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ANA、羽田空港で改元をお祝い。「令和」にちなんだスタッフらが記念品配布やカウントダウン
平子社長は「新しい時代にふさわしいエアラインに」と決意
2019年5月1日 08:36
- 2019年4月30日~5月1日 実施
ANA(全日本空輸)は、4月30日の平成最後のフライト、5月1日の令和最初のフライトに合わせて、改元を記念したイベントを羽田空港国際線ターミナルで実施した。ANAにとって平成最後のフライトとなるNH1925便(羽田23時35分発~バンコク04時05分着)、令和最初のフライトとなるNH849便(羽田00時05分発~バンコク04時35分着)の搭乗客への記念品配布や、平成から令和に変わる瞬間に空港を訪れていた人たちとともにカウントダウンを行なうもの。
この日のイベントには改元にちなんだスタッフが参集。整備士の増田一輝さんは平成元年生まれ。そして、CA(客室乗務員)の渡邉令奈(れな)さん、猪上和(なぎ)さん、地上旅客スタッフの本間令子(れいこ)さん、土屋和(むつみ)さんと、名前に「令」「和」の文字が入るスタッフが顔をそろえた。
令和初便となるNH849便の搭乗前に行なわれたセレモニーでは、代表取締役社長の平子裕志氏が、「今日は平成最後の日、あと1時間と15分で新しい令和の時代を迎える。30年間の平成に感謝し、そして新しい令和の時代をいち早くお祝いしたい気持ちでこの場をセットした」とイベントへの思いをコメント。「令和は出典が万葉集。令和を英語に訳すと、ビューティフルハーモニー(Beautiful Harmony)。美しい調和という意味の新元号は海外からも注目され、日本に対する期待も高まっている。新しい時代が平和であることを祈りつつ、新しい天皇陛下の御即位に心からお祝いを申し上げたい」と、令和時代への思いを述べた。
令和時代のANAについては、「ANAはいま66歳。昭和27年12月にヘリコプター2機で産声をあげて、これまで66年間、国内線を運航してきた。人生に例えれば、昭和と平和にどっぷり浸かった人生。国際線はちょうど半分の33歳で、昭和61年にスタートしたので、昭和生まれの平成育ちといった感じ。この親子のような年の差だが、すでに十分な経験を積んで、新しい令和の時代に向けて刻々と準備を進めている。といっても、ANAの安全に対する姿勢は不変。いつの時代も安全を第一に、そして新しい時代にふさわしい、必要とされるエアラインを目指していく」との決意を示した。
セレモニー後に行なった平子氏への取材では、“新しい時代のエアライン”について「昭和、平成と一つの価値観があった時代だった。おそらく令和は令和で、特に訪日外国人客が増えてくることもあり、新しい価値観が出てくると思う。我々としても、それに応えられるような、それにふさわしいエアラインにしていきたい。サービス、プロダクトもそうだし、オペレーションなどもIoT、AIなどを駆使して、お客さま目線でどうお役に立てるか考えていかなければいけないと思っている」と述べた。
また、このタイミングで社長を務めていることについての思いを尋ねると、「意図したものではないが、このタイミングで社長ができたのは貴重な経験」と話した。
セレモニーでは平子氏のあいさつに続き、航空日誌への署名を実施。航空日誌は日々の運航や整備状況などを記す書類で、出発前に整備士が航空機の点検を行ない、安全を確認して署名し、機長に引き継ぎ。機長は航空日誌と自身の目で機体状況を確認し、署名をする。
この日は、整備士と機長の署名に先立ち、平子氏の安全への思いとして、「経営の基盤であり、社会の責務である安全を、令和の時代も守りぬきます」と記し、整備士、機長へと引き継いだ。
最後に署名した令和初便、NH849便の機長を務める清水智氏は「元号は令和に変わりますが、ANAの安全運航に対する取り組みはこの先も変わらないので、安心して今宵もANAの空の旅をお楽しみください。新元号、令和の幕開けと同時に、記念すべき第1回目のフライトとなる、新しい時代の大空に向けて皆さま一緒に旅立ちましょう」と利用者にメッセージを送った。
その後、搭乗が始まった平成最後のフライトとなるNH1925便、令和最初のフライトとなるNH849便の搭乗客へ記念品を配布。
地上スタッフによるアナウンスも改元を受けて、平成最後のNH1925便では「まもなく『平成』が幕を閉じます。たくさんの思い出をともにお持ちいただき、このラストフライトが、皆さまにとって希望に満ちた、穏やかなひとときとなりますよう、ANAスタッフ一同、心よりお祈り申し上げます」とメッセージ。
令和最初のNH849便では、「この新元号での初フライトが皆さまにとって温かく、穏やかに、そして大きく咲き誇る新しい時代に向かう旅立ちのひとときとなりますよう、ANAスタッフ一同、心よりお祈り申し上げます」とのメッセージを加えた。
令和最初のフライトとなるNH849便の搭乗が終わり、0時05分の出発を待つ間がちょうど改元のタイミング。出発ロビーでは、まだ搭乗が始まっていないフライトの利用者を集めてカウントダウンイベントを行なった。
代表取締役社長の平子氏は改めてあいさつに立ち、「皆さまと世紀の瞬間を一緒にお祝いしたく、カウントダウンのイベントを開催することにした。今日ここに立っている4人の女性は平成生まれで、名前に令と和が付く」と紹介すると、集まっていた利用者から「すごーい」の声が。「皆さまのフライトも間もなくだと思うが、10からカウントダウンするのでぜひご唱和を」と呼びかけた。
そして、0時直前にカウントダウンを開始。集まった利用者のカウントダウンの声がロビーに響き渡り、0時00分と同時にくす玉が開かれ、集まった人たちも楽しそうな様子で、令和の時代を迎えた。