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九州の航空3社とANA/JALが「有限責任事業組合」の2019年度中の設立目指す。地域航空会社の協業を促進

経営統合は継続課題に

2018年12月18日 発表

持続可能な地域航空会社の組織形態として、九州の航空3社と大手航空2社による「有限責任事業組合(LLP)」の設立を目指すことで合意

 国土交通省は12月18日、経営基盤が脆弱な地域航空会社のあり方を検討するために4月に設立された「地域航空の担い手のあり方に係る実務者協議会」の結果として、九州地域のAMX(天草エアライン)、ORC(オリエンタルエアブリッジ)、JAC(日本エアコミューター)と、ANA(全日本空輸)、JAL(日本航空)の2社を構成員とする「有限責任事業組合(LLP)」を2019年度中に設立することを目指すことで合意したことを発表した。

 これは持続可能な地域航空会社の組織のあり方を見直すべく、4月に国交省 航空局、ANA、JAL、AMX、ANAウイングス、ORC、JAC、HAC(北海道エアシステム)による「地域航空の担い手のあり方に係る実務者協議会」で議論されてきたもの。地域航空の今後の組織のあり方として、合併による一社化や持ち株会社設立による経営統合の形態も検討されていた。

 議論のなかで、安全や技術品質の観点で経営統合の障害にはならず、系列を超えたコードシェアは収益性向上のために極めて重要で前向きに検討を進めるとの共通認識を得たが、地元自治体が既存株主との関係、航空機材や規程の統一など長期にわたる準備が必要なことから、早期の経営統合は困難であると認識された。

 しかしながら地域航空を取り巻く環境の厳しさは激しさを増しており、抜本的な対策を講じることは急務であることから、まずは九州地域を対象として、「有限責任事業組合(LLP)」制度を活用した共同事業の開始を目指すこととなったとしている。

 この有限責任事業組合は、九州の地域航空会社であるAMX、ORC、JACの3社、大手航空会社のANA、JALの2社を構成員とし、設立に向けて経営改善効果の試算や運営ルール作りを開始することで合意。

 なお、北海道地域については、九州地域における取り組みの成果を踏まえて、必要に応じて同様の取り組みを検討。また、持ち株会社設立などによる経営統合についても継続課題とされ、組合設立後3年が経過した時点で、組合の取り組み結果についての総括検証が行なわれる。