し、これまでも創業当時から受け継がれてきた心和む暖かいおもてなしの精神をモットーに営業してきたホテルかずさや。最新設備でより便利になり、今後も清潔で安心・安全、快適なサービスを提供していきたいとのことだ。