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日本旅行業協会、ツーリズムEXPOジャパンの業界向けセミナー「ツーリズム・プロフェッショナル・セミナー」参加登録開始

“実務者に役立つセミナー”に9月23日開催

2016年8月4日 発表

 JATA(日本旅行業協会)は8月4日、定例記者会見を行ない、9月22日~24日に行なわれる「ツーリズムEXPOジャパン 2016」で実施される業界向けセミナー「ツーリズム・プロフェッショナル・セミナー」の最新情報や、2015年にスタートした「エリア・スペシャリスト」の秋期受講者募集に関して説明した。

実務者が活用できる幅広いジャンルのセミナー

日本旅行業協会 理事・事務局長 越智良典氏
日本旅行業協会 ツーリズムEXPOジャパン推進室 チーフプロデューサー 福島和彦氏

 2016年のツーリズムEXPOジャパンは既報のとおり、9月22日~25日に開催。9月22日はビッグサイトでの商談会や、JNTO(日本政府観光局)による「VISIT JAPANトラベル&MICEマート2016(VJTM2016)」、日本橋で特設アンテナショップや伝統芸能、日本の祭パレードなどを実施する「JAPAN NIGHT」を実施。

 また、2015年に創設されたツーリズムの先進的・持続可能な取り組みに賞を贈る「ジャパン・ツーリズム・アワード表彰式」も実施。2015年はツーリズムEXPOジャパン開幕日前日の行事として行なわれたが、2016年は開会式後に公式行事として実施。さらに、昨年は2時間30分をかけて各セグメントを表彰したが、今年は30分に集約。この変更について、JATA理事・事務局長の越智良典氏は「昨年は(時間が)長いという意見があった。今年は短く、よりインパクトがある印象に残る表彰式にする。短い時間にはなるが、公式行事に入っているので注目度も変わる」と説明した。

 9月23日は業界日で、ビッグサイト内での展示会のほか、関係者むけのセミナーやシンポジウムなどを実施する。

 新たな試みとして、ビッグサイト東棟の展示エリア内にあるステージで「ツーリズム・プロフェッショナル・セミナー」を実施する。これは、関係者のこれまでの経験に、深み、厚み、幅を加えて一流のプロフェッショナルになるべく活用してもらうという主旨で開かれるもの。ツーリズムEXPOジャパン推進室 チーフプロデューサーの福島和彦氏は「現業の実務者レベルの人がツーリズムEXPOジャパンに来てもらって、活用してもらうという主旨。セミナーは、これまでデスティネーションセミナーが中心だったが、さらにいろいろな分野に向けてやっていく」と特徴を紹介した。

 セミナーは、産官学の各分野を横断したもので、経済産業省の担当者による「RESAS(リーサス:地域経済分析システム)」の活用事例や、観光学部・観光学科と観光業界との人材ミスマッチ解消に向けたもの、2016年で6回目を迎える「大学生観光まちづくりコンテスト」の優秀作品発表会など多岐にわたる。

 これら23日のセミナーについては、事前登録制で入場は無料。登録はツーリズムEXPOジャパンの参加登録ページから行なう。

 また、ビッグサイト内の9つのセミナールームで行なわれる各種セミナーでは、デスティネーションセミナーのほか、入社後の早期退職対策のパネルディスカッションや、マイナンバー対策など、旅行会社の営業・企画職ではない人に向けたセミナーも行なう。

 ビッグサイト会議棟では、「ツーリズムEXPOジャパンフォーラム2016」を開催。これまで「国際観光フォーラム」という名称で行なってきたが、“ツーリズムEXPOジャパン”の名前を冠したものとすることで、イベントと一体になって推していく。

 ツーリズムEXPOジャパンフォーラム2016では、「アジア・ツーリズム・リーダーズ・フォーラム」とテーマ別シンポジウムを実施。

 前者は昨年も同タイトルで行なわれたが、今年は「新生第1回」として、旅行客の増加が爆発的なものに留まらず、安定的に発展していくための“質への転換”へ向けたものとする。その第1回目のテーマは「MICE&スポーツ」で、日本やアジアのベストプラクティスを紹介し、最後にラップアップするセッションとする。参加料は5400円。

 テーマ別シンポジウムは、JATA主体の海外旅行、JNTO主体の訪日旅行、日観振主体の国内観光それぞれのシンポジウムが開かれる。参加料は3240円。

エリア・スペシャリストの秋期受講者募集

日本旅行業協会 研修・試験部マネージャー 原田浩二氏

 2013年度まで行なわれていた「デスティネーション・スペシャリスト」を改め、2015年度から開始した「エリア・スペシャリスト」の秋期受講者募集についても説明が行なわれた。

 2015年度の受講者は目標1500名に対し、通年で1650名。2016年の春期は719名で前年同期比14%アップ。2016年通気の受講者数目標は「ちょっと強気だが」(JATA 研修・試験部マネージャー 原田浩二氏)1850名を掲げており、秋期は前年よりも1週間早く7月25日から受付をスタートしたほか、受講企業を増やすことでの受講者増を狙う。募集期間は8月31日まで。

 エリア・スペシャリストは、海外旅行で人気の国・地域を8つに分け、観光情報や地理、交通、文化、宿泊情報などを学ぶもの。インターネット経由でのWebドリルと復習テスト、修了試験で構成されており、実質約4カ月間のWebドリルと復習テストを経て、修了試験で満点に対して70%以上の獲得で修了となる。さらに、修了者のなかから、実務経験1年以上、各エリアの1カ国・地域に直近3年以内に1回以上の渡航経験といった条件を満たすことで認定される。

 春期講座の受講者内訳は、「ハワイ・マリアナ」が203名でもっとも多く、韓国や東南アジアが中心の「アジアII」が103名、フランス・スイス・ハンガリーなどを含む「ヨーロッパII」が86名と続く。

 先述のとおり、2016年秋期講座の募集期間は7月25日~8月31日。10月1日に開講し、2月末日までの5カ月にわたって受講。ただし、2月1日~10日に修了試験を実施するので、学習期間は実質約4カ月間となる。

 受講料は一般1万4000円、学生1万円。31名以上の一括申し込みに対しては、人数に応じた団体割引を適用する。エリアと対象国・地域は下記のとおり。

ヨーロッパI:デンマーク、ノルウェー、スウェーデン、英国、アイルランド、ロシア、オランダ、ベルギー、ドイツ
ヨーロッパII:フランス、スイス、ハンガリー、チェコ、オーストリア、クロアチア
ヨーロッパIII:イタリア、マルタ、スペイン、ポルトガル ギリシャ、トルコ、エジプト、ケニア、南アフリカ、モロッコ、UAE
アジアI:中国、台湾、香港、マカオ
アジアII:韓国、ベトナム、カンボジア、タイ、マレーシア、シンガポール、インド、インドネシア
北、南米:カナダ、アメリカ本土、メキシコ、ペルー、ブラジル、アルゼンチン
ハワイ、マリアナ:ハワイ州、グアム、サイパン、北マリアナ諸島、テニアン島、ロタ島
オセアニア、太平洋:オーストラリア、ニュージーランド、タヒチ、ニューカレドニア、フィジー

 質疑応答では、旅行業界のサイバーセキュリティをテーマに7月28日に行なわれた第2回観光庁・旅行業界情報共有会議について問われ、JATAとして今後、ガイドラインの策定、相談窓口の開設、廉価で使いやすい保険制度の作成、実例の情報共有や発信の仕組み作りなどを行なっていくという。ただし、旅行業はインターネット活用の有無や、事業規模などが幅広く、まずは実態調査を行なう必要があるとしたほか、ガイドライン等についても、いかに旅行会社にあった実効力のあるものにするかが課題であるとした。

 他方、8月2日に岸田文雄外務大臣に提出された「『在外邦人の安全対策強化に係る検討チーム』の提言」の点検報告書について、JATAからも越智事務局長が有識者会議に参加。いくつかの提言が盛り込まれたという。特に、外務省海外旅行登録サイト「たびレジ」の登録者は、年間利用者240万人の目標に対し、現在70~80万人程度とのことで、簡易登録版が用意されていることなどを挙げて「登録しやすくすること」を要望点とし、普及に取り組むとした。