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三菱重工、2018年度決算会見。MRJ事業は2020年半ばの引き渡しに向けて「順調」と泉澤社長
2019年5月9日 19:29
- 2019年5月9日 発表
フリーキャッシュフローは「過去最高」、有利子負債は「過去最低水準」で「財政状態は堅調」
連結決算の概要は、受注高は前年同期比0.4%減の3兆8534億円、売上収益は0.2%減の4兆783億円とほぼ横ばい。事業利益は1285億円増(221%増)の1867億円(利益率4.6%)、純利益は1086億円増の1013億円(利益率2.5%)となった。
事業利益の増加をセグメント別に見ると、「パワー」が452億円増、「インダストリー&社会基盤」が291億円増、「航空・防衛・宇宙」が261億円増で寄与している。フリーキャッシュフローは2430億円で前年度を上回り「過去最高」、有利子負債は6651億円で「過去最低水準」であり、「財政状態は堅調」と評価した。
経営の効率化によりキャッシュフローは増大、利益も増加基調にあり、今後は固定資産の再活用、流動化が課題。今後は変革と縮小、国産リージョナルジェット「MRJ(Mitsubishi Regional Jet)」事業などの変革と改善に注力していく。
MRJ事業は2020年半ばの引き渡しに向けて「順調」
三菱航空機が開発を進めるMRJは、ローンチカスタマーのANA(全日本空輸)に対し2020年半ばに予定している90席クラスの「MRJ90」初号機の引き渡しに間に合うよう、今年の3月3日(米国時間)からTC(型式証明)取得のための飛行試験を開始している。
質疑応答でもMRJに関する質問が多く、それらに対し泉澤社長は「すべてはTC取得が事業の大前提」としつつ応答した。まず70席クラスのMRJ70に関してはMRJ90初号機の引き渡しが終わり次第、開発を本格化させるとしている。MRJ事業は2017年度をピークに1000億円以上の投資をしており、一方MRJ90は1機25億円前後といわれる価格帯であり、「20~30年の長い期間での投資と回収になる」と述べた。
TCの手応え、見通しについては、「ものすごく多い試験項目を経ることで修正点も見えてくるので、適切に対応していきたい」とし、詳細は開示できないとしつつ現状は「順調」であると説明した。