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JR東海、「超電導リニア」改良型試験車が2020年春に完成予定。電磁誘導の非接触給電採用

山梨リニア実験線でL0系と組み合わせて走行試験

2018年12月20日 発表

2020年春 完成予定

JR東海の超電導リニア改良型試験車

 JR東海(東海旅客鉄道)は2027年の中央新幹線 品川~名古屋間開業に向け、山梨リニア実験線において、2013年からL0系車両による走行試験を実施しているが、リニア営業車両の仕様策定に向け、L0系をブラッシュアップさせた改良型の試験車を製作すると発表した。

 改良型試験車では営業車両の仕様である「誘導集電方式」に全面的に移行するため、L0系にあったガスタービン発電装置を非搭載とし、先頭形状を最適化。L0系と比較して先頭部の空気抵抗を約13%下げ、消費電力や車外騒音を低減するとしている。

 先頭車の前照灯と前方視認用カメラの位置を上部に変更し、前方の視認性を向上。「進化し続ける躍動感と新しい先頭形状での滑らかな空気の流れ」を青の流線デザインで表現している。日立製作所が先頭車を1両、日本車輌製造が中間車を1両制作。完成は2020年の春を予定している。完成後は既存のL0系先頭車、中間車と組み合わせて走行試験を行なう。

 L0系ではガスタービン発電装置と灯油を使用して車内用の電気を発電していたが、改良型試験車では電磁誘導の作用を利用して、照明や空調など車内用の電気を非接触で供給するようになる。

先頭車の前照灯と前方視認用カメラの位置を上部に変更し前方の視認性を向上