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キャセイパシフィック航空、香港誘客キャンペーン「蜷川実花 × 香港 by Cathay Pacific」
蜷川実花氏が香港の魅力を語る。成田~台北線増便も発表
2017年6月15日 00:00
- 2017年6月14日 発表
キャセイパシフィック航空は6月14日、新しい香港デスティネーションキャンペーン「蜷川実花 × 香港 by Cathay Pacific」を開始すると発表した。キャンペーンビジュアル制作には、写真家で映画監督の蜷川実花氏を起用し、香港の魅力を訴求する。東京・丸の内のパレスホテル東京で開かれた発表会では蜷川実花氏が登場、香港にまつわるエピソードを語った。
このキャンペーンは、キャセイパシフィック航空の日本~香港線のさらなる利用増を狙ったもの。日本~香港線は近年、インバウンド需要で増加傾向にあるが、日本から香港に行くアウトバウンドは横ばい。また、年代についても、20代や30代の人にとってのデスティネーションとして香港の順位は高くないため、25~35歳をメインターゲットに展開する。
25~35歳をターゲットに香港の新しい魅力を伝える
発表会では、キャセイパシフィック航空 日本支社長のライオネル・クオック氏がまず挨拶。「香港は私どもにとってはホームグラウンドで、日本のお客さまには常にトップテンに入る人気の旅行先になっている。今回のキャンペーンをとおして香港の新しい魅力を伝えることができるのを楽しみにしている」と述べ、「私は実は蜷川さんの大ファンなのです」と語った。
キャンペーンについてはキャセイパシフィック航空 日本支社 マーケティング部 部長の蓑口寿生氏が説明。最初に蜷川実花氏起用の理由を「日本支社長が好きだったからではない」と話して笑いを誘うと、「香港の魅力をよく知り、東洋と西洋が混在する奥の深い街である香港を、独特の色彩感覚で表現できるアーティストを探していた」と経緯を明らかにした。
その理由として25~35歳の行動特性に、デジタルの世界で情報収集して個人手配の旅行をするという人物像を設定。「色彩感覚に敏感で、『SNS映え』や『インスタ映え』という言葉に象徴されるように、ソーシャルメディアで目にした写真が旅をしたいことにつながる可能性が高い」と説明した。
蓑口氏はキービジュアルであり、抽選でプレゼントする「飛び出す香港フォトブック」についても説明した。蜷川実花氏の写真を使った立体的なフォトブックで、「キャンペーンビジュアルをそのまま3D化して、できるだけ高さを出したいという思いがあったので、飛び出す絵本の作家さんを交えて何度も試行錯誤した」とし、「今回の撮影をとおして、これまでとは違うイメージの香港の写真がふんだんに盛り込まれている」と紹介した。
特設Webサイトにおいて、蜷川実花氏撮り下ろし写真のなかから、どの写真を見ると香港に行きたくなるかという投稿キャンペーンを実施。参加者からフォトブックか、香港へのダイナミックパッケージが1万円引きになる割引クーポンを、それぞれ30名に抽選でプレゼントする。
香港旅行で「自分の写真の方向性が見えた」という蜷川実花氏
発表会では、蜷川実花氏も登壇、香港への思いなどが語られた。学生時代から数えて香港には20回は訪れているという蜷川実花氏は「すごく、エネルギッシュな街。東洋と西洋が出会い、古いものと新しいものが出会う場所。とにかく、いつも何かが起きていて、エネルギーがすごい感じられるイメージ」と語った。
香港に最初に訪れたきっかけは「ウォン・カーウァイ監督の映画『天使の涙』を見て、あまりに好きすぎて、すぐにチケットをとって大学の友人と行った」そうで、「重慶大厦(チョンキンマンション)の1泊1000円くらいのところに泊まって、とにかく写真をいっぱい撮った」と当時を振り返った。
さらに、「返還の少し前で、街がざわざわとして、さらにエネルギーの量が高い時期。自分の写真の方向性が見えたというか、重要な旅行だったような気がしますね」と自身の活動と重要な関わりがある土地と紹介。
「写真を撮るって、プラスに思った何かを残したい、誰かと共有したいという思いでシャッターを切ることが基本だと思うんです。香港に行くと、これが面白いとか、もう一回見たいとか、いろいろな人に見せたいということが多いので、シャッターを押す回数が多くなりますね」と香港について語った。
そして「いつ行っても、新しい出会いがあり、何回も言うが、エネルギーの量がすごい。行くと元気になるし、リゾート地に行って元気になる“なり方”と違って、エネルギーをぶつけられる。負けないように頑張ろう、東京帰ってきてからも頑張ろうという、よい刺激をもらう街」と答えた。
「食も美味しいし、ショッピングも楽しい、その両方がある。街のサイズ感も広くなく、一週間かからずに楽しめる」と香港の魅力を語った。
フォトブックのための撮影旅行は、5月1日から5日まで、撮影地のスケジュールが詰まった状態で行なわれた。蜷川実花氏は「信じられないくらいみっちり詰まってたんですよ」と振り返るが、「もっと撮りたい、もっと撮りたいと思わせる街だし、ゆったり何かをするというよりは、駈けずりまわるのが楽しい街でした」と苦にならなかったとも紹介。いわゆる金魚街や、アイアン・フェアリーズ香港なども撮影してまわったという。
また、キャセイパシフィック航空については、今回の撮影旅行の帰国時に忘れ物をしたことを空港で気づいたが、ホテルが近かったせいもあって、キャセイパシフィック航空のスタッフにサポートしてもらったエピソードを紹介、さらに今の仕事をする前にも搭乗時のサポートがよかったと紹介した。
「かわいい!」と蜷川実花氏が絶賛する「飛び出す香港フォトブック」
発表会では、蜷川実花氏も初めて完成した「飛び出す香港フォトブック」に対面した。途中経過までは見ているとしていたが、発表中に完成形の現物が届く開いたことがなかった。
会場に運ばれたフォトブックを手にとって開くと「かわいいい!!」と連呼、ページをめくり、写真を見るたび「撮った写真を思い出しますね」と話しながらフォトブックを確認。「クオリティ高くできて、うれしいです」と感想を述べた。
2017年冬期スケジュールより、成田~台北線を増便
発表会では、キャセイパシフィック航空の事業についても説明があった。そのなかでキャセイパシフィック航空 日本支社 営業本部長のニック・ブルックス氏は「初めて明らかにする」として、2017年冬期スケジュールより、成田~台北線を毎日1便ずつ増便すると発表した。
新たに増便される便の詳細は決まっていないものの、成田を午前発、台北を午後発という日本からの乗客にとって使い勝手のよいダイヤを予定しているという。
そのほか、キャセイパシフィック航空については、スペイン・マドリッドへの初就航、イスラエルのテルアビブへのネットワーク拡大、香港~イギリス間は週49便など、さらに南半球への展開もニュージーランドのクライストチャーチへの季節運航の予定を紹介した。
新デスティネーションへの就航のため、機材更新も必要とし、ボーイング 747型機を退役させ、エアバス A350-900XWB型機を2016年6月から導入しているほか、座席数の多いエアバス A350-1000型機も2018年から受領を開始し、26機導入するという。
また、ブランド哲学の「Life Well Travelled(充実した旅は人生を豊かにする)」を紹介、フライト以外にも利用者の旅行体験の向上に注力し、羽田空港の新しいラウンジは新しいブランドコンセプトにもとづいて作られた最初のラウンジであること、香港などでも新しくなったラウンジを開設したことなどが紹介された。
さらに、機内用のビール「ベッツィービール」を紹介した。キャセイパシフィック航空最初の航空機「ダグラス DC-3」の愛称である「ベッツィー」にちなんで名付けられたビールで、高度3万5000フィートで一番美味しく飲めるように、甘味を強めるなど特別に仕上げているもの。
第1弾は香港産と英国産の原材料を配合して提供している。今後は第2弾も予定しており、日本路線で提供するため日本のビールメーカーとともに開発、2017年9月から10月にかけて提供予定としている。
そのほか、6月16日開催の横浜DeNAベイスターズ対オリックス・バファローズ戦をスポンサード、「キャセイパシフィック航空 香港ナイター」として開催する。キャセイパシフィック航空のCA(キャビンアテンダント)が制服姿で始球式をするなど、スタジアムがキャセイブランドに染まるとのこと。