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JAL、「子ども霞が関見学デー」で空のお仕事を紹介

2016年7月28日 実施

JALのスタッフが子供たちに仕事内容を紹介した

 JAL(日本航空)は7月28日、各省庁で行なっている「子ども霞が関見学デー」の国土交通省プログラム「知ってる?空のお仕事」において現役パイロット、CA(客室乗務員)、整備士による航空教室を開催した。

 2016年の「子ども霞が関見学デー」は7月27日、28日に夏休みの子供と保護者向けに開催、業務説明や省内見学などを行なった。国土交通省のイベントは同省が入居する中央合同庁舎3号館と隣接する2号館で実施。国土交通省の担当分野が広いため、展示も幅広く、自動車、鉄道、船、そして空路といった交通関係はもちろん、防災や建築関係まで多岐にわたっている。

 航空関係では、「知ってる?空のお仕事」と題して航空関係の仕事を紹介した。フライトシミュレータ体験や航空管制官などの仕事の話は27日のANAが「子ども霞が関見学デー」で航空教室などを実施とほぼ同プログラムだが、28日はJALのスタッフによって航空会社の仕事が紹介された。

 フライトシミュレーターは27日と同じ機材を使っていたが、サポートはJALのパイロットが担当。羽田空港を飛び立って付近をひとまわりして空港に戻るまでの操縦を指導していた。

フライトシミュレーター体験もJALのパイロットがサポートした

「知ってる?空のお仕事」にJALの現役パイロット、CA、整備士が参加

空のお仕事の紹介は、3名の現役スタッフが担当した

 1日2回実施された航空会社スタッフによる仕事紹介では、現役スタッフから空の仕事が紹介された。

JALエンジアリング 羽田航空機整備センター運航整備部国内発着整備室 広岡大地さん

 整備士でJALエンジアリング 羽田航空機整備センター運航整備部国内発着整備室の広岡大地さんは、まず整備士の仕事を紹介、発着に関わる運航整備、格納庫での機体整備、工場整備など、整備の違いを説明した。

 広岡さんの担当は、主に発着に関わる運航整備で、コックピット内の点検をしたあと、機体のまわりを一周して異常がないか確認する作業。整備士の持ち物や、1日に多くの飛行機が出入りして順に整備する予定は「電子アサインボード」の予定に沿って仕事をしていくことが紹介された。

 また、広岡さんが持っている整備資格は、ボーイング 777型機と737型機と紹介、この飛行機の乗る際は、自分が整備しているかもしれないので見かけたら声をかけてくれというと、子供たちの中から「飛行機の中から見えないから声はかけられない」と鋭い指摘を受け、苦笑いする場面もあった。

成田第2客室乗員部 木村亜希さん

 客室乗務員の仕事の紹介は成田第2客室乗員部の木村亜希さん。CAとは何かという説明から入り、乗客への機内サービスはもとより、重要な仕事は「安全業務」だと強調した。

 木村さんはCAの仕事を搭乗前から順を追って紹介、事前打ち合わせは、国際線では英語で行なうときもあるとし、その後、機体の事前確認として保安機材の点検なども重要。また、準備と並行して乗客の情報を確認するスタッフもいるとした。

 搭乗中もただ案内しているだけでなく、シートベルトや座席の背もたれを常に確認しているとし、CAの仕事のなかでの安全確認の役割の多さを訴えた。

 離陸後、ベルトサインが消えたあとに機内食のサービスのほか、機内販売を紹介すると、いろいろなことができる機内サービスに子供たちは驚いた様子。機内食を紹介するなかでは「おやつはあるの?」との質問の声も上がった。

 乗客が飛行機から降りたあともCAの仕事が終わったわけではないとし、機内の点検をして不具合があれば整備士さんに伝えることや、乗務後の打ち合わせや、次の常務の確認してからでないと帰れないなど、CAの仕事の重要さを伝えた。

737運航乗員部 副操縦士 松本高幸さん

 最後はパイロットの仕事の紹介。737運航乗員部でボーイング 737型機の副操縦士の松本高幸さんが担当。まず、フライトバッグの中身から紹介した。

 持ち物としては、Flight Log Bookやライセンス類、パスポートなど。チャート類は分かりやすいよう「道路の地図」と話し、本のような形状になっているものは、各空港の地図だと説明した。

 また、コックピットのスイッチの形を紹介。ギア(写真)の上げ下ろしのスイッチレバーの先がタイヤの形になっているのは間違えないよう法律で決まっているとし、フラップのスイッチもフラップの形になっているほか、重要なスイッチは間違えないように、触った状態でなんのスイッチか分かるようになっていると説明した。

 JALのスタッフの説明も30分に近くになってきたため、説明を聞く子供たちも少々疲れてきた。そこで飛行機が雲の中でも迷子にならないかという説明で、ウェイポイントの名前が紹介された。

 子供たちからも親しみがわく名前では東京ディズニーランド近くに「PLUTO」や「DAMBO」があると紹介、高知ではアンパンマン作者のやなせたかしさんの出身地にちなんでアンパンマンの「ANPAN」、その隣がアンパンマンの決め技の「PANCH」、近くにはジャムおじさんの「JYAMU」、バタコさんの「BATAK」、名犬チーズの「CHEEZ」を紹介、「みんな仲よく高知の空港のまわりを教えてくれています」とした。

 一方、秋田では秋田名物きりたんぽになぞらえて「KILLY」「TAMPO」が並んでいることや、「秋田には、お父さんが好きなのはなにかありますか?」と保護者に回答を求めた「BIJIN」、そして乳頭温泉の「NYUTO」を紹介し、教室を終えた。

 最後に、JALの3人が教室のまとめ。松本さんは「たくさんの人が働いているので、飛行機の乗るときはどんな仕事をしているのか、注目してほしい」とし、木村さんは「CAになるのにいちばん必要なのは健康」とし子供たちには「なりたい人は体力作りに励んでください」とよびかけた。広岡さんは「もし、こういう仕事に就いたら、一緒にがんばりましょう」とエールを送った。

制服を着用しての記念撮影も実施、パイロット、CAだけでなく整備士も用意。率先して整備士の制服を着用する子供もいた
制服コーナーは人気、多くの子供たちがCAやパイロットになりきっていた
ノベルティのコーナーにもJALのグッズが並んだ

タクシー、船や、他の省庁の展示も楽しめる「子ども霞が関見学デー」

 今回は航空関係を紹介したが、国土交通省の「子ども霞が関見学デー」は建築から交通まで多岐にわたっているが、「海の玄関口!! みなとを知ろう!」では船のペーパークラフトを作ることができた。

 また、全国各地で活躍するタクシーのミニチュア展示などを通じて、タクシーを身近に感じてもらうという「タクシーはどんな仕事をしているの?」など、乗り物だけでもさまざまな展示があった。

海の玄関口!! みなとを知ろう!のコーナー
タクシーはどんな仕事をしているの? のコーナーでは各地のタクシーのミニチュアが並んだ。特徴あるカラーのタクシーが見える

 同じ合同庁舎2号館では総務省も「子ども霞が関見学デー」を実施。消防庁が協力して消火体験や、応急たんかの作成指導なども行なわれたほか、スタンプラリーで消防車のペーパークラフトをもらえるなど、ほかの省庁でも乗り物好きの子供たちが喜びそうな展示があった。

国土交通省と同じ入り口のビル内には総務省の「子ども霞が関見学デー」も開催。こちらはスタンプラリーで消防車のペーパークラフトなどがもらえる