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JAL、「九州応援プロジェクト」の一環で「がんばろう九州 バッジ」をスタッフが着用

7月21日には福岡空港などで横断幕によるお見送りも

2016年7月21日~10月31日 実施

 JAL(日本航空)は平成28年熊本地震をうけて、「九州応援プロジェクト」と題したさまざまな支援、応援活動を行なっているが、その一環として、キャンペーンロゴをデザインした「がんばろう九州 バッジ」を九州・山口エリアのJALスタッフが着用して業務を行なう取り組みを、7月21日から開始した。

 バッジ着用の初日である7月21日には、九州・山口エリアの各空港において、「がんばろう九州」の横断幕を使ったJALスタッフによるお見送り企画が実施された。本稿では、福岡空港での様子を紹介していく。

「がんばろう九州 バッジ」は「九州応援キャンペーン」と共通で、「がんばろう九州」のメッセージとともにくまモンとめじろんがデザインされている

JALスタッフが横断幕を持ってお見送り

「がんばろう九州 バッジ」は総計960枚が用意され、九州・山口エリアの販売・空港スタッフと、鹿児島を拠点にするJAC(日本エアコミューター)のCA(客室乗務員)が、7月21日~10月31日の期間着用する。

 福岡空港でのJALスタッフによるお見送り企画は、JAL316便(福岡14時00分発~羽田15時40分着)で実施された。JAL316便の搭乗ゲートでは、「がんばろう九州」の横断幕を持つスタッフが並び、13時40分を過ぎたころから優先搭乗がスタート。320名の乗客(と4名の幼児)が搭乗した。

 お見送りを担当するグラウンドスタッフと報道陣は、そのまま駐機場に降りて離陸を待つ。14時05分にプッシュバックを開始したJAL316便の機材は、ボーイング 777-200型機(JA773J)。「ご搭乗ありがとうございます」「がんばろう九州」と書かれた横断幕を持ったJALスタッフが手を振り見送るなか、羽田空港へ向けて離陸した。

福岡空港でのお見送り企画は、JAL316便(福岡14時00分発~羽田15時40分着)の6番ゲートで実施
遅れた乗客がいたものの、無事に搭乗完了
JAL316便の使用機材はボーイング 777-200型機(JA773J機)
グラウンドスタッフが1列に整列して手を振る
14時05分、プッシュバック開始
誘導路まで移動したJAL316便に続いてスタッフも移動
整備士も手を振る
見送ったあとは、ターミナルに向かって全員で挨拶

チェックイン業務を通じて九州が「被災地」であることを感じたスタッフたち

福岡空港の国内線チェックインカウンター業務を担当する野村翼さん(左)と寺野真奈美さん(右)

 JALの福岡空港国内線カウンターでチェックイン業務を担当するスタッフに、今回の取り組みにかける思いを聞くことができた。

 野村翼さんは東京都出身で、4月から福岡空港での業務にあたっている。「熊本地震の本震では、ここ福岡もかなり揺れました。揺れの大きさから東京で経験した東日本大震災を思い出しました。こちらにいて、日本全国から九州が心配されているのだな、ということをヒシヒシと感じます。

 被災地に向かわれる方もいらっしゃれば、安心できるほかの地域へ移動される方もいます。そういう人の流れを感じられる業務にあたっている実感が強くあります。飛行機に乗り慣れていないご年配の方も多く見受けられ、胸がいっぱいになりました。そうした場合でも、不安を取り払えるような笑顔での接客を心がけています」と、心情を語ってくれた。

 実家が熊本市にあるという寺野真奈美さんは、「地震発生当時は実家と連絡がつかず、仕事が手に付かないほどでした。しかしここでの送客業務はあります。そんな不安のなかでカウンターに立ちましたが、そのうちに親族とも連絡がとれて、安心したという記憶があります。

 熊本空港が使用できない時期に、福岡空港まで陸路で移動して、ここから親戚のいる地域へ行くというお客さまもいらっしゃいました。会話のなかでお互い熊本出身ということが分かると、『がんばろうね』と声をかけてくださり、思わず涙がでました。カウンターでは、こうしたやり取りができますので、こちらが元気をいただくこともあります。こちらも元気を与えられるような業務ができればと思います」と話してくれた。

 熊本地震の震源から距離のある福岡空港ではあるが、多くの被災者が行き来する経由地であることが伺えた。空港には地元出身のスタッフも多いことから、九州の空港のあちこちでこうしたやりとりがあったのではと想像できる。

「九州応援プロジェクト」のWebサイトでは、九州方面の旅行が割安になるプランや、お得な観光情報が多く掲載されている。もし九州・山口エリアを訪れることがあったら、JALスタッフの胸元にある「がんばろう九州 バッジ」にも注目してみてほしい。