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“家電見本市”が生まれ変わり、交通や生活を便利にする異業種からも多数出展する「CEATEC JAPAN 2016」
千葉市・幕張メッセで10月4日~7日開催
2016年9月13日 12:29
- 2016年10月4日~7日 開催
CIAJ(情報通信ネットワーク産業協会)、JEITA(電子情報技術産業協会)、CSAJ(コンピュータソフトウェア協会)で構成するCEATEC JAPAN 実施協議会は9月12日、都内で記者会見を開き、2016年で17回目を迎える「CEATEC JAPAN 2016」の概要や見どころを紹介した。
CEATEC JAPAN 2016は、10月4日~7日に幕張メッセ(千葉市美浜区)で開催。入場料は一般が1000円、学生が500円だが、Web事前登録で無料となる。
2000年にスタートしたCEATEC JAPANは「家電見本市」のイメージが強く、実際にデジタル家電の祭典として注目されてきたというが、ここ数年は自動車をはじめとする他産業との連携などが進んだにもかかわらず、出展者数は531社/団体、来場者は13万3048人といずれも過去最低の結果となった。
情報通信ネットワーク産業協会 専務理事 片山泰祥氏はこの結果を受けて、「宣言します『我々は生まれ変わります』」と述べ、CEATECは元々「Combined Exhibition of Advanced TEChonologies」の略で、「最先端技術でいかに人々の暮らしが豊かになるかを提示する展示会」という原点へ立ち戻ることを強調した。
テーマは「2020年に向けた最先端技術のテクノロジーショーケース」。そのコアとなる最先端技術がCPS(Cyber Phisical System)とIoT(Internet of Things)であると考え、CEATEC JAPANロゴの脇に記載されるキャッチコピーも、昨年までの「最先端IT・エレクトロニクス総合展」から「CPS/IoT EXHIBITION」へ変更。来場者数は前年比12%増となる15万人を目指す。
この変化について片山氏は、「製品だけの技術革新に限界があることは明らかで、これからのCPS/IoTの時代にはモノとサービスを一体化して新しいトレンドを提示することが求められている。CEATECを未来を見据えたコンセプトやビジネスモデルを発信する場にする。あらゆる産業からトレンドビルダーが集うショーにしたい」と意気込みを見せた。
また、片山氏はCEATECの将来について、「CEATECは大きな大きな変革の年となる。家電見本市を超えて、CPS/IoTの総合展へと大きく舵を切ることで、出展者や来場者はもちろん、展示の仕方や発表内容なども含めて、会場は様変わりするのではないと考えている。2020年の未来に向けた希望あふれる意欲的な展示や、内容の充実したカンファレンスが勢揃いすることで、CEATECならではのわくわく感は今後も続いていくものと考えている。CEATECを未来を見据えたコンセプトや新しいビジネストレンドを世界へ向けて発信する場として定着させていく」との方向性も示している。
こうした変化を目指すCEATEC JAPAN 2016の新たな取り組みとして、プレゼンテーションでは「異業種」「ベンチャー」「海外」の3点を紹介。
「異業種」の観点では、CPS/IoTの総合展を実現するために従来のプレイヤーだけでなく、異業種のプレイヤーが揃うことがポイントになるとし、新たに「IoTタウン」と呼ばれる特別企画展示コーナーを設ける。ここには、三菱東京UFJやJTBプランニングネットワーク、セコムなど、社会や街、暮らしを豊かにする技術やサービスを提供する企業が集う。
また、10月5日には自動車業界と電機業界が連携して進める三次元マップ関連、10月7日には自動走行のカンファレンスが実施されるほか、企業や自治体の地域でのIoT活用を紹介するカンファレンスが10月6日に行なわれる。
「ベンチャー」の観点では、ベンチャーやスタートアップと呼ばれる企業と大手企業のマッチングの場としてCEATEC JAPANが活用されるよう、2016年の会期を平日のみに設定。ベンチャー企業の出展は昨年の54社から2倍以上の100社超を見込んでいるという。
「海外」の観点では、CPS/IoTでは海外の政策がビジネスに与える影響もあることから、日本政府、在日各国大使館との交流の場として、10月3日の夜に“前夜祭”となるオープニングレセプションを実施。CEATECでは日本政府との取り組みとして、特にドイツとの連携を発信したいとしている。このほかにも、ASEAN諸国やインド、イスラエルのベンチャー企業とのビジネスマッチングの場となる「グローバルマッチングイベント」も実施する。
会場は従来のようなジャンル別構成ではなく、CPS/IoTにより変わる分野のエリア別に展示。主に下記のようなエリアに分けて各企業のブースが配置されることになる。このほかに先述のような特別企画展示コーナーなどが設けられる。
社会エリア:公共インフラ、行政、産業保安、エネルギー、モビリティ、製造分野、農業
街エリア:観光、金融、物流・流通
家エリア:スマートハウス、医療・健康、教育サービス
CPS/IoTエリア:CPS/IoTテクノロジ、ソフトウェア
見どころには、2020年に向けてAIがどのように世界を変えるのかを示す「AI」、決済や資産管理などの体験型展示やイベントが行なわれる「Fintech」、2020年の実用化を目指す通信技術「5G」、展示会だけでなく商談の場としてもより強化する「ビジネスマッチング」、震災復興支援も意識し、産学官が連携した取り組みが示される「地方創生」の5項目を提示。
5G関連ではNTTグループが出展するだけでなく、総務省による5Gワークショップが開かれる。さらに、ICTイノベーションフォーラムでは、ICTによる成長戦略や、次世代交通・運輸システムを実現するインフラが紹介されるという。
また、地方創生の観点では、2020年に実現する未来の社会を会場内で体験できるモデルコースを設定。東日本大震災や平成28年熊本地震の被災地域である福島県、宮城県、岩手県、熊本県からは計18社が出展する。