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ANA、2020年で20回目&令和初の「初日の出フライト“2020便”」運航。卓球女子 伊藤美誠選手「20歳になったら友達と一緒に旅行したい」

2020年1月1日 実施

ANAが2020年で20回目、そして令和初の「初日の出フライト」を運航した

 ANA(全日本空輸)は1月1日、空から初日の出と富士山を鑑賞できる「初日の出フライト」を実施した。2020年に合わせて便名を「ANA2020便」として運航。2020年に20歳の誕生日を迎える卓球女子 日本代表の伊藤美誠選手も搭乗口に姿を見せた。

 ANAでは初日の出フライトを2001年に初めて実施し、2020年で20回目を迎えた。2020年実施分は2019年11月12日10時30分に発売し、10時51分に完売。ANAマイレージ会員限定で、窓側席は2名で10万円、窓側席を含まない場合も2名で7万円という代金ながら、毎年人気を集める恒例行事となっている。

 搭乗口では、初日の出フライトの実施に合わせてお正月飾りで彩ったフォトスポットを設置。地上旅客スタッフも振り袖姿で登場し、記念写真に応えた。

2020年初日の出フライトの搭乗ゲート
2001年に始まって2020年で20回目を迎えた
振り袖姿の地上旅客スタッフと、乗務する10名のCA(客室乗務員)
フォトスポットの前で記念撮影

 搭乗口で行なわれた初日の出フライト20回目の記念イベントでは、ANA 代表取締役社長 平子裕志氏が、「21世紀最初の日に、なにかイベントをやろうという社員の発案から生まれたもの。当時は『その年だけで終わろう』と思ったが大好評をいただき、今年20回目を迎えることができた。そして今回は令和初のフライト。この記念すべきおめでたいフライトに、皆さまとご一緒できることを心から喜んでいる」とあいさつ。

 サプライズゲストとして卓球女子 日本代表の伊藤美誠選手が訪れていることを明かし、「ANAは卓球日本代表チームのオフィシャルパートナーなので、ユニフォームにANAの大きなロゴが付いている。伊藤さんが活躍するたびに私どものANAのロゴが大きく躍動するので、大きな声援を送っている」と紹介。

 また、機内誌「翼の王国」で12月号と1月号で伊藤美誠選手へのインタビュー記事を掲載していることに触れ、「そのなかに『東京大会で目指すのはただの優勝ではなく、出場するすべての種目、試合において勝つこと、そのためには誰だろうと、どんな状況下であろうと勝てる選手になりたい。そんな選手を目標としている』と、私はこの言葉に心が動いた。まさに伊藤選手が一流選手の証であると思った。ANAは全社を挙げて応援する。ぜひ金メダルを目指して頑張って」とエールを送った。

新春らしいピンクのネクタイを身に着けてあいさつする、全日本空輸株式会社 代表取締役社長の平子裕志氏

 そして、平子氏から紹介のあった卓球女子 日本代表の伊藤美誠さんが登場。オリンピック出場と活躍が期待されるのはもちろん、2020年10月21日に20歳の誕生日を迎えることからゲストとして参加した。

 2020年を迎えた瞬間は「ベッドにいました(笑)」という伊藤選手。20歳になったらしたいことを尋ねられると「まだ未成年なのでお母さんと一緒に旅行に行くことが多いが、20歳になったら友達と一緒に旅行に行きたい」と回答。特に温泉が好きなのだという。

 そして、今年の抱負として「無敗の女」を掲げ、「負けない選手、勝てる選手になりたいし、どの大会でもつながると思っているので、『無敗の女』になれるように1日1日を頑張っていきたい」と話した。

卓球女子 日本代表の伊藤美誠選手
黄色の振り袖で登場した伊藤選手。「金色なのでいろいろな意味を込めて(笑)。2020年は大切な年なので」と話した
伊藤選手が当選者を決める大抽選会。伊藤選手サイン入りのミニラケットのほか、C-3PO ANA JETモデルプレーン、ANAスマホリング、トートバッグが5名に贈られた

 搭乗口では平子社長、伊藤美誠選手、振り袖姿のスタッフがお見送り。また、ここでオリジナルタンブラー、コロンバンの「オリジナル フールセック」、ANAオリジナルぽち袋といったお土産もプレゼントした。

 ちなみに、国際線機材なので機内で「ANA Wi-Fi Service 2」のインターネットサービスを無料で利用できるバウチャーカードや、飛行ルートが書かれたカードも渡しているほか、機内では平子社長が搭乗証明書を、CAが手書きメッセージカードをプレゼント。子供にはタオルやマグネットといった特別ギフトも用意した。

平子社長や振り袖姿のスタッフに見送られ乗客が機内へ。伊藤美誠選手も初日の出フライトに搭乗した
2020年初日の出フライトの飛行ルートカード
国際線仕様のANA Wi-Fi Service 2で機内インターネット接続を無料利用できるよう配布されたバウチャーカード
乗客へのお土産
コロンバンのオリジナル フールセック
20回目の記念ロゴが入ったオリジナルタンブラー
5枚セットのANAオリジナルぽち袋

 機内ではギャレーなどをお正月らしく華やかに飾り付け。出発に際してはCAが「2001年から始まったこのANA初日の出フライトはおかげさまで今回で20回目となりました。今日は約1時間23分の空の旅、上空から見る幻想的な地平線とご来光をどうぞお楽しみください」とアナウンスし、初日の出フライトへの気分を盛り上げた。そして、夜明け前の5時37分ごろに出発。

 その後、水平飛行に入ったころに機長からのアナウンス。「ご一緒させていただくクルーは機長、副操縦士ともにねずみ年生まれの年男でございます。機長は1972年、昭和47年生まれ。副操縦士は1984年、昭和59年生まれでございます」と紹介。併せて長野県駒ヶ根市付近上空の「TENRYU(天竜)」というポイントで旋回しながら日の出を待つ予定であることを紹介し、「高度は1万3000フィート、4000m弱を予定しております。富士山の頂上、3776mとちょうど同じ高度となり、富士山と日の出を同時に美しくご覧いただけるものと思います」と乗客の期待を高めた。

 機長のアナウンスと並行し、鑑賞ポイントへ向かうまでの間に、平子社長が機内をまわり乗客に「搭乗証明書」を配布。また、オリンピック・パラリンピックデザインのエプロンを着用したCAがおせち料理をふるまった。

 おせち料理は、20回目の記念ロゴも入った2020年初日の出フライトの特別パッケージで縁起のよいメニューが並んだ。

ギャレーを新年らしく飾り付け
5時37分に出発
D滑走路から5時52分に離陸
平子社長が機内をまわって搭乗証明書を配布
オリンピック・パラリンピックデザインのエプロンを着用して機内サービス
CAからは手書きメッセージカードも配布
20回目の記念ロゴが入ったおせち料理

 この日の日の出予定は6時44分ごろで、6時20分ごろには富士山の西側の鑑賞ポイント上空に到達。徐々に白みはじめる空を見ながら日の出を待っていると、6時45分ごろに初日の出を迎え、機内が赤く染まった。

 初日の出の5分ほど前からは旋回の半径を小さくし、右側、左側ともに最高の瞬間を見ることができるようサービス。多くの人が窓へカメラやスマホを向け、富士山とご来光のハーモニーを楽しんだ。

夜明けが近い空を見ながら初日の出を待つ
機窓から望む初日の出の瞬間
富士山に日がかかる
初日の出に照らされて赤く染まる機内。日の出の時間帯には平子社長も後方の客室を訪れて、乗客とともに初日の出を楽しんだ

 ご来光を楽しんだあとは羽田空港への帰途に。機長からは、「本日は令和初の新年、そして2020東京オリンピック・パラリンピックイヤーを迎えました。伊藤美誠選手も今年で20歳、ANAの初日の出フライトも20回目、そして、私ごとで恐縮ですが、機長の私も、ANAの副操縦士としてパイロットデビューしてからちょうど20年目。私にとっても忘れられない思い出深いフライトとなりました」とあいさつ。

 着陸後にはCAから「待ちに待った東京オリンピック・パラリンピックの開催される今年、ANAでもたくさんの国際線新規路線が就航し、ますます便利になってまいります。これからも安全運航を基盤に皆さまに愛されるエアラインを目指し、私たちも一丸となって務めてまいります。今日はこのような素晴らしい時間と空間を皆さまと共有できましたことを乗務員一同光栄に思っております。皆さま、今年もANAをご愛顧いただきますよう、どうぞよろしくお願いいたします」とアナウンスし、初日の出フライトを終えた。

 着陸後、空からの初日の出は初めてだったという伊藤美誠選手は「日の出がすごくきれいで、見られなくなるぐらいきれい。戦いそうな太陽の色。私自身も、もっともっと頑張らないとな、と思えた瞬間だった。本当に強そうな太陽の色をしていた」と、この日の初日の出の感想を語った。

富士山西側の鑑賞ポイントを離れ、羽田空港へ。7時44分にA滑走路に着陸した
地上からもお出迎えの横断幕が掲げられた