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日本旅行業協会、2016年9月期の旅行市場動向調査を発表

「ツーリズムEXPOジャパン 2016」直前の定例会見

2016年9月15日 発表

 JATA(日本旅行業協会)は9月15日、定例会見を開き、2016年9月期の「旅行市場動向調査」を発表した。旅行会社各社に現況・先行き(3カ月後と6カ月後)のアンケート調査を行ない、よい~わるいの回答シェアから景気動向指数「DI(Diffusion Index)」として、四半期ごとに発表しているもの。

 2016年9月期の旅行市場動向調査は、8月8日~29日にインターネット調査を行ない、309社からの回答を元に算出している。

 2016年6月期に続き、2016年度では2回目の発表となる。2016年度から先行きの調査対象に6カ月後の動向を追加。業態別調査にネット系旅行会社を加えたほか、次回の2016年12月期からはインバウンド系旅行会社も追加してインバウンド(訪日旅行)の市場動向調査も発表する予定となっている。

海外旅行

日本旅行業協会 広報室 担当副部長 新田幹夫氏

 海外旅行の動向は、前年同期から3pt増、前回調査(6月期)から5pt増となる-35。業態別ではネット系が17pt増、インハウスが15pt増、総合旅行会社が14pt増と好調な一方、海外旅行系旅行会社は21pt減と著しい下落を見せた。

 方面別ではハワイが1pt増の0と堅調。ハワイに次ぐアジアは6pt増で-2。アジアの人気は3カ月後も継続する見込み。

 このほか、オセアニアが11pt増で顕著な上昇を見せた。「オーストラリアやニュージーランド、北欧などの自然を目的とした方面は好調」と答えた旅行会社もあった。

 欧州は、前回の6月期の結果では上昇傾向が見えたが、再び下落に転じて7pt減の-71。ただ、円高傾向や燃油サーチャージの値下がりなどの好材料もあることから、「比較的よい」と応えた旅行会社もあり、3カ月後は4pt増、6カ月後は8pt増と上昇傾向が続く見込みとなっている。

 海外旅行全般に関するコメントとして、「インバウンド増により航空券座席が取れない」「前年9月はシルバーウィークがあり、9月出発分は前年を割っている状況」といった意見が見られる。先行きは3カ月後が4pt増の-31、6カ月後は6pt増の-29を見込んでいる。

国内旅行

 国内旅行の動向は、前年同期から26pt減、前回調査(6月期)から3pt増となる-10。業態別ではインハウスが16pt増、取扱額が30億円超のリテーラーが13ptと好調な一方、ホールセラーが8pt減、ネット系が11pt減と落ち込んだ。

 人気の方面は北海道、京阪神、東京がプラスの動向。北海道は前回調査から横ばい、京阪神は6pt減ながらプラスを維持、下降傾向が続いていた東京は一気に7pt増でプラスに転じる結果となった。

 前回6月期の調査では、震災の影響で-70と大きく落ち込んだ九州は34pt増の-36。「九州ふっこう割」の影響もあり回復基調となっている。

 国内旅行全般のコメントとして、インバウンドの影響で特に都市部のホテルが高騰もしくは取りにくい状況を見て取れる。先行きは、3カ月後は10pt増の0、6カ月後は1pt増の-9の見込み。

いよいよ来週9月22日からツーリズムEXPOジャパン 2016

日本旅行業協会 事務局長 越智良典氏

 定例会見ではこのほか、来週9月22日に開幕する「ツーリズムEXPOジャパン 2016」についても取り上げた。会期は9月25日までで、24日と25日が一般公開日となる。

 また、初日の22日は秋分の日の祝日となるが、日本橋でさまざまなイベントを実施。19県のアンテナショップや日本橋のお店が軒を並べて名産品などを販売する「日本橋賑わい広場」を、江戸桜通りで13時~19時に開催。

 また、13時30分~18時は、東京日本橋タワーで「伝統芸能広場」が行なわれ、鹿沼秋まつりの「鹿沼彫刻屋台」や、「秋田竿燈」が作られる様子や、江戸火消しの「纏(まとい)」や「梯(はしご)」を見学できる。

 そして、伝統芸能広場で作られた品を使った伝統芸能が披露される「Japan“Smile”Bridge」を19時~21時に中央通りで実施。22日の日本橋のイベントはいずれも観覧無料。

 9月24日~25日の一般日の情報としては、新たに「レゴブロックで応援 熊本城」が発表された。これは、世界に13人しかいないレゴ限定プロビルダーの三井淳平氏がレゴブロックで熊本城を製作。このレゴブロックの1ピースを100円で来場者に購入してもらい、レゴブロックにメッセージを記入してもらうチャリティ企画となる。完成したレゴブロックの熊本城は、ツーリズムEXPO終了後に熊本城に寄贈される。