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auの5Gを使って渋谷を盛り上げる「渋谷5Gエンターテイメントプロジェクト」

2020年1月24日 発表

渋谷区の長谷部区長(左)とKDDIの取締役執行役員常務の森田圭氏(右)

 KDDI、一般社団法人渋谷未来デザイン、一般財団法人渋谷区観光協会は、5Gを活用した「渋谷5Gエンターテイメントプロジェクト」を開始した。

 同プロジェクトは、渋谷区が推進する創造文化都市事業にauの5Gを使って貢献するべく、さまざまなソリューションやコンテンツを提供していこうというもので、前述の3者だけでなく、32のさまざまな会社や団体が参加し、エンターテイメント分野を中心にさまざまな試みを行なっていく。

渋谷5Gエンターテイメントプロジェクトの参加企業・団体の代表
プロジェクトの参加企業・団体。渋谷区自体も後援という形で参加している

 発表会には渋谷区の長谷部健区長も登壇し、渋谷区も同プロジェクトにできるかぎり協力していくとコメントした。同プロジェクトはもともと、KDDI、渋谷未来デザイン、渋谷区観光協会の3者が昨年9月に立ち上げた「渋谷エンタメテック推進プロジェクト」が元になっている。渋谷エンタメテック推進プロジェクトは立ち上げ後の数か月で7個のイベントをリリースしているが、どれも中核の3者だけで提供できるものではなく、ほかのパートナーの協力で実施している。そのような形でいろいろな企業や団体と協力していく中で、今回、開始が発表された渋谷5Gエンターテイメントプロジェクトへと発展した。

ハチ公前広の特設ブース。地下街の出入り口のすぐ目の前で、かなり歩行者の多いエリアでもある

 プロジェクトの一環として、まず1月24日と25日の2日間、渋谷駅ハチ公前広場に5Gの可搬型基地局が設置され、5Gを使ったXRアプリを体験する特設ブースが設置されている。こちらのブースでは、1964年の渋谷駅前を再現したCGの街並みを現在の街並みに重ねてXR表示させるアプリを5Gスマホで体験することができる。

 このXR体験で使われるCGモデルは、1964年の東京の街並みデータを作成している一般社団法人1964 TOKYO VRのデータを利用している。ちなみに1964年は前回の東京オリンピックが開催された年でもある。渋谷駅前の街並みは現在と大きく異なるが、三千里薬品や渋谷西村などはいまと同じ場所に古い建物が再現されている。

アプリ上ではスライダを動かすと実際の映像から1964年のCG映像が徐々に切り替わっていく

 こちらのデモ体験にはスマホアプリの「STYLY」が使われていて、既存の4GスマホでもQRコードを読み取れば同様の体験ができる。

 しかし、狭い範囲内に多くの人が密集し、通信速度が遅くなりがちな渋谷駅ハチ公前広場だと、既存の4Gスマホではこうしたアプリは使いにくい。実際に筆者も私物のiPhoneで試みたが、1分くらい待ってもデータのダウンロードが終了しなかった。

 一方で今回使われた5G基地局には、その場でデモに使われている数台のスマホしか接続していないこともあり、通信速度が非常に速く、数秒でダウンロードが完了してすぐにXRを体験することができた。

ブースの高いところから見下ろすような角度で街並みをみることもできる。写真の角度だと左手奥に渋谷西村、右手奥に三千里薬品が写っている。当時はハチ公が北を向いていた(現在は駅のある東に向いている)
1964年当時の「国鉄」渋谷駅。路面電車が廃止される直前の時期で、まだ地下に鉄道が通っていない(銀座線は地上3階に駅がある)はずだが、地下街への入り口は存在している

 5Gの特設ブースは2日間限定だが、ハチ公前広場に常設されている東急電鉄の旧車両を利用した観光案内所「青ガエル」では、3月31日までauの5Gへの取り組みの案内やAI店員やXR技術を使った未来の観光案内が実証実験的に行なわれる。

 このほかにも渋谷モディにある直営店のau SHIBUYA MODIでは、1月25日に須田景凪のライブの一部中継やステージ演出へのリアルタイム参加、1月26日にはeスポーツイベント「EVO Japan」のライブ視聴など、5Gを使ったイベントが行なわれる。

特設ブースに設置された5G基地局アンテナ。仮設なのでイベント終了後には撤去される