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KDDIや渋谷区観光協会が発信する「バーチャル渋谷」、5月19日に公開

2020年5月15日 発表

バーチャル渋谷。バーチャルなのでスクランブル交差点を使ったイベントも開催できる

 KDDI、渋谷未来デザイン、渋谷区観光協会を中心とする渋谷5Gエンターテイメントプロジェクトは、「バーチャル渋谷」を5月19日にオープンする。

「バーチャル渋谷」は、その名のとおりバーチャル空間内に再現された渋谷駅前で、それを使ったイベントの第1弾として5月19日の19時〜19時45分に「#渋谷攻殻NIGHT by au5G」が開催される。

「#渋谷攻殻NIGHT」の登壇者

 同イベントは、人気のSFシリーズ「攻殻機動隊」をテーマにしたイベント。渋谷未来デザイン フューチャーデザイナーも務める若槻千夏氏、SEKAI NO OWARIのDJ LOVE氏、S/U/P/E/R DOMMUNE代表の宇川直宏氏、にじさんじ所属バーチャルライバーのアンジュ・カトリーナ氏といった、au 5GエンターテイメントプロジェクトやVRにゆかりがある攻殻機動隊フリークの人たちの出演が予定されている。

 トークイベントだけでなく、渋谷駅前は攻殻機動隊の世界観に合わせた装飾がなされ、攻殻機動隊に登場する多脚戦車「タチコマ」も配置される。一般参加者はそうした街並みを歩き回ることができる。

バーチャル109前の展示。このあたりはたまにリアルでも車両を遮断してのイベント開催が行なわれる

 渋谷5Gエンターテイメントプロジェクトでは、もともと渋谷駅周辺の現地に行くことで楽しめるxRコンテンツを提供予定だった。

 たとえば渋谷駅前の複合ビル「渋谷フクラス」の17階オープンテラスでは、VR/ARヘッドセットを使って攻殻機動隊のキャラクターを実際の風景とともに楽しむ体験などが提供予定だった。

 しかし、新型コロナの影響で渋谷フクラスなど、渋谷駅周辺の商業施設の多くが休館となってしまい、当初予定していた実際の渋谷の街中で楽しむXRコンテンツの提供が困難になっている。

「バーチャル渋谷」は、そうした新型コロナの影響に対応し、提供予定だった攻殻機動隊のxRコンテンツを実際に渋谷に行かなくても体験できる場として提供される。

バーチャル渋谷駅前。リアルでは広告出稿が減って寂しくなっているが、バーチャルならコラボ広告を入れやすい

 また、「バーチャル渋谷」は渋谷5Gエンターテイメントプロジェクトの攻殻機動隊コラボイベント以外にも活用されることが想定されている。

 渋谷はもともと、渋谷内外から多くの人が集い、渋谷発の新しいカルチャーが形成・発信されて街が発展してきたという経緯を持つ。しかし、新型コロナの影響で現在、渋谷の駅周辺は平常時からは考えられないくらい人通りが少なくなっている。

 本来、実際に集客する観光ビジネスと人が移動しないバーチャルは、相性の悪い面もあるが、新型コロナウイルスの影響下で人が集まれない今、「新しいカルチャーを発信する」という渋谷らしさを継続するプラットフォームとしても、「バーチャル渋谷」は期待されている。

 日本の最新カルチャーの発信地の渋谷とあって、海外からの関心も高いと思われるが、インバウンド需要が冷え込む中で世界にメッセージを発信し続けるために、多言語対応なども検討していくとしている。

「バーチャル渋谷」の今後については、まず5月19日のイベントを見て常設できるかなどを検討するという。5月19日のイベントは攻殻機動隊のコラボイベントのため、渋谷の街中は攻殻機動隊の世界観に合わせた装飾が追加されているが、こちらはイベント限定で、常設となった場合は攻殻機動隊の装飾なしのプレーンな渋谷が基本となる。

 渋谷の街並みとしては、現状ではスクランブル交差点から109前までと限定的だが、こちらは今後の活用に合わせて拡張される可能性もあるという。

バーチャル渋谷を歩き回ってる姿。ちなみにこのモデルは、clusterのデフォルトキャラ

 なお、バーチャル渋谷ではバーチャルイベントプラットフォームの「cluster」が使用される。「cluster」を開発するクラスターは、KDDI Open Innovation Fundの出資も受けているなどKDDIとの関係が深い。

 3月には新型コロナウイルスの影響でリモート開催となった「MUGENLABO DAY 2020」でも「cluster」が利用されており、KDDIの高橋誠社長が3Dアバター化して登場するなど、ただ出資するだけでなく、コロナ禍にあってフル活用している。同社では、こうした仕組みを観光地向けのソリューションとして提供していくことも検討しているという。

「cluster」はマルチプラットフォームで、パソコンやスマートフォンからフラットディスプレイ表示で参加できるほか、パソコンであればHTC VIVEなど、SteamVR対応のVRゴーグルからも利用できる。