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「CEATEC JAPAN 2016」で展示された未来の旅を感じるテクノロジ(1)
日立、ホンダ、三菱電機、NTTの展示を紹介
2016年10月6日 00:13
- 2016年10月4日~7日 開催
幕張メッセで「CEATEC JAPAN 2016」が10月4~7日に開催されている。2015年までは「IT・エレクトロニクスの総合展示会」だったのが、「つながる社会、共創する未来」をテーマにした「CPS(Cyber Physical System)/IoT EXHIBITION」へと生まれ変わった。コンシューマー向けではなく企業間(B to B)取引向けの技術やパーツなどの展示が多くなっている。そのため、個人で旅行をするために便利なサービスやモノの展示は少ないが、近い将来の旅行のあり方を予見する技術や、普段見られない車両のパーツなどを垣間見ることができる。
CEATEC JAPAN 2016内でのトラベル関連展示をレポートしていく。
4年ぶりの出展となる日立製作所で次世代パーソナルモビリティ「ROPITS」
BtoB展示が中心になり、4年ぶりに出展した日立製作所では、IoT関連の展示やステージで展示したが、そのなかで「快適な移動」ゾーンにある次世代パーソナルモビリティ「ROPITS」が目をひいた。
この電動のモビリティは、2011年から「つくばモビリティロボット実験特区」で着座型のモビリティロボットとして、公道実証実験も行なっている。そのためナンバーも取得されていた。
GPSとレーザー距離センサーとステレオカメラを装備し、正確な自分の位置と走行可能な領域、衝突回避などを行ない、自律走行をする。ネット上から任意の指定場所へ呼び出し、自律走行で目的地へ移動、その後、指定場所に戻ってくるといったことができる。基本的に歩道走行に対応していて、アクティブサスによりある程度の障害物を安定して乗り越える。自動のみではなく手動運転も可能。座ったときの高さがちょうど立っている人と同じ程度になっていて、会話がしやすいという工夫もされている。
都市内のさまざまな交通や物流などへ適用が考えられるが、特定地域のオススメ観光ポイントを自動で巡るといった使い方や、自動運転タクシー、狭い範囲でのレンタカーのような利用も考えられ、観光産業にも影響を与えそうだ。
ホンダはマイクロEV「MC-β」のカスタマイズモデル
ホンダ(本田技研工業)ブースでも、小型モビリティを展示している。こちらは、3Dプリンタを駆使したオリジナルカスタマイズを提案。鳩サブレーで有名な鎌倉の豊島屋向けのオリジナルカスタマス車両を展示していた。
ベース車両はマイクロEV「MC-β」こちらは2013年から熊本県、さいたま市、宮古島市で実証実験を行なった。また、「Honda Biz LINC」という、小型車を使った配達を考えた住宅地図レベルでの細道ルート案内や、リアルタイム状況把握のツールも併せて提案していた。
三菱電機の鉄道トータルエネルギーソリューション
三菱電機ブース内では、鉄道トータルエネルギーソリューションのパネル展示解説があった。これは、
- 列車における車両エネルギー管理の「TEMS(Train Energy Management System)」
- 駅における駅エネルギー管理の「SEMS(Station Energy Management System)」
- 車両基地における車両基地エネルギー管理の「FEMS(Factory Energy Management System)」
- 路線全体を対象とした路線エネルギー管理の「REMS(Railway Energy Management System)」
の4分野を定義し、高効率化を推進して鉄道システム全体のエネルギー最適化を目指している。分かりやすい例としては、REMSでの電車のブレーキ時に起きる回生電力を蓄電して(ハイブリッドカーなどの動作と同じ)、駅構内の照明などに使うなどがある。