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日本旅行業協会、2016年度第60回定時総会を開催
ツーリズムEXPOジャパンをJATA全体の中核事業に
2016年6月20日 22:24
- 2016年6月20日 開催
JATA(日本旅行業協会)は6月20日、経団連会館において2016年度(平成28年度)第60回定時総会を開催した。第60回定時総会では、2015年度の決算報告や2016年度の事業計画、役員候補などの議案が提示され、参加各社によって承認された。
定時総会の冒頭、観光庁長官 田村明比古氏が来賓として挨拶。田村長官は訪日外国人旅行客であるインバウンドがほぼ2000万人に達したため、政府では「明日の日本を支える観光ビジョン構想会議」において2020年で4000万人という新たな目標を設定。この目標は、人数だけでなく新たな指標である消費額(8兆円)が設定してあるという。
インバウンドについては順調に推移しているが、今後は若者のアウトバウンドを振興。国内についても人口減少時代における市場の維持に取り組んでいく。アウト、イン双方向のツーウェイツーリズム、国内旅行において魅力あるものを提供していくことで、質の高い観光交流を加速していく。
また、観光庁として九州観光の当面の需要回復のため、九州観光支援の割引用に180億円を確保したと紹介。「国内外への集中的なプロモーションを支援していく。旅行会社の支援が不可欠です」と、JATAの会員各社に協力を依頼した。その一方、軽井沢スキーバス事故を受けての安全対策、先日発生した情報漏洩に対するための情報セキュリティ対策について、「協会(JATA)をあげて取り組んでいただくようお願いした」と、要望についても語った。
観光庁長官の来賓挨拶を受けて、JATA会長 田川博己氏が主催者として挨拶。観光業の発展を振り返ったあと、旅行会社の価値は「企画力、斡旋力、添乗力」であると紹介。これまで顧客に対し最高のサービスを提供してきたが、情報社会など環境の変化に対応し、「新たな市場やテクノロジーに向き合い、価値創造産業を目指していきたい」と語った。
2015年度の活動報告、2016年度以降の事業概要についてはJATA理事長 中村達朗氏が詳説。2015年度においてはアウトバウンド施策として、3000名を超える日中文化交流事業、日韓国交正常化50周年プロジェクト、インドネシア観光交流団、パリ同時テロ事件に対するリカバリープランなどを紹介した。
今後の取り組みとしては、2018年度までの目標(中期事業計画)を紹介。それを踏まえて2016年度は、以下の7つの事業骨子を定めている。
・海外渡航者数2000万人に向けた施策推進
・国内旅行市場の活性化推進、東北復興支援活動の継続
・訪日旅行者2000万人の次のステージに向けた施策推進
・国際ツーリズムでの日本のリーダーシップの強化
・ツーリズムEXPOジャパンをJATA全体の中核事業に
・優秀な人材獲得と育成
・安心安全の旅の提供。リスクマネジメントやコンプライアンス強化
とくにツーリズムEXPOジャパンは、現在の形になって3度目の開催となり力を入れていく。昨年同様の東京ビッグサイトでの開催ほか、JAPAN NIGHTは国内をつなぐ五街道の起点となる日本橋を舞台に開催していく。