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西武鉄道、自律移動型警備ロボット「Perseusbot(ペルセウスボット)」の実証実験を西武新宿駅で公開

不審者、不審物を駅員のスマホに通報

2018年11月27日 実施

実証実験に使われた自律移動型警備ロボット「Perseusbot(ペルセウスボット)」。西武新宿駅は1日の乗降客数18万人を数える西武鉄道の代表的なターミナル駅。こちらのコンコースにおいてテストが行なわれた

 西武鉄道の新宿駅では11月26日から30日にかけて、アースアイズ、日本ユニシス、西武鉄道が共同研究開発した自律移動型警備ロボットの実証実験が行なわれている。自律移動ロボットが駅構内の警備、監視を行なうことで、安全性の向上や従業員の警備・監視業務の軽減につながることが期待されている。11月27日には報道陣に向けて説明会が行なわれたので、その模様をお伝えしよう。

 今回の実証実験に使われた警備ロボット「Perseusbot(ペルセウスボット)」 は、東京都立産業技術研究センターのロボット産業活性化事業の支援を受け、アースアイズ、日本ユニシス、西武鉄道が共同で研究開発したものだ。ロボットのハードウェア部分は日本ユニシスが担当し、人や物の認識技術はアースアイズが、運用面においては西武鉄道が受け持っている。

 ちなみに東京都立産業技術研究センターのロボット産業活性化事業で開発された試作ロボットは星座にゆかりを持つ名称が付けられている。Perseusbotは名前からも分かるとおり、ペルセウス座から拝借したもので、ギリシャ神話で怪物を退治した英雄とされていることから、警備ロボットの分野で英雄になれるよう命名されたそうだ。

Perseusbotは、高さ167.5cm、幅61cm、奥行き90.5cmで、最高速度は3.7km/h。1回の充電で約7時間の巡回が可能

 今回テストされたPerseusbotは、プログラムされたエリアを巡回し、不審者や不審物、異常者の自動検知を行なう。例えば、具合がわるくてうずくまっている人、置き去りにされたスーツケース、座り込みやケンカをしている人を、搭載されたカメラで認識し、直ちに駅員に通報、Perseusbotがその場に急行する。現場では話しかけたり警告を発することもできる。

 異常を検知すると駅員のスマートフォンにアラートが表示される仕組みで、場所や、カメラに写っている状況を判断して対応することが可能だ。誤検知であれば監視業務の続行、重大インシデントであれば駆け付けたり応援を呼ぶといったように、選択肢が増えることで、その都度駅員が駆け付けていたケースが減り、負担が軽減されることが期待されている。

本体には大きなLEDが搭載されており、通常は青色だが、異常を検知すると赤色に変わる。検知技術を提供しているアースアイズは、もともと万引き防止用として店内の不審者を検知するシステムを提供している会社であり、そちらの技術を応用しているそうだ
通行人がうずくまっていたりすると検知してその場に近づき、状況を通報する。駅員のスマートフォンにアラートが表示されるので、場所と状況をチェックして駆け付ける
スマートフォンで検知エリアや検知行動、カメラが捉えている現場の状況をチェックできる
本体にはインターフォンを搭載しており、スマートフォンを通じて会話をすることもできる

 Perseusbotのコンセプトは制圧や抑止力ではなく、カメラを搭載していることによる見張り番的な役割であり、移動することで駅構内に設置されている定点監視カメラの死角もカバーできる。デザインにおいても丸みを帯びた形状にすることで、酔っ払いが倒れてきてもケガをしないように工夫されており、重心を低くすることで倒されることも防いでいる。ちなみに重量は172kgあるので、相当な力をかけない限りは動かすことも厳しい。

 2020年のオリンピックイヤーに向けて、インバウンド観光客の増加に伴う乗降客の急増が予測される首都圏の駅において、警備の強化は喫緊の課題であり、労働力不足が叫ばれるなか自律型のロボットにかかる期待は大きい。西武鉄道では今回の実験を通じて、コストも含めた有効性が認められれば本格導入を検討するとしている。

西武新宿駅で行なわれている警備ロボット「Perseusbot(ペルセウスボット)」の実証実験