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NEXCO中日本、8月11日開通の新名神 四日市JCT~東海環状道 東員ICを事前公開

東員IC向けの標識はセット済

2016年8月11日15時 開通予定

四日市JCTの分岐部分

 NEXCO中日本(中日本高速道路)は8月5日、8月11日に開通する新名神高速 四日市JCT(ジャンクション)~新四日市JCT~東海環状自動車道 東員IC(インターチェンジ)間を報道陣に公開した。すでに新しい標識の設置も完了しており、現在のところ8月11日15時の開通を前に最終的な仕上げを行なっている状態だ。

 今回の開通区間は、正式には新名神の四日市JCT~新四日市JCT(4.4km)と、東海環状道の新四日市JCT~東員IC(1.4km)の2区間。しかし、この2区間は連続しており、途中の新四日市JCTも現在のところ分岐がないため、1区間の開通と捉えられ、現在の案内標識もそのようになっている。

東員IC→新四日市JCT→四日市JCT

東員IC

 東員ICは東海環状道を新四日市JCT方向に向かうほか、将来の開通では大安IC(仮称)から養老JCTや環状に大回りしてに豊田東JCTまで向かうことができる見込みになっている。今回の開通では料金所を通ったあとは新四日市JCT方向のみ行けるようになり、分岐は左側のみ進むことができる。

 東海環状の本線上は2車線分の幅があるが、片側1車線のみ走行可能に区切られており、その状態のまま新四日市JCTまで進む。新四日市JCTでは、左にカーブして新名神の本線に合流するような形で進む。

 新四日市JCTから片側2車線となっており、道路の舗装は「コンポジット舗装」となり、28cm厚の鉄筋コンクリート層を敷いた上に走行フィールのよいアスファルトをかぶせ、耐久性、快適性、メンテナンス性を兼ね備えた。なお、東海環状道は従来の高機能舗装だという。

 また、この区間では開通前だが渋滞など情報表示も稼働していた。四日市JCT手前2.5kmの標識では東名阪道の名古屋方面、名古屋高速道路の4号東海線、3号大高線と伊勢湾岸道の状態を表示している。

 さらに、四日市JCTの500m手前の標識のさらに手前には東名阪道の伊勢方面、名古屋方面、伊勢湾岸道の情報表示があり、渋滞などの交通状況を表示。そして分岐へと進む。

 四日市JCTでは、直進すれば伊勢湾岸道方面に向かい、そのまま豊田JCT、さらに静岡、東京方面に向かうが、東名阪道に向かうにはまず左に分岐し、そのあとに次の分岐があり、伊勢方面は左、名古屋方面は直進(右)へと分かれる。

 今回の公開では、東名阪道から伊勢湾岸道方面に向かう既存の車線との合流部の手前までが確認できた。開通までは赤白のバリアーが置かれる。

ICのゲートをすぎると進路は左側へ。バリケードがあり、さらに左側の新四日市JCT方向にしか行けないようになっている
ICの左カーブを抜けて本線に合流する部分。右側に見える白いクルマのようなルートでICから本線に上がってくる
この区間は2016年4月24日に工事現場ウォーキングが行なわれている。子供たちに道路への記念サインも許された
東海環状道の本線はまず1車線に制限されて新四日市JCTへ向かう
東海環状道を抜けて新四日市JCTで新名神の本線へ合流する部分。新名神はこれより手前は開通していないのでバリケードが見られる(バス車内より撮影)
ここから新名神の本線へと合流するが、右手前側は未開通。なお、こちらを向いている車両が写っているがこれは工事車両で逆走しているわけではない。公開された工事区間を走行する車両はいずれも低速で走行している
新名神を四日市JCTへ向かう途中の標識
今後、開通する予定の新名神の四日市JCT~亀山西JCT(仮称)のルートと高低差
新名神はコンポジット舗装。土工部ではアスファルトの下に28cmの鉄筋コンクリート部分があり耐久性、快適性、メンテナンス性を兼ね備えた
新名神を四日市JCTへ向かう途中の標識、こちらは渋滞等があれば表示するが、何もないときは点灯せず
その先は道路の形状を描いた案内標識が見える
四日市JCT手前1kmの標識
四日市JCTの500m手前の標識のさらに手前には東名阪道の伊勢方面、名古屋方面、伊勢湾岸道の情報表示がある。すでに稼働中
四日市JCT手前500mの標識
四日市JCTの分岐部。東名阪道は左に分岐するが、その先で名古屋方面と伊勢方面でさらに分岐する
四日市JCTで新名神から伊勢湾岸道へ向いたところ。上を斜めにまたぐ橋は東名阪から新名神の新四日市JCTや東員ICに向かうランプ
四日市JCTから新四日市JCT方面に向いたところ。右側には東名阪に行く道路が見え、名古屋方面が向かって下、伊勢方面が上に分かれる
四日市JCTの新名神から下を見ると、東名阪道が走っている
四日市JCTから伊勢湾岸道方面に向いた。写真奥のバリケード部分から先はすでに開通しているため通常走行している。左側は東名阪道から伊勢湾岸道へ向かう車両が見える。右は伊勢湾岸道から東名阪道へ向かう車両
さらに奥を見ると合流部分が見える。安全のためもあり、合流部分まで行くことは許可されなかった

四日市JCT→新四日市JCT→東員IC

四日市JCTで、ここから先が今回開通する部分。8月11日15時の開通を前に、8月5日の時点では東員ICへの標識が登場しているが、誤進入をしないよう赤白のバリケードを置き、分岐部分には「8月11日15時開通」と看板を置き、未開通であることをドライバーへアピールしている

 四日市JCTでは、すでに標識も新しいものに交換され、取材を行なった8月5日には「東員IC」へ表記を隠すシールが剥がされた。まだ新しい区間には誤って進入しないよう、分岐にはコーンを立てていたり、分岐した先には赤白のバリアーが置かれたりする。また、分岐のところには8月11日15時開通の看板も置かれている。

 四日市JCTの分岐も、正確には新名神への分岐だが、「東海環状」「東員出口」と現実的な表記になっており、現在のところ四日市JCTから新名神が開通したと実感できない状況。そのため、現在のところ四日市JCTも東名阪道へ向かう方がメインになるような車線が描かれており、大阪方面に行きたいのに車線に沿ったまま誤って新名神へ入ることはなさそうだ。

 新名神に分岐後は、2車線のまま新四日市JCTへ向かう。途中、2015年の台風18号による切土のり面崩落現場もあったが、すでに補修、崩落がないよう、水抜きボーリングなどの対策を施しているという。

 新四日市JCTでは、直進ができないようガードレールが置かれており、道なりに左へ分岐、緩やかな坂をのぼりながら東海環状道へと向かう。東員ICから四日市JCTへの走行とは異なり、JCTを意識するような構造となっている。

 新名神を直進する先には現在のところ土で作った山がある。これは地盤改良ではなく、単に残土等を貯めているとのことで、2018年度に予定される開通までにこの山は形を変えていくとのことだ。

 また、新四日市JCTには貯水池を作った。舗装区間の面積が多くなり、大雨の際など一気に水が流れないよう、一時的に水を貯めておく。ドライバーからは見えにくいが、東員IC方向に進む場合に、背の高いクルマのパッセンジャーシートからは貯水池が見えるだろう。

 新四日市JCTで片側1車線になったあとは、東員ICまで片側1車線が続く。東海環状道路のさらに先が開通するまでは、1.4kmと多少距離はあるものの東員ICと新四日市JCTは一体化しているとも感じられる。

標識には大きく「東海環状」と書いてあるが、東員までしか行けないことを示した標識もあり
分岐部分の全標識。手前の金網は下を走る東名阪道に物を落下させないため
新名神を新四日市JCT方向へ進む(バス車内より撮影)
新名神の本線上だが、現在は東員ICだけを書いた標識がある
新名神の途中には2015年の台風18号による切土のり面崩落が発生した場所がある
地面に刺された黒いパイプは地下水を抜くためのもの
崩落の様子と対策
新四日市JCTに近づくと車線が減少する
1車線となり、左へ分岐していく
新四日市JCTの直進方向は2018年度開通予定。まだ、道路の路盤もできていない
東員ICへ向かう分岐は上に向かう。最終的な仕上げも行なわれている
上から見た新名神のJCT部分。奥が四日市JCT方向、手前が将来開通する亀山西JCT(仮称)方向。その横には貯水池も見える
亀山西JCT(仮称)方向はまだこのような状態。土の山は残土等を貯めたもので、地盤改良ではないとのこと。工事が進むにあたってこれは崩す
この先は東海環状道となるが、開通区間の1.4kmが東員ICと一体化しているようにも見える
東員ICまでは1車線に規制したまま進む
直進方向は将来開通部分。次のICとなる大安IC(仮称)までは2018年度開通予定
東員IC出口へと向かう
高架の車内から見た東員IC

東員IC

東員ICの料金所レーン

 今回の報道公開は発着点として東員ICを拠点に行なわれた。東員ICは三重県東員町にあり国道365号から分岐してICに入れるほか、すぐ西側に大型ショッピングセンターであるイオンモール東員、という場所にある。

 東員ICのレーンは入り口が2つ、出口が3つ。最新のICとなっており、上部に取り付けられた照明機器などが落下しないよう、転落防止ワイヤーが取り付けられているような、最新の規格によって作られたICとなる。

 また、IC内には、地元の東員町立三和小学校の卒業記念植樹も行なわれた。2016年3月4日に小学生によってドイツトウヒなどが植えられている。

入り口は2つのレーンともETCに対応する
通行券は自動で出るタイプ
左側のレーンには左ハンドル車用の発券機あり
照明はLEDによるもの。見えにくいが落下防止ワイヤーも装備している
入り口のレーン通過後のアンテナにも落下防止ワイヤーを装備
出口方向から料金所を見る
地元小学生が植樹したドイツトウヒ
国道365号から東員IC入り口を見る。信号があり、両方向からICへ進入可能。案内標識はまだ緑色のシールが覆われたまま
ICにはすぐイオンモール東員が隣接している