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JALの客室乗務員やスタッフが、東京・池袋の宮城県アンテナショップで集客活動を応援

復興支援活動や民営化された仙台空港などについて藤田副社長がコメント

2016年7月18日 実施

 JAL(日本航空)は、2013年6月からJAL東北応援プロジェクト「行こう! 東北へ」を実施しているが、その活動の一環として7月18日に東京・池袋にある「宮城ふるさとプラザ コ・コ・みやぎ」において、JALグループ社員が宮城県の観光情報のPRや物産品販売のサポートを行なった。

「宮城ふるさとプラザ コ・コ・みやぎ」は、JR池袋駅から徒歩2分、東京メトロの池袋駅35番出口から1分弱の場所にある、宮城県物産振興協会が運営する宮城県産品の販売と情報を提供するアンテナショップ。仙台名物の「牛タン」や菓匠三全の「萩の月」などもここで購入できる。

 サポート実施日は「夏だよ!みやぎホヤ祭り」の最終日で、朝獲れの新鮮なホヤの試食や、宮城の伝統的な地酒「一ノ蔵」の試飲なども提供される予定で、11時の開店前から行列ができるほどの賑わいぶりだった。

宮城ふるさとプラザ コ・コ・みやぎ

住所:東京都豊島区東池袋1-2-2 東池ビル1~2階
営業時間:11時~20時、2階飲食コーナーは21時30分ラストオーダー、22時閉店(年末年始を除く年中無休)
TEL:03-5956-3511
Webサイト宮城ふるさとプラザ コ・コ・みやぎ

 店頭には、宮城県出身のCA(客室乗務員)やJALグループ社員はもちろん、JAL代表取締役副社長の藤田直志氏も立ち、店舗への誘客やノベルティの配布などのPR活動を行なっていた。

池袋駅からすぐ近く、人の往来が多い場所にある「宮城ふるさとプラザ コ・コ・みやぎ」では、「夏だよ!みやぎホヤ祭り」の最終日だったこともあり、11時の開店時刻の20分前には来店者が列を作っていた
仙台・宮城観光PRキャラクター「むすび丸」は、食と文化に恵まれた宮城を「おにぎり」をモチーフに擬人化したもの。頭部には伊達政宗公の兜を真似た前立がある
キャンディなどをスタッフが配布

スタッフに聞いた宮城のお勧め品

 今回のサポートに参加したJALスタッフに宮城県のお勧めを聞くと、「宮城は太平洋に面しているので、豊かな漁場があるだけでなく、日本三景の1つの松島などの観光地があるので、四季折々の食材や景色が楽しめます。海だけでなく蔵王や船形、栗駒などの山もあるので、見どころもたくさんあります。

 食べ物では、県外の人は牛タンを思い浮かべるかもしれませんが、宮城県の中央部には仙台平野が広がっていて、お米も美味しいです。ササニシキはお寿司屋さんでも多く使われてますし、宮城県で最も生産量の多い『ひとめぼれ』もぜひ食べてみてください」と教えてくれた。

宮城県出身のCAが、制服姿で通行人に声をかけていた。「なんでJALさんがここで?」と質問されることもあり、JAL東北応援プロジェクトについて説明する場面もあった

 当日は「夏だよ!みやぎホヤ祭り」の最終日であったので、海のパイナップルとも呼ばれる朝獲れの新鮮なホヤの試食や、殻付きホヤの販売もされていた。昨今東京でも珍しくなくなったホヤではあるが、コ・コ・みやぎのスタッフは「ホヤは鮮度が落ちると匂いがきつくなるので、やはり獲れたてが一番です」と話していた。

 また「冷たい塩水に浸けておけば鮮度が落ちにくいので、匂いが強くなるのを遅らせられます。新鮮なものであれば、ホヤ特有の香りが好きな人はワタごと、ホヤ水(ホヤの中の水)で実を洗って刺身にしていただければいいですし、香りが苦手な人は焼いたり、フライにすれば美味しくいただけます」と説明をしていた。

一般に東京で売られているホヤは漁獲後に時間が経っているものが多く、匂いが強いものが多いのだとか。鮮度の高いものはホヤ水で洗い刺身で食しても匂いは少ないとのこと

 宮城県では酒の肴として一般的なホヤではあるが、独特の風味に合う日本酒の試飲も好評だった。JAL東北支店 支店長である筈見昭夫氏は、「今日はホヤ祭りの最終日なので店舗ではホヤ推しですが、東京の方々には牛タンや牡蠣がおなじみですね。

 あとは笹かま。焼き目があって薄くても歯応えがあるものが東京の方の笹かまに対する印象だと思うんですが、柔らかくてふわっとした食感のものや、魚肉の香りが鼻に抜けるようなものなどもあって、本当に美味しいんですよ。

 そして、それら美味しいものはみんな日本酒に合うようにできています。宮城以外の地域でも、その場所で食べられる美味しいものに合うお酒っていっぱいありますよね? 美味しいものと飲み物って、地域ごとのセットがあると思うんです。なので、コ・コ・みやぎでいろいろなものを買って食べていただくのはもちろん、ぜひ宮城に来ていただければうれしいです」とアピールしていた。

店内では「一ノ蔵」の試飲もあり、試食のホヤと一緒に一ノ蔵を楽しんでいる人も多かった
多くの日本酒が並ぶ店内。牛タンジャーキーや牡蠣の燻製など、販売されている食材も日本酒に合いそうなものが多くあった

 また、「最近では、マツコ・デラックスさんがテレビのバラエティ番組で『ずんだシェイク』を絶賛していただいた影響もあって、ずんだ系のものが人気です。ずんだは枝豆をすりつぶして作ったペーストなんですが、ずんだシェイク、ずんだ餅はもちろん、コ・コ・みやぎでも『ずんだソフト』というソフトクリームが人気商品になってます。お菓子としては『萩の月』も人気。全国に知れ渡ってからは似たようなものも多いですが、やはり萩の月は美味しいです」とも教えてくれた。

「ずんだソフト」は食べ歩きしやすいように店舗の表にある窓口(横に券売機がある)で購入できる。JAL東北支店の筈見支店長も「暑いので、ずんだソフトはいかがですかー?」と通行人に声をかけていた

JAL藤田副社長「被災地を応援しながら、私たちも応援されている」

日本航空株式会社 代表取締役副社長 執行役員の藤田直志氏

 天気予報が外れ、30℃を超える気温となったコ・コ・みやぎ前の歩道で、額から汗を流しながら通行人に声をかけていたJAL 代表取締役副社長 執行役員の藤田直志氏に、話を聞くことができた。

 藤田氏は「仙台は震災の被害が大きかったので、支援という意味ではまだまだやっていくことが多いと思います。2011年の3月からJALの社員みんなで東北に行こうと、最初は2011年10月に、津波による塩害で稲作ができなくなった仙台空港周辺の若林区荒浜の農地で、塩害に強い綿花を育てる『東北コットンプロジェクト』に参加し、ボランティア社員による草取りなど綿花栽培のお手伝もしました。

 2013年夏からは、震災でつらい思いをされたご家族に沖縄での夏休みをプレゼントするプロジェクトを、社員有志からの寄付とJALからのマッチング(同額拠出)で実施してますが、どちらかというとこれまでは被災地に目を向けて、元気づけていこうというものでした。

 これからは地方創生、東北を盛り上げていくフェーズに入ってきていると思います。東北支店にも支援部隊を置いて、観光需要などを盛り上げる取り組みをしています」と、これでのJALの活動と、これからの取り組みについて説明した。

 東北支援活動の成果については、「被災地支援にスタッフが行くと、被災された方々が懸命に頑張っているのを見て、自分たちももっと頑張らないといけないと、逆に勇気づけられて帰ってくるんです。2010年に経営破綻したときに、いろんな方々にお世話になって会社が再生してきていますが、会社がよくなってくると社員の心のなかに緩さみたいなものが生まれる。

 そんななか、被災地で厳しさを目の当たりにすると『あぁ、これじゃいけない』と感じ、自分たちの原点に戻ろうと考える。被災地を応援しながら、私たちも応援されているのだから、お互いに気持ちを盛り上げていけることは、JALの根底にある一番大事なものであって、それを磨き上げていくことが大切です」と、支援活動が社員の意識によい影響を及ぼしていると話した。

スタッフたちとともに通行人に声をかける藤田副社長。汗の滴が髪から垂れ落ちながらも「役員室にいるよりも、こっちのほうがいい」と周囲を笑わせていた

 また、仙台空港の民営化については、「空港が活性化されていくのはよいことです。JALがどのように協力できるかはこれからの検討になりますが、空港が一歩前に進んだ。これからはみんなで需要を創出してお客さまを増やしていく方向に変わってきています。

 仙台空港へは、JALは大阪からの便がメインなので、国際線のチャーター便を飛ばして東南アジアからのお客さまをお連れするとか、仙台空港の民営化後に、どのような取り組みを行なっていくか考えています。

 また、飛行機が到着したあとのグランドハンドリングが大変なので、いろいろな航空会社が乗り入れてもハンドリングがきちんと機能して、裏方ですがしっかりした組織を立てないといけない。チャーター便が来たときにはお客さまが増え、スタッフも増やす必要があるので、全国のスタッフを割り振ることなどで、ニーズに応えられるよう取り組んでいきたいです」と展望を語った。

 8月には東北三大祭りの一つである「仙台七夕まつり」と「仙台七夕花火祭」があり、ホヤの旬も8月まで。この夏の予定をこれから決める人は、宮城旅行を検討してみてはいかがだろうか。