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ANAとアリタリアが包括提携。日本~イタリア間の国際線や各国内線でコードシェア便運航

特典航空券の相互利用などマイレージプログラム連携も

2018年3月23日 発表

ANAとアリタリア-イタリア航空がコードシェア便の運航とマイレージプログラムで提携

 ANA(全日本空輸)とアリタリア(アリタリア-イタリア航空)は3月23日、包括提携契約を締結し、コードシェア便の運航とマイレージプログラム提携を10月28日から開始することを発表した。

 コードシェア便の対象は、アリタリア運航の成田~ローマ(フィウミチーノ空港)便と成田~ミラノ(マルペンサ空港)便。アリタリア運航のローマ~トリノ、ミラノ、フィレンツェ、ボローニャ、ベネチア、ナポリ便。ANA運航の成田~新千歳(札幌)、仙台、伊丹、福岡、那覇(沖縄)便。

ANAとアリタリアの提携によるコードシェア区間

 国際線区間のコードシェア便となるアリタリア運航便は、2018年夏期スケジュールはローマ線、ミラノ線ともにデイリー運航となる。機材はローマ線はボーイング 777-200型機、ミラノ線はエアバス A330-200型機を使用する。

 現在、国内航空会社によるイタリア路線の運航はなく、アリタリアは日本とイタリアとの直行便を運航する唯一の航空会社となっている。今回のコードシェアにより、成田からミラノ、ローマの2都市へ、ANA/NH便名の直行便が提供されることになる。

アリタリア-イタリア航空の日本~イタリア便(2018年夏期スケジュール)

AZ785便:成田(13時15分)発~ローマ(19時00分)着、デイリー運航
AZ784便:ローマ(15時15分)発~成田(翌10時30分)着、デイリー運航

AZ787便:成田(12時45分)発~ミラノ(18時25分)着、デイリー運航
AZ786便:ミラノ(15時35分)発~成田(翌10時45分)着、デイリー運航

 マイレージプログラムも連携。コードシェア区間では、ANAマイレージクラブ、アリタリア ミッレミリアの相互にマイルを積算。ANAマイレージクラブ会員はアリタリア運航全便、アリタリア ミッレミリア会員はANA運航全便の特典航空券を利用できるようになる。

全日本空輸株式会社 常務執行役員 藤村修一氏

 記者会見で挨拶したANA常務執行役員の藤村修一氏は、「イタリアは多様な観光資源を有し、料理も美味しい。日本人にとっては観光を中心に魅力的な国」と話し、2015年の日本人のイタリア訪問者数が約42万人、2017年のイタリア人の訪日旅客数が約13万人といずれも欧州では4番目に大きな交流人口がある国であることに触れ、「今回の提携を機会に日本とイタリアの流動がさらに拡大し、両国の発展につながることを望む」とした。

 ANAのイタリア便については、過去に関空路線を運航していたが、その際のパフォーマンスがあまりよくなく、自社運航に踏み切ることができなかったという。一方で日伊の交流人口の実績では、「日本のお客さまはイタリアをこよなく愛している方が多い」「イタリアからの訪問者数は日本からの42万人に対して13万人なので、インバウンドのお客さまが増えることも期待できる」と、市場のポテンシャルを説明した。

アリタリア-イタリア航空 最高戦略・オペレーション執行役員 マッシモ・イラチ(Massimo Iraci)氏

 アリタリア-イタリア航空 最高戦略・オペレーション執行役員のマッシモ・イラチ(Massimo Iraci)氏は、今回の提携について「日本とイタリアが、かつてないほど距離を縮める。10月以降は全国のお客さまにイタリアへ行っていただける。ローマ経由でイタリア国内23都市へ同日中に到着できるようになる」とメリットを説明。

 サービスについて、「マニフィカ・ビジネスクラスでは、イタリアの郷土料理とワインを提供している。食器はリチャード・ジノリ、アメニティキットはブルガリ、座席はソフトな革の風合いを活かしたポロトーナ・フラウ製の180度のフルフラットリクライニングとマッサージ機能を装備している」と紹介し、「日本のお客さまを全国からお招きし、きめ細やかなサービスとメイド・イン・イタリーの調度品で、搭乗の瞬間からイタリアを感じていただけることを楽しみにしている。イタリアならではのおもてなしでイタリア旅行を存分にお楽しみいただける」とアピールした。

 また、今回の提携については「ファーストステップ。まずは日本とイタリアを近付けた」と述べ、今後、国内線のコードシェア便拡充などへの期待も示した。

 ちなみに、アリタリアはスカイチームに加盟しており、スターアライアンスに加盟するANAとは、アライアンスを越えた提携となる。この点について藤村氏は、スターアライアンスの承認を得ての提携であることを説明し、「まずはスターアライアンスが第一だが、承認が得られればそれ以外の航空会社とも組む」と、同社のスタンスを説明した。

包括提携契約の書類にサインをする両名
調印した書類を示し握手
両社のモデルプレーンを交換