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J-AIR、7月1日に民営化した仙台~伊丹線に「エンブラエル 190」型機就航

仙台発着便に“クラスJ”装備機材が復活

2016年7月1日 就航

仙台空港を出発するE190型機

 JAL(日本航空)グループのJ-AIR(ジェイエア)は7月1日、仙台空港(宮城県名取市)において新型リージョナルジェット機「エンブラエル 190型機(E190型機)」の就航記念セレモニーを開催した。

 同社のE190型機は伊丹(大阪)~鹿児島便で5月10日から運航をスタート。この7月1日から伊丹~福岡便、伊丹~仙台便にも充当されている。ただ、予定では6月末ごろに受領予定だった2機目の到着が7月2週目にずれ込んだため、現在は鹿児島及び福岡便が1日1往復、仙台便が1日2往復のスケジュールで運航されている。

出発ロビーにクラスJシートのモックアップが展示されていた
本革シートにフットレストを装備
コンセントも装備する
カウンター上にはポスター。仙台空港発着便としては2013年8月以来、久しぶりのクラスJシート付きとなる
E190型機(写真右)とE170型機(写真左)。シートは19列から23列に増えている
JAL2201便としてE190型機が到着
セレモニーが行なわれた7番ゲートの表示
株式会社ジェイエア 代表取締役社長 大貫哲也氏

 就航記念セレモニーの対象となったのは仙台(08時50分発)~伊丹(10時10分着)のJAL2202便。搭乗口となる7番ゲート前の会場にはジェイエア 代表取締役社長 大貫哲也氏、日本航空 東日本地区支配人 柏頼之氏、仙台国際空港 代表取締役社長 岩井卓也氏、仙台空港 空港長 小野寺浩氏、宮城県 土木部次長 櫻井雅之氏が参列した。

 まず、主催者として大貫氏が登壇。7月1日から仙台空港が民営化されることに触れ、「この記念すべき日に私共の初就航の飛行機、皆さまにお披露目できますことを大変うれしく思っております」と前置き。航空会社にとって新しい飛行機の導入は事業の発展・拡張を意味し、それが今日になったことを大変うれしく思っているとコメント。「仙台空港に携わる皆さまと一緒に、この空港の発展活性化、そして地域の皆さまにご利用いただけるように精一杯努力していく所存」とした。

 続けてE190機の特徴として、このサイズの飛行機としては初めて「クラスJ」のサービスを導入したほか、全席革張りのシート、すべての席からアクセス可能なPC電源装備などを挙げ、「私共にとって自信の飛行機でございまして、お客さまを快適に大阪までお運びできるものと考えている」と新機材をアピール。

 J-AIRは伊丹空港をベースに1日180便を社員600名で運航、JALの国内線の約2割を担うとともに、仙台空港を発着する便のオペレーションを担当。「我々にとりまして、この大切な東北の拠点、最重要地点をこれからもしっかり守っていこうと考えている」とし、「これからも皆さまにご提供できする素晴らしい商品をどんどん磨きをかけてご案内して、私共会社の夢であります“お客さまに世界で一番に選ばれて愛される航空会社になる”、このことに向けて創意工夫を重ねていきたい」と締めくくった。

仙台国際空港株式会社 代表取締役社長 岩井卓也氏

 続いて岩井氏が登壇。E190型機の導入について「機内が広く快適でビジネスのお客さまにも喜ばれる飛行機」「従来に比べて1便当たり20席座席が増える」とメリットを挙げ、「いち早く仙台空港に導入していただいて大変ありがたく思っている」と感謝の意を表わした。

 7月1日から民営化された仙台空港については、国が管理する空港の民営化第一号として、「さまざまな工夫と努力をして仙台空港を利用していただけるお客さまを増やしていく」とコメント。「民営化の初日から最新鋭の機材を就航していただける、JALさんからとても大きなエールを送っていただいたと感謝している」「20席増え、クラスJもある、新しい機材で大阪への快適な空の旅ができるようになった」として、乗客増に向けて万全の協力体制でサポートしていくことを約束した。

列席者によるテープカット

 セレモニー後に囲み取材に答えた大貫氏は「民営化の初日に私共としてなにかできることはないか、そんな思いでこの飛行機を持ってきた」とし、「空港が活性化され交流人口が増えることが我々の願い。ますます使いやすい仙台空港ができてくることを願う」と、これからの発展を期待すると述べた。また、E190型機は「ビジネス利用のお客さまに訴求できる飛行機」であり、「フルサービスキャリアとして高い品質の商品を買っていただけるよう創意工夫していく」ことを戦略だと述べ、その実現に向け「今年中に仙台と鹿児島便をすべてE190型機にすることが当面の目標」だとした。

 旅客販売統括本部副本部長・国際旅客販売本部長・Web販売本部長も兼任する柏氏は、仙台空港の民営化について「いままでは使わせていただいている立場だったが、民営化により同じ方向を向いているパートナー」になったとして、一緒にお客さまをたくさん増やしていこうとの期待を述べた。また、東北について「海外からのインバウンドのお客さまが少ないと思っている」ことが課題であるとし、「(仙台発着の)外国路線は持っていないが、伊丹や札幌にはたくさんのお客さまが来ておられるので、仙台や東北にお連れしたいと思っている」と、新型機導入による需要増に期待をかけた。

8時35分に搭乗が開始された。乗客はクラスJが満席の15名、普通席58名の計73名
初便の乗客には記念品をプレゼント
中身はクリアファイルや手帳、ピンズなど豪華
大貫氏らによるお見送りも行なわれた
8時45分にブロックアウトして滑走路へ
8時53分に伊丹空港へ向けて飛び立っていった