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首都高、定例会見。宮田社長が横浜環状北西線、大井本線料金所撤去工事などの進捗を報告
2019年2月8日 22:44
- 2019年2月6日 実施
横浜環状北西線の進捗状況
まず最初に説明があったのは横浜環状北西線(北西線)事業、横浜青葉IC(インターチェンジ)・JCT(ジャンクション)~横浜港北JCT(約7.1km)の工事について。横浜青葉JCT高架部の桁架設工が2018年12月に完成し、現在は床版工、高欄工などを実施中。トンネル部については、2018年の8~9月に掘削が完了しており、こちらは内部建築工、設備工などを実施している。横浜港北JCT高架部については、桁架設工を実施しており、現在は約90%ほど架設が完了している。「東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会までに開通予定であり、鋭意工事を進めている」と話した。
東品川桟橋・鮫洲埋立部更新の進捗状況
東品川桟橋部(約1.3km)は、更新上り線の橋脚設置工が2018年12月に完了しており、現在は桁架設工などを実施中。また、東京モノレールの上に架かる下り線上空の大井JCT桁架設が1月21に完了。「オリンピックの際には1号線と湾岸線をつなげる必要があるとのことで、鋭意JCTについてもつなげるよう努力している」とコメント。鮫洲埋立部(約0.6km)は、プレキャストボックスの設置工を実施している。大井JCTは今まで約40か月通行止めにしていたが、「今年の秋には上り線の迂回路に接続してオリンピックを迎えたい」と説明した。
湾岸線(東行き)大井南入口の運用変更及び名称変更について
湾岸線(東行き)をよりスムーズに通行してもらうため、大井本線料金所の撤去工事を実施している。これまでは大井JCT手前の部分にセンターバリアを作って料金を徴収していたが(旧大井本線料金所)、カーブしていたので速度が落ち、渋滞が頻発していた。入路に料金所(大井南入口料金所)を設けることで本線の料金所を廃止し、本線を整えることで通行状況を改善する予定。
一方、撤去すると本線の走行速度が上がることで分合流により混み合うので、安全性・円滑性を確保するために、大井南入口の運用を中央環状線(C2、外回り)方面のみに変更することも予定されている。これまで大井南入口から入ると中央環状線、湾岸線に合流できたが、これにより中央環状線(外回り)にしか進めなくなる。それに伴い、名称も「中環大井南入口(外回り)」「中環大井南入口料金所」に変更される。変更は4月ごろを予定しており、決定次第、発表するとのこと。
浜崎橋JCTにおける可変チャンネリゼーションの長期試験について
3月下旬から、1号羽田線(上り)浜崎橋JCTにおいて、可変チャンネリゼーションの長期試験を開始することも発表した。可変チャンネリゼーションは、ジャンクションなどの合流部手前において、可変式の路面標示や表示板を設置して運用することで、交通需要に合わせて車線の誘導を行なうものだ。交通量の少ない夜間(20時~日の出まで。運用開始後に見直す場合あり)にLED投光器から可変式路面標示を照射することで、合流部手前で左車線に車両を誘導し、安全で円滑な合流ができるようになるとしている。
SIP自動運転・東京臨海部実証実験に向けた基本協定の締結について
2018年12月17日に首都高にて実施予定の自動運転実証実験に向け、相互協力のための「首都高速道路における自動運転実証実験の施行に関する基本協定」が締結されたことを報告。
目的は首都高において「SIP」(戦略的イノベーション創造プログラム第2期 自動運転[システムとサービスの拡張])の実証実験の円滑な遂行を図るもので、内閣府 政策統括官(科学技術・イノベーション担当)、国土交通省 道路局、国土交通省 国土技術政策総合研究所、NEDO(国立研究法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)、首都高が覚書の締結者になっている。
首都高でのSIP自動運転は東京臨海部で予定されており、空港西(入口)から汐留(出口)までの羽田線ルート、空港中央(入口)から臨海副都心(出口)までの湾岸線ルートで実施される。
実証実験の内容は、首都高本線への合流支援の情報提供に必要な車両検知器などの要件の検証、利用可能なETCゲートの情報提供や内容・タイミングの妥当性を検証するもの、車線別交通規制情報の活用を検証する情報提供環境の検証などが予定されている。参加者は国内外の自動車メーカー、部品メーカー、大学や研究機関を想定しており、NEDOのWebサイトにて公募中とのことだ。
開発した新たな技術
首都高では技術開発を積極的に進めており、2018年12月までの知的財産権保有状況は特許権(出願中を含む)が138件、実用新案権が2件、意匠権(出願中を含む)が11件となっている。今回は首都高速道路技術センター技術研究所が主体となって共同開発した「鋼床版疲労き裂非破壊検査ロボット」が紹介された。
このロボットは鋼床版デッキプレートの裏面にマグネットで吸着させて超音波検査を実施するもの。従来は足場を組んで検査機を当てるなどして作業していたが、このロボットを吸着させて手元のコントローラで操作して検査が行なえるそうだ。強力なマグネットで吸着はさせているが、落下防止のために最長で7mのポールで支える必要はある。また、超音波探触手をカメラに付け換えることで外観目視点検にも使用することができるとのことだ。
最近の通行台数状況
最近の1日あたりの通行台数は、2018年10月が103.7万台(前年同月比103.9%)、11月が104.5万台(前年同月比101.5%)、12月が102.2万台(前年同月比99.6%)、速報値だが1月が94.6万台(前年同月比106.9%)になっている。1月が対前年比で大きく増えているのは2018年が雪の影響による通行止めで通行台数が減った(88.5万台)ものであるとし、とりわけて台数が増加した要因があるわけではないことが説明された。