旅レポ

デルタ航空のビジネスクラス「デルタ・ワン」でホノルル空港へ

ハワイの旅をワンランクアップグレードしてフルフラットシートの快眠を

広くて快適、デルタ航空のビジネスクラス「デルタ・ワン」のシート

「HAWAII PRINCE HOTEL WAIKIKI(ハワイ プリンスホテル ワイキキ)」を利用してハワイを楽しむ観光レポートでのホノルルへの航空便はデルタ航空を利用してみた。今回、ホノルル便でデルタ航空のビジネスクラス「デルタ・ワン」を体験する機会を得たのでレポートしていく。

 デルタ航空(Delta Air Lines, Inc.)は、アメリカ3大航空会社の1つ。ジョージア州アトランタに本社を置き、世界57カ国、327都市に向けて運航している。航空連合「スカイチーム」の創設メンバーでもあり、大西洋路線においてはエールフランス-KLM、アリタリア-イタリア航空、およびヴァージン アトランティック航空と共同事業を展開している。アメリカ本土のネットワークに強いことからビジネスマンに人気のデルタ航空だが、日本からのリゾート路線にも力を入れている。

 デルタ航空の日本~ホノルル路線は、成田空港発が毎日1便と週4便、関西空港発が毎日1便、セントレア(中部空港)発が週5便、福岡空港発が週5便で運航している。とくに福岡からホノルルへの直行便については、日系の航空会社も用意しておらず、デルタ空港が九州のハワイへのリゾート需要を支えている。

 参考までに2016年3月前半のフライトスケジュール(時刻はすべて現地時刻)を掲載する。最新スケジュールは常に変更があるので、予約時には必ず問い合わせるなど確認してほしい。ハワイでの入国には、米国のESTA(電子渡航認証システム)のオンラインでの事前申請が必要なので注意しよう。

デルタ航空予約センター

日本国内 TEL:0570-077733(ナビダイヤル)
日本語でのサポートサービス:週7日、9時~20時
英語でのサポートサービス:週7日、24時間
IPフォン、PHS、海外からは、81-476-31-8000
Webサイト:デルタ航空

成田国際空港→ホノルル国際空港

DL578便:20時00発→08時02分着(毎日)
DL618便:21時20分発→09時20分着(月火金土)

ホノルル→成田

DL579便:10時28分発→翌15時10分着(毎日)
DL617便:14時27分発→翌19時25分着(月木金日)

関西国際空港→ホノルル

DL278便:20時00分発→08時28分着(毎日)

ホノルル→関空

DL277便:12時15分発→翌18時00分着(毎日)

セントレア(中部国際空港)→ホノルル

DL612便:21時25分発→09時31分着(火水木金日)

ホノルル→セントレア

DL611便:14時31分発→翌19時40分着(火水木金日)

福岡国際空港→ホノルル

DL598便:09時50分発→08時25分着(月水木土日)

ホノルル→福岡

DL599便:11時40分発→17時50分着(月水木土日)

 今回搭乗したデルタ航空の便は、成田発ホノルル行きのDL578便。20時成田発で、日付変更線を西から越えるため同日の7時46分にホノルルに到着する。ホノルルまで、往路は約6~7時間、復路は9時間半程度かかる。時差は19時間、ハワイが日本よりも遅れている。

成田からホノルルまでのフライトで利用したDL578便。ボーイング 767-300ER型機。ハワイ行きの便の多くは日本を夜出発する

 ハワイ行きの多くの便は、日本を夜に出発し同日の午前中にハワイに到着する。復路では、ハワイを午前に出発し、翌日の午後に日本に到着する。ハワイ行きの便は夜間が短く、日本行きの便は昼間が長くなる。

 デルタ航空が成田~ホノルル便に使用する機材はボーイング 767-300ER型機。座席数は、ビジネスクラス「デルタ・ワン」を36席、プレミアムエコノミーに相当する「デルタ・コンフォート+」を32席、エコノミークラス「メイン・キャビン」を143席装備する中型の旅客機になる。

フライト中に機内でWi-Fiを使ってインターネット接続ができる。機体上部に衛星通信用のアンテナがある

 デルタ航空のビジネスクラス「デルタ・ワン」では、優先チェックインカウンターが用意され、受託手荷物の優先扱い、専用空港ラウンジ「スカイクラブ」(成田空港の場合)の利用、優先搭乗、広いフルフラットベッドシート、日本食も選べるメインコース、ソムリエによる厳選されたワインなど、空港に入ったときから旅程をワンランクアップグレードできる。ホノルル便のデルタ・ワンは人気が高く、発売から早い時期に売り切れることも多いようなので、早めに動きたい。フライト体験当日も満席だった。

成田空港では第1ターミナルになる。デルタ航空が属する航空連合「スカイチーム」のビジネスクラス優先チェックインカウンター
専用のカウンターで優先チェックインが受けられるので、荷物を預ける時間も短縮できスムーズ。デルタ・ワンでは3辺合計が157cm以下、32kgまでの荷物を2つ預けることができる
荷物には「SKY PRIORITY」のタグが付けられる。これで到着空港で優先的に荷物が出てくる
デルタ航空の成田ラウンジ「スカイクラブ」
ゆったりした空間と、曲線を活かしたデザインで構成されている
軽食サービスコーナー
軽くつまめる軽食がサービスされる
ドリンクコーナー。アルコールも提供されている
DL578の搭乗が近づく
デルタ・ワンは優先搭乗ラインで搭乗できる

 ボーイング 767-300ER型機におけるデルタ・ワンの座席配置は「1-2-1」で、窓側の1列は真っ直ぐ互い違いに配置されているスタッガードタイプ。全座席で通路に出るのが容易な構造になっている。中央の2席が横並びになっているのも、ウェディング需要の多いハワイ路線ではうれしいポイントだろう。

 もちろんシートは電動でポジションを変更でき、フルフラットにすることもでき、余裕を確保するために前の座席のサイドコンソール下に足先が入る作りになっている。なお、エコノミークラスの座席は「2-3-2」の配置。

 搭乗便によっては、機材がボーイング 747-400型機や777-200ER型機になることもあり、その場合は座席配置が異なる。いずれにしてもデルタ航空のデルタ・ワンでは全座席でフルフラットシートとなるので、ホノルルに行く際はこの記事を参考にしていただければと思う。

 なお、「デルタ・コンフォートプラス」という、エコノミークラスより足下が12cm広くリクライニング角度が1.5倍にセットできるシートも、追加料金を支払うことで選ぶことができる。

デルタ・ワンのシート配列
シート配列図を見ると、窓側の席が互い違いに配置されているのが分かる
窓側のシート。離着陸時のシートを最も立てた状態
中央のシート。隣の人と会話がしやすいのでカップルなどにお勧め
中間あたりまでシートを倒した状態
シートをフルフラットにした状態
フルフラット時の足下状況。前の座席のサイドコンソール下に足先が入る
大きめの枕とフワフワと掛け心地のよいブランケット。寝具はウェスティンホテル製ヘブンリーブランド
機内エンターテインメント「デルタ・スタジオ」がヘッドレスト埋め込みのディスプレイで楽しめる
オンデマンドで映画などが楽しめる。「日本語の映画」も検索できる
「フライトトラッカー」で現在位置と到着時刻などの表示もできる

 各シートの横には大きめのサイドコンソールがあり、デスクを出さなくても小物やドリンクが置けるので便利。ヘッドフォンはボーズのクワイエットコンフォートで、ノイズキャンセリング機能が付いていて、飛行機の騒音を軽減できる。

サイドコンソールのACコンセント、ヘッドフォン端子、USB充電ポートなど
ACコンセントはユニバーサルタイプなので日本のコンセント形状のアダプタがそのまま差し込める
サイドコンソール上にシート操作用ボタンがある
サイドコンソールのフタを開けるとリモコンが入っている。上部の読書灯やクルー呼び出しボタンはここにある
デスクはサイドコンソール内に格納されている
デスクを半分出したところ。ドリンクを置くのに便利
デスクをすべて出したところ。食事の配膳を受けるさいにはこの状態にする
ノイズキャンセリング機能が付きのボーズ クワイエットコンフォート

 提供されるアメニティキットは、「TUMI(トゥミ)」ブランドのソフトケース入り。ハードとソフトの2種類のケースが用意されていて、往路と復路で異なるデザインで提供される。

 内容物もなかなか気が利いている。TUMIのアイマスクとボールペン。「MALIN+GOETZ(マリン・アンド・ゴッツ)」のビタミンB5ボディローションとリップモイスチャー(割引券入り)、マウスウォッシュ。ボーダー柄の靴下、耳栓、ティッシュ、歯磨きキット。TUMIのアイマスクは、しっかりと光を遮り作りがよい。

TUMIのアメニティキットケース
背面にはガジェット類などの旅行ケースとして活用してほしいとの「RE-USE ME」但し書き
TUMIのアイマスクとボールペン。MALIN+GOETZのローションとリップモイスチャー、マウスウォッシュ。ボーダー柄の靴下、耳栓、ティッシュ、歯磨きキット
袋付きスリッパもシッカリした作り

 食事提供の時刻が近くなると、機内はすでに少し暗くなる。メインは和食、もしくは洋食が選べ、洋食ではビーフとポークから選択できる。今回は和食を選択してみた。和食コースは数量限定のためなくなってしまうこともある。確実に食べたい場合には、24時間以内にデルタ航空予約センターで予約できる。食べてみると、一緒に日本酒を頼みたくなるような本格的な和食の味つけが楽しめた。ぜひ試してみてほしい。

席に座ってしばらくすると、出発前にウェルカムドリンクのサービスがある。優先搭乗で出発まで時間があるためシャンパンをいただく
トロピカルドリンクもある
冊子になったメニューが席に用意されている。日本語も書かれている
出発後のドリンクサービス。ドリンクはアルコールを含めサービスされる
メインは和食を選択してみた。金目鯛の蜂蜜味噌焼き(ジャガイモのピュレ、焼き栗、わけぎ)、煮物、蟹サラダの柿酢和え、ひじきご飯、味噌汁、漬け物
デザートはアイスクリーム。ボリューム満点
ホノルルへの到着が近くなると、フレッシュフルーツとパン、ヨーグルトが提供される

 機内では、有償だがWi-Fiによるインターネット接続が利用できる。「Gogo」の衛星接続サービスのシステムを使っていて、24時間パスが16ドルで販売されている。パスは搭乗前に購入しておくのがお勧めだ。もちろん、機内のポータル経由でも購入できる。

 また、スマホとiPad用に「Fly Delta」アプリが提供されていて、旅程の確認やチェックイン、受託手荷物のトレース、観光ガイドなどが閲覧できる。とくに自分の荷物の動きが把握できるのは安心できる。ほかに、スマホで映画を再生したい場合には「Gogo Video Player」も必要になる。これらも搭乗前にインストールしておくことをお勧めする。

機内Wi-Fiの案内パンフレット
機内でWi-Fiを接続する。「gogoinflight」のSSIDを選択する
「CONNECT」タブで「Sign in」をタップ。エンタメ系とデルタ航空ホームページは無料。「Watch for Free」で楽しめる
購入時に登録したメールアドレスとパスワードでログインする
複数チケットを購入している場合にはひとつ選択
上部に表示されているセキュリティコードを記入。「START SURFING」で接続する
接続すると、フライト情報が表示されるようになる
ネット接続が利用できるようになった
回線速度はこのような結果。機内かつベストエフォート配信のため参考値程度で
エンターテイメント系のページ
フライト情報表示ページ
機内でもインターネット接続で情報収集できるのは便利
スマホアプリの「Fly Delta」アプリでは、チケットを登録すると搭乗機の詳細が表示できる
受託手荷物の動きを詳細にトレースすることもできる
iPad版では、目的地の観光案内も閲覧できる。グルメ情報が充実している
もちろん機内誌も装備。日本語の機内誌も用意されている

 日本からハワイへは、往路の航空機でいかにうまく睡眠できるかが、到着後の旅程に影響してしまう。フルフラットシートでゆっくりできるデルタ・ワンなら、時差による睡眠不足も極力防げ、午前中からハワイで活動的に過ごせる。復路はちょっと眠いのを頑張ればいいのだが、帰国後すぐに仕事に向かう予定などで、なるべく休日を有効に使うときにとてもありがたい。特別な旅行、忙しいなかでの旅行など、快適度を高めたいとき積極的に活用してみてはいかがだろうか。

そろそろハワイが近づいてきた
ホノルル空港に到着したDL578便
入国審査の待ち時間がなかったのにもかかわらず、荷物はすでに出ていた。デルタ・ワンの威力を思い知った瞬間
ハワイへようこそ
こちらは復路で利用したホノルル空港のチェックインカウンター
デルタ空港のチェックインカウンターには「JAPAN CHECK-IN」と表示された日本語でコミュニケーションできるカウンターが用意されていた
ホノルル空港にて。復路で搭乗したDL579便

村上俊一