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キングジム、音声認識で言語選択できる通訳機「ワールドスピーク」発表会。オフラインでも主要言語を翻訳

2019年12月6日 発売

キングジムが携帯型通訳端末「ワールドスピーク HYP10」を発表した

 キングジムは11月20日、携帯型の通訳端末「ワールドスピーク HYP10」を発表した。155言語に対応し、クラウドで複数のエンジンを自動選択して翻訳するほか、オフラインでも英語や中国語など主要な17言語の翻訳を行なえる。

 SIMなしのWi-Fiモデル(2万6000円、税別)、グローバルSIM(1GB)モデル(3万6000円、税別)、グローバルSIM(3GB)モデル(5万1000円、税別)、国内専用SIM(2年間使い放題)モデル(5万6000円、税別)の4タイプをラインアップし、発売は12月6日。

「ワールドスピーク HYP10」
フォルムはWi-Fiルーター然としている
サイズ感。本体サイズは約59×109×18mm
メイン画面。選択されているのは日の丸(日本語)と五星紅旗(中国語)。
翻訳言語は音声認識のほか、一覧から選択することも可能
時計のアイコンをタッチすると翻訳履歴を確認できる。星のアイコンはお気に入り
設定メニューまわり

 同社は7月に通訳端末の市場参入第1弾として、据え置きタイプの「ワールドスピーク HYK100」を発売している(関連記事「キングジム、2台1組の対話型翻訳機『ワールドスピーク』発表会。宮本社長『翻訳市場は今さらではなくこれから』」)。

 発表会に出席した常務取締役 開発本部長の亀田登信氏は、この据え置き型を導入した現場からの声として、「外国人旅行者や外国人スタッフに対して、相手の言語でコミュニケーションできる人材が足りない」という現状があることを指摘。現場ではより気軽に使える通訳端末が求められており、また「屋外で使うこともあるので携帯型がほしい」という要望があったことで、今回の携帯型の発売に至ったという。同社の法人に対する強い販売ルートを活かし、初年度の販売目標数は8万台。

株式会社キングジム 常務取締役 開発本部長 亀田登信氏

 商品開発部の高尾政利氏は「ワールドスピーク HYP10」の機能を説明。対応言語数155は現在の市場では最多だが、一方で画面をスクロールしつつ翻訳したい言語を探すのは、数が多い分手間がかかる。そこで本製品では、本体中央の吹き出しアイコンのボタン(マジックホームボタン)を押して、言語名か国名を話しかけることで言語選択が行なえるようになっている。画面上には選んだ言語の国旗が横に2つ並び、左右のボタンがそれぞれの言語の会話ボタンになっている。例えば、左に日の丸、右の星条旗が表示されている状態では、マジックホームボタンの左にあるボタンを押して日本語で話しかけると、スピーカーから英訳された音声が流れる、という具合。相手に使ってもらうときは右のボタンを押してから英語で話せばよい。

 翻訳エンジンは、据え置き型同様にGoogle翻訳やMicrosoft翻訳、百度(バイドゥ)翻訳などを言語によって使い分けており、翻訳結果は音声だけでなく画面上のテキストでも確認できる。また、履歴確認やお気に入りフレーズ50件の登録機能なども備えている。変わったところでは、本製品をルーター代わりにスマートフォンなどをテザリングで接続して、メッセンジャーやSNSなどを利用することもできる(通信容量の範囲内。国内専用SIMモデルは月間2GBを超えると速度制限がかかる)。

 4つの製品バリエーションは、主に屋内で使うことを想定したWi-Fiモデルと、旅行者向けのグローバルSIM(1GB)モデル、海外出張の多いビジネスマン向けのグローバルSIM(3GB)モデル、主に法人利用を想定した国内専用SIMモデルとなっており、国内SIMはソフトバンク、海外SIMはインドのタタコミュニケーションズを採用している。海外SIMモデルで容量を使い切ったり、利用期限の2年を経過したりしても、公式サイトのマイページから通信プランの再購入が可能なほか、手持ちのSIMを装着して使うこともできるという。

株式会社キングジム 商品開発部 高尾政利氏
高尾氏が示したスライド

 オンラインアップデートで対応言語の追加や機能拡張も可能。担当者によると、同社が持つ法人への販路や国内専用SIMモデルのみ使い放題といった部分からも分かるように、「メインのターゲットは日本国内での利用」とのこと。