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ラタム航空がチリPRイベントで自社のサービスや観光スポットを紹介

8月30日に開催した「Chile Food, Wine & Travel 2016」において

2016年8月30日 開催

 チリ大使館 商務部のProChile(チリ貿易振興局)は8月30日、東京・白金台の八芳園で、チリの総合プロモーションイベント「Chile Food, Wine & Travel 2016」を開催した。このイベントはチリの産品や観光の魅力などをアピールするためのもので、会場内では各食品会社がブースを出展し、自社商品を使った料理を提供していたほか、ラタム航空グループによるチリの観光セミナーなどが行なわれた。

日本が輸入するサーモンやブルーベリーの最大の相手国はチリ

チリ大使館 商務部 チリ貿易振興局 日本オフィス商務参事官 ミカエル・マルスカ氏

 イベントの開始前、午前中に行なわれた開会式では、主催者や共催者からの挨拶や、チリの紹介があった。まず、チリ大使館 商務部 ProChile(チリ貿易振興局) 日本オフィス商務参事官であるミカエル・マルスカ氏が登壇し、共催者や出展者、イベント参加者への感謝を述べたあと、チリは地理的に北は砂漠、東はアンデス山脈、西は太平洋に守られたなかで、豊かできれいな自然、気候を背景にさまざまな産品を作り、世界に送り出していることを紹介。

 南半球にあるチリは、季節が逆の北半球に対し、新鮮なブルーベリー、サクランボ、ブドウを提供。食品の輸出額は年々伸びており、2014年は2003年と比べて約3倍に。日本のサーモンやブルーベリーの輸入相手国はチリが1位、ワインも輸入量では1位、採掘鉱物や木材の扱いも活発であり、日本が重要なパートナーであると説明した。

 観光プロモーションにも積極的に取り組んでおり、チリに乗り入れるエアラインが増え、観光客も次第に増えてきているとのことで、日本の皆さんにもっとチリのことを知ってもらい、観光先としてもっと興味をもってもらえるようにしていきたいと挨拶した。

チリの食品の輸出額は年々伸びており、2014年は2003年と比べて約3倍に
日本のサーモンやブルーベリーの輸入相手国はチリが1位、ワインも輸入量では1位という
米州開発銀行 アジア事務所長 大石一郎氏

 続いて、IDB(米州開発銀行)のアジア事務所長である大石一郎氏が登壇。IDBは政府に対して融資する機関であり、ワシントンD.C.に本拠があり、チリ政府にも協力していること。生産的開発、競争力の強化、人的資源の開発、地域の開発に関わっていることを紹介。

 4000マイル(6437km)の海岸線を有するチリは、海産物の大生産地であるとともに、オリーブオイルや豚肉の世界的な生産地であり、良質な土壌と気候からワインの一大生産地である。そして日本はそれらの重要な輸出先なので、輸出を担うチリの中小企業の成長の手助けにこれからも寄与していきたいと話した。

 また、チリの独特の地形が生み出す観光の多様性と治安のよさから、ツーリズムにおいても近年人気が高まってきており、「日本とチリのポジティブで活発な交流を確信しております」と挨拶した。

チリ製造業振興協会 会長 ヘルマン・フォン・ムーレンブロック氏

 SOFOFA(チリ製造業振興協会)会長のヘルマン・フォン・ムーレンブロック氏は、長男が日本人女性と結婚し、その間には孫もいることから、日本はとても近しい国ですと挨拶。そして日本とチリは120年以上もの間、商業関係を築いてきて日本からの多くの投資があり、チリの国民もまた日本に対して敬意を抱いていると話した。

 チリは地理的に隔絶された国で、独特な気候をもち、産物も独特なものが多い。それが特徴として世界から評価され、日本ともビジネスをしている。日本からは毎年巨額の投資をしてもらっており感謝していますと述べた。

南米最大のネットワークをもつラタム航空グループ

 午後にはラタム航空グループによる自社の紹介とチリ観光セミナーが開かれた。再び登壇したProChile 日本オフィス商務参事官のミカエル・マルスカ氏は、「今日はチリの食品の魅力とともに、観光の魅力も皆さんにより知っていただきたい」と挨拶。ラタム航空グループの日本地区支社長兼アジア地区営業統括本部長であるハビエル・アリアス氏は、「今回はラタム航空のサービスについて、そしてチリの魅力についてご紹介させていただきます。今後とも私たちはProChileや皆さんと、チリの魅力について継続的に伝えていきたいと思います」と挨拶した。

再び登壇し、観光地としてのチリをもっと広く知ってほしいと挨拶する、ProChile 日本オフィス商務参事官のミカエル・マルスカ氏
ラタム航空グループ 日本地区支社長兼アジア地区営業統括本部長 ハビエル・アリアス氏
ラタム航空グループ 日本地区副支社長 山田剛氏

 続いてラタム航空グループの日本地区副支社長である山田剛氏が登壇し、ラタム航空について紹介した。ラタム航空はチリのサンティアゴに拠点を置くラン(LAN)航空とブラジル・サンパウロに拠点を置くTAM航空が2012年に合併した、南米最大のネットワークをもつ航空会社であり、2016年5月にはロゴなどのブランドデザインを刷新。「LAN」+「TAM」であり、ラテンアメリカであり、という意図で「LATAM」としたことを説明した。

「LATAM」は「LAN」+「TAM」と「ラテンアメリカの航空会社」であることから名付けられたという

 ラタム航空は南米115都市に就航、南米全域をほぼカバーしているうえ、北米、欧州、オセアニアなど24カ国、135都市に就航。約5万3000人の従業員が働いており、年間6000万人の搭乗者を運んでいるという。

ラタム航空は南米115都市、世界では24カ国、135都市に就航している

 保有機材は8月30日現在で338機、エアバス A350 XWB型機と、ボーイング 787-9型機を南米で初めて運航した航空会社でもある。サンティアゴ~ロサンゼルス/ニューヨーク/シドニー/マドリード線はボーイング 787-9型機、南米エリア内の国内線・国際線はエアバス A319/A320/A321型機を中心に運航しており、A320neoシリーズの就航予定もあるとのことだ。

 そのほかサンパウロ~マドリード線はエアバス A350 XWB型機、リマ~ロサンゼルス/メキシコシティ線、リオデジャネイロ~ニューヨーク線、リマ~メキシコ線などではボーイング 767型機が運航。777-300型機は欧州路線(サンパウロ~ロンドン/フランクフルト/パリ)で運航している。

 また、2016年5月の新ブランドスタートから、機内のリニューアルを順次進めている。ラタム航空では、ファーストクラスをなくし、プレミアムビジネスクラス/ビジネスクラス/プレミアムエコノミークラス/エコノミークラスを設定。プレミアムビジネスクラスでは、エアライン業界でも早い時期からフルフラットシート(ボーイング 787-8/9型機、767型機、エアバス A350型機において)を採用しており、「南米のエアラインへの先入観なのか、日本のお客さまの期待値が低いような印象もあるのですが、機内の快適性には定評をいただいております。機内サービスについてクレームも非常に少なく、皆さまに安心してご利用いただけると思います」と話した。サンティアゴ、サンパウロ、ブエノスアイレス、ポゴタの空港内にはラタム航空のVIPラウンジがあるほか、ワンワールドアライアンスメンバーであるため、提携ラウンジの利用も可能だ。

 現在、ラタム航空は日本との直行便がないため、たとえば成田からはロサンゼルスやニューヨーク、シドニーを経由してサンティアゴに行くことができ、経由地まではJAL(日本航空)などとのコードシェアとなる。また、ラタム航空を利用して南米エリアに入った人には、ラタム航空の南米エリア内の路線を割安な価格で利用できる「SAA(South America Airpass)」という設定があるので、航空券を購入される際にはぜひ併せて問い合わせてほしいと話した。

砂漠から南極まで幅広い気候のなかで多彩な観光スポットを有するチリ

 引き続いてチリの観光セミナーも山田剛氏が担当。まず、チリの基礎知識として、南北に約4300kmと「世界で最も長い国」であり、幅は平均175kmと非常に細長く、ユニークな形をしていること。面積は日本の約2倍で、言語は主にスペイン語、サンティアゴが首都、通貨はチリペソ(CLP)であることなどともに、サンティアゴにはラタム航空をはじめ、17の航空会社が乗り入れていることが紹介された。

 チリは南北に細長い国なので、環境もエリアによって劇的に異なるそうだ。北部はアタカマを中心とした砂漠地帯、サンティアゴなどがある中部渓谷地帯は地中海性気候で非常に温暖、その南の火山・湖水地帯は湖や山など自然環境が広がり、一番南がパタゴニア、そのほかにイースター島、ロビンソークルーソーアイランドも人気のエリアだと紹介された。

 なかでも北部の砂漠地帯のリゾート地、サンペドロ・デ・アタカマはとても人気で、エル・タティオの間欠泉、「月の谷」「死の谷」といった月面をほうふつとさせる景観などがお勧めだと紹介。また、アタカマは世界で有数の乾燥地帯なので、天体観測にも最適とのことだ。

 もう1つのお勧めの観光地としてパタゴニアが挙げられた。世界一美しい林道と呼ばれる「アウストラル街道」があり、目玉は「トレス・デル・パイネ国立公園」とのことで、12月~2017年2月のハイシーズンにはサンティアゴから国立公園近くの空港であるプエルト・ナタレスへの直行便を、週2便のペースで運航することが紹介された。

「Chile Food, Wine & Travel 2016」の会場では、チリ産品を使った料理の提供やワインの試飲が行なわれており、サーモンを使ったお寿司やムール貝を使った料理が人気を集めていた。また、コストパフォーマンスのよさから日本でも人気のあるチリワインは、アサヒビールやサントリーワイン、メルシャンなど有名企業がブースを出し、チリならではの力強いワインを中心にアピールしていた。