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三菱重工、スペースジェット(SpaceJet)の開発を「いったん立ち止まる」。資金配分計画を「3700億円」から「200億円」に削減

泉澤社長が会見

2020年10月30日 会見

三菱重工業株式会社 取締役社長 CEO 泉澤清次氏(右)と、取締役執行役員 CFO 小澤壽人氏(左)

 三菱重工業は10月30日、オンラインで会見を開き、2020年度第2四半期決算概要・2021(2021~2023年度)事業計画について、取締役社長 CEOの泉澤清次氏と取締役執行役員 CFOの小澤壽人氏が説明を行なった。

 そのなかで、三菱航空機が開発を進める国産ジェット旅客機「三菱スペースジェット(SpaceJet)M90」について、開発活動は「いったん立ち止まる」と表現。資金配分計画でスペースジェットは、2018~2020年度の「3700億円」に対し、2021年~2023年度は「200億円」に削減する。

「立ち止まる」という表現については、TC(型式証明)の取得に向けた作業などは継続するものの「多額の資金を投下して、納入時期などスケジュールありきで進めることは控える。飛行試験などは当面行なわず、人員の規模は適正な規模で進めていく」という意味だと説明。

 2月の段階で量産初号機の引き渡し予定時期を「2021年度以降」と計画変更していたが、「お客さま(ANA[全日本空輸]など)については、本決定についてご説明をし、進め方については誠意を持ってご相談させていただく」としている。

 泉澤社長は、「飛行機という技術について、開発が遅れるなかではありますが約3900時間という飛行をしていて、大きなインシデントもなく進められている。飛行機についてはそれなりの評価をいただき、ある程度の飛行機ができたと思っている。

 しかし、お客さまを乗せる飛行機としてTCを取得するためには、単純に技術だけでなく、知見が必要だった。そのあたりが十分でなかったと反省している」とプロジェクトについて評した。