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シンガポール航空、ボーイング 787-10型機を成田路線にも導入。ビジネスクラスなど機内を公開
セントレアや福岡路線でも2018年中に就航予定
2018年5月19日 10:51
- 2018年5月19日 成田発便就航
シンガポール航空は、ボーイング 787-10型機を使った世界で初めての定期便として、関西国際空港~シンガポール・チャンギ国際空港線での運航を5月3日から開始した(関連記事「シンガポール航空、ボーイング 787-10型機の世界初定期便スタート。日本発初便は『満席御礼』」)。
シンガポール航空による日本路線での787-10型機の導入は、この5月3日の関空路線(SQ619/618便)に続き、関空を夜に出発するSQ623/622便が5月16日から、成田国際空港路線で5月19日(成田発)から、さらにセントレア(中部国際空港)や福岡空港路線でも2018年内にという予定だ。
シンガポール航空は787-10型機のローンチカスタマーで49機を確定発注しているが、シートなどの機内プロダクトはこの最新型機のために新たに開発したものであり、最初の20機に対しては約3億5000万ドルを投資しているという。
米サウスカロライナ州チャールストン工場で製造された初号機(登録記号:9V-SCA)は3月25日(現地時間)に引き渡され、フェリーフライトを実施。2号機(登録記号:9V-SCB)のシンガポールへのフェリーフライトにおいては、関空に立ち寄った際に機内の報道公開が行なわれている(関連記事「シンガポール航空、ボーイング 787-10型機を関空で報道公開。新開発のビジネスクラスとエコノミークラス搭載」)。シンガポール航空は5月中に全4機を受領しており、4号機(登録記号:9V-SCD)のフェリーフライトにおいても、5月9日の成田空港への立ち寄りの際に報道公開されたのでレポートする。
シンガポール航空の関空~シンガポール線
SQ619便:関空(10時55分)発~シンガポール(16時40分)着
SQ618便:シンガポール(01時25分)発~関空(09時05分)着
SQ623便:関空(23時25分)発~シンガポール(翌05時05分)着、5月16日発便から787-10型機による運航
SQ622便:シンガポール(13時55分)発~関空(21時35分)着、5月16日発便から787-10型機による運航
シンガポール航空の成田~シンガポール線
SQ637便:成田(11時10分)発~シンガポール(17時20分)着
SQ638便:シンガポール(23時55分)発~成田(翌08時00分)着
シンガポール航空の787-10型機のビジネスクラス
787-10型機は787-9型機より全長が約5.5m長く、標準仕様で約40席多い330席クラスとなる。シンガポール航空のエアバス A330-300型機と比べると座席数は約18%、貨物室の搭載量も約18%増え、ビジネスクラス36席、エコノミークラス301席の計337席となる。
ビジネスクラスのシートはステリア・エアロスペース社製。サイズは全長76インチ(約193cm)、幅26インチ(約66cm)で、180度のフルフラットベッドになる。アームレストは収納可能なので、就寝時には収納してベッドスペース幅をより広く設けることができる。遮音性が高いというアルカンターラのファブリックが頭部の周囲に張られている。
従来のシート配置は2-2-2だったが、787-10型機では1-2-1となり、すべての座席から通路に直接アクセス可能になった。中央の2列はシート間が近い配置と遠い配置が交互に連なっていて、近い配置では間にあるディバイダーを引き上げることでプライバシーを確保することもできる。
各席にユニバーサルAC電源、充電用USBポート、18インチのフルHDタッチスクリーンモニターを備えている。機内エンタテイメントシステム「クリスワールド」は日本語メニューでの操作が可能で、1000種類以上の映画、テレビ、音楽、ゲームコンテンツを楽しむことができる。
マイレージ会員向けのサービスとして「マイ クリスワールド」というものがあり、会員IDをエンタテイメントシステムに登録しておくと、例えば往路で途中まで見た映画の続きを復路で視聴できるようになったり、視聴するコンテンツの傾向からお勧めコンテンツが提案されたりするといった機能を備えている。また、手持ちのスマートフォンやタブレットに「クリスワールド」のアプリをインストールしておくと、機内エンタテイメントシステムとリンクすることができ、スマホをリモコンのようにして操作できる。有線の専用リモコンもあるが、ビジネスクラスではWi-Fiインターネット接続サービスを提供しており、スマホ1台でいろいろと操作できるのは便利だ。