【イベントレポート】ツーリズムEXPOジャパン2016

NTT、スマホと連携するWebベースの多言語対応サイネージ

2016年9月22日~25日 開催

NTTが提案するスマホ連携する多言語対応サイネージ

 9月22日に開幕した「ツーリズムEXPOジャパン2016」。そのなかに設けられた「ツーリズムテクノロジー」と題した最新のICTソリューションを扱うブース群で、NTTが提案するWebベースのサイネージソリューションが展示されている。

 見た目は、現在都市部でいたるところに見受けられる、施設の案内や広告を表示する大画面のデジタルサイネージと変わるところはない。しかし、表示内容はHTML5を用いたWebベースのコンテンツで作成され、一般ユーザーのスマートフォンにもサイネージと同じ内容を多言語で表示したり、ユーザーのスマートフォンからサイネージを操作したりできる点で既存のものとは異なる。

 スマートフォンとの連携手順は、まずサイネージ付近で利用できる特定の無線LANアクセスポイントに接続し、Webブラウザー上でログイン操作をした後、サイネージの画面内容をスマートフォンに表示するかどうかを選択する、という流れ。

特定の無線LANアクセスポイントに接続してログインすると、サイネージの内容を表示するかどうかを選択する画面に遷移する
サイネージの内容を英語で表示した

 こういったシステムの場合、NFCやBluetooth、QRコードなどを利用して連携することも考えられるが、同社ではそれら技術の現在の普及状況や利用のしやすさ、ワールドワイドでの技術の認知度などを踏まえ、多くのユーザーがなじみやすい無線LAN(フリーWi-Fi)を選択。同社担当者は「Webベースでできることを追求した」としている。サイネージと無線LAN環境の2つが必要になることから、「実際の導入時は両方をセットで提供することになるだろう」ともコメントした。

 サイネージと同じ(多言語化された)内容をスマートフォンの画面に表示したあとは、スマートフォン上でコンテンツを自由に閲覧できるほか、スマートフォン側の操作でサイネージに表示する情報を切り替えることが可能。

 また、サイネージの管理者側からの制御も可能で、例えば災害発生時に警告画面に切り替えたり、避難経路を示すといった応用も考えられる。スマートフォン側でサイネージの画面を表示している間は、スマートフォンの画面にも同じ警告が割り込む仕組みにもなっており、緊急時に円滑な避難誘導を行なえることもアピールしている。

緊急時に警告などの表示を割り込ませることができる
2つの画面でそれぞれ別の表示にすることも可能
スマートフォンの画面にも同一の警告を表示