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キャセイパシフィック航空、エアバスの最新鋭機「エアバス A350-900」型機を日本初就航

就航初日に関空で機内見学会実施

2017年1月8日 就航

キャセイパシフィック航空のエアバス A350-900型機が日本初就航

 キャセイパシフィック航空は1月8日、同社の最新鋭機「エアバス A350-900」型機を香港~関空線に就航した。また、同日の初便到着に合わせて、事前にInstagramで実施したキャンペーン当選者を対象とした機内見学会を実施した。

 キャセイパシフィック航空は、2016年5月に最初のエアバス A350-900型機を受領。同年6月1日の香港~マニラ便から運航を開始した。同社ではエアバス A350-900型機を22機、よりボディの長いA350-1000型機を26機の計48機を発注している。

 2017年1月時点では10機を受領しており、今後、2017年中にA350-900型機の残りの12機、そして2018年から2020年にかけてA350-1000型機を受領する計画だ。今回の日本路線初便に使用されたのは、登録記号「B-LRI」の機体で、2016年11月に受領したものとなる。

 日本路線初導入となった便は、台湾経由の香港~関空便で、前日の1月7日に運航したCX564便として関空に到着。乗客258名とともに20時20分に着陸し、20時34分に駐機スポットに到着した。日本発の初便となるのは、その折り返し便となるCX565便。両便の運航ダイヤは下記のとおり。

CX564便:香港(13時05分)発~台北(14時50分)着~台北(15時50分)発~関空(7時35分)着
CX565便:関空(10時45分)発~台北(13時15分)着~台北(14時15分)発~香港(16時20分)着

 なお、今後の上記の便に継続的にエアバス A350型機を使用するわけではなく、当面はイレギュラー運航となる。現在分かっている範囲では、次回の日本便投入は今回と同じCX564/CX565便として1月15日(香港発)/16日(関空発)に運航を予定している。

 また、2月~3月にはCX564/565便に週1~4回の頻度で運航する予定となっているほか、2月6日から3月5日まではCX566便と折り返し便のCX567便がエアバス A350型機での運航となる。

CX566便:香港(01時50分)発~関空(06時15分)着
CX567便:関空(09時30分)発~香港(12時55分)着

出発を待つキャセイパシフィック航空のエアバス A350-900型機
1月8日の朝、関空にはキャセイパシフィック航空の飛行機が3機並んだ。一番奥がエアバス A350型機
エアバス A350型機の機内から

関空出発を前に機内見学、ビジネスクラスには窓付きトイレも

 日本発初便となった1月8日、事前にInstagramで実施したキャンペーンの当選者3名と報道関係者による機内見学会が行なわれた。このキャンペーンは2016年12月15日~21日に実施したもので、キャセイパシフィック航空の飛行機の写真や、就航都市の旅の写真を、指定されたハッシュタグを付けて投稿することで応募を受け付けたもの。当選者3名は機内見学のほか、出発時の地上からの見送りにも参加した。

 キャセイパシフィック航空のエアバス A350-900型機の機内については、香港で最初の機体がお披露目された際の記事「キャセイパシフィック航空が運航開始したエアバス A350-900型機の客室」で紹介しているものと同じ。ビジネスクラス38席、プレミアムエコノミー28席、エコノミークラス214席の計280席仕様。ビジネスクラスとプレミアムエコノミーはStudio F. A. Porscheがデザインを手がけた。

 全クラスの全座席にUSB電源とユニバーサルAC電源を備えるほか、機内Wi-Fiインターネット機能も装備。同社提供のポータルサイトを見るだけなら無料だが、インターネット接続は有料となり、日本~香港線の場合はフライト全行程の利用で12.95ドル、1時間のみの利用で9.95ドルとなる。

機内Wi-Fi機能のメニュー。ウィザード形式になっており、外部接続の有無や、必要に応じてプランの選択などをして進めていく

 ビジネスクラスは1-2-1の4アブレストで、いわゆる「ヘリンボーン」と呼ばれる進行方向に対して座席を斜めにレイアウトしたスタイル。フルフラットになるほか、18.5インチのシートモニターを搭載する。

ビジネスクラス
「ヘリンボーン」レイアウトを採用するビジネスクラス
パーティション付きでプライベート感を高めている
オットマンには荷物入れも
アームレストも昇降が可能で、内部にペットボトルを収納できるスペースがある
フルフラットに対応。写真右のようにフルフラット時にベッド幅を広げられる
ビジネスクラスシートをフルフラットにする様子
読書灯、機内エンタテイメントシステムのコントローラ、シートコントローラ。シートコンローラはシート形状を模している
ヘッドフォン収納スペース。ここにUSB電源とユニバーサルAC電源を備える。ヘッドフォンはノイズキャンセリング対応
スマートフォン風のコントローラ
シートテーブル
シートモニターは18.5インチ
シートモニターは2本のアームで角度を調整でき、タッチ操作時の安定感も高めている
機内エンタテイメントシステムのポータル画面
機内エンタテイメントシステムのメニューから「Do Not Disturb(起こさないでください)」を指定できる
フライトマップ。ピンチイン/アウト操作で拡大/縮小も可能
垂直尾翼の前と、機体下部前方寄り部分に搭載するカメラの映像を好きなときに見られる

 プレミアムエコノミーは2-4-2の8アブレストで28席。シートピッチは40インチで、レッグレスト、フットレストを装備。シートモニターのサイズは12.1インチで、シートモニターの下にスマホやタブレットなどを立てられるスタンドを備える。

プレミアムエコノミー
プレミアムエコノミーのシート
フルリクライニングし、レッグレスト&フットレストを出した状態
リクライニング、レッグレスト、フットレストのロック解除ボタン
ヘッドレストと読書灯
プレミアムエコノミーを後方から見たところ
シートモニターは12.1インチ。その下にスマホなどを立てられるスタンドを備えている
さらに、そのスタンドの下に小物入れを装備
テーブルはアームレスト内に装備
カクテルテーブル
USB電源とユニバーサルAC電源

 エコノミークラスは3-3-3の9アブレストで214席。シートピッチは32インチで、シートモニターのサイズは11インチ。プレミアムエコノミー同様にスマホなどを立てられるスタンドを備える。またエコノミークラスも1席につき1個のユニバーサルAC電源を備えるのも特徴となっている。

エコノミークラス
エコノミークラスを後方から。シートモニターは11インチで、画面の下部にUSB電源を備えている
テーブルは2段階に折りたためるタイプ
シートモニターの下にスマホなどを立てられるスタンド。そこにカップホルダーも用意されている
エコノミークラスのシート
フルリクライニングした状態
各座席にユニバーサルAC電源を装備
ヘッドレストは高さ調整のほか、外側から内側、内側から外側とさまざまな形状に調整可能
前方ギャレー
機体前方に機内照明などの操作パネルを備える
機内最後尾部のギャレー
ビジネスクラス前方2カ所のラバトリーは窓付き
車いす対応ラバトリーも用意している
ラバトリーの空き状況を示すピクトグラム。トイレの位置も示している
上部の読書灯とシートベルトサインなどを表示するディスプレイ
オーバーヘッドコンパートメント
コックピット
パイロット用のクルーレスト(休憩室)
こちらはCA(客室乗務員)用のクルーレスト。6個のベッドを備えている

出発前に搭乗口で撮影会、記念品も配布

 出発前の搭乗口では、エアバス A350の日本就航を祝ったフォトフレームやフォトプロップスを用意。地上スタッフも撮影に協力し、搭乗を待つ乗客が撮影を楽しんでいた。

 搭乗口では、初便の記念品としてバゲッジタグをプレゼント。裏面にはエアバス A350就航の紹介や、機内写真をInstagramに投稿するキャンペーンを紹介。抽選で3名にエアバス A350モデルプレーンをプレゼントするという。

 163名(幼児含む)が搭乗を終えて準備が整った同機は、10時45分にプッシュバックを開始。11時05分に雨空へと飛び立った。

搭乗口でフォトフレームやフォトプロップスを使った撮影会を実施
4番搭乗口を利用
エアバス A350型機の日本初就航を祝うタペストリー
記念品を配布する日本支社マーケティング部長の蓑口寿生氏(左)、関西国際空港支店の立原氏(中央)と加藤氏(右)
配布されたバゲッジタグ。裏面ではA350機内で撮影した写真をInstagramに投稿することでモデルプレーンが当たるキャンペーンを告知している
出発を待つキャセイパシフィック航空のエアバス A350-900型機
出発前には機長がワイパーを振って挨拶
定刻どおりの10時45分にプッシュバックを開始
プッシュバック完了
トーイングカーが外され、機体から離れる
出発。地上のスタッフが手を振ってお見送り