旅レポ
グアム最高層のラグジュアリーホテル「デュシタニ グアム リゾート」を体験
(2015/12/1 00:00)
タイのデュシット(Dusit)インターナショナルが展開するデュシタニ(Dusit Thani) ホテル&リゾートは、グアムに「デュシタニ グアム リゾート」を2015年6月30日にソフトオープンさせている。現在徐々に稼働率を上げ、2015年末にはその全貌が明らかになる見込みだ。それに伴って、報道陣に向けデュシタニ グアム リゾートを実体験するツアーが実施されたので、このホテルの詳細をレポートする。
「デュシタニ」とはタイ語で「天国の街」という意味。日本ではややなじみが薄いかも知れないが、タイ発のホテルグループとして、タイならではのサービスと文化を色濃く反映させたホテルを世界展開している。グループのフラグシップホテルの「デュシタニ バンコク」は、タイのバンコクに旅行したことがあれば、たいてい目に入る、中心街に位置する日本人にも人気の高級ホテル。ほかにもタイ国内ではパタヤ、ホヒアン、プーケット、それ以外にもモルディブ、マニラ、ドバイ、チェンライ、カイロなど13のホテルを、アジアを中心にして運営している。今後中国を中心に新たに進出する予定が組まれている。
グアム観光地の中心に位置するビーチに面したラグジュアリーホテル
デュシタニ グアム リゾートは、グアム観光の中心地ともいえるタモン湾のビーチサイドに建ち、グアムで一番新しい最高層のラグジュアリーホテルとなる。総客室は419室あり、そのほとんどがオーションビュー。オーシャンビューの部屋やレストランなどからはタモン湾が一望できる。30階建てのホテルは島で最高層の高さを誇っている。
ホテルが面する道路の「Pale San Vitore Road」沿いには、「The Plazaショッピングセンター」をはじめ、向かいの「T Galleria by DFS, Guam」など、観光客向けの施設が多数並んでいて、グアム観光の拠点として絶好のロケーション。しかも最高層であるため、タモンエリアのどこからでもホテルを見失うことはない。
なお、タモンエリアは島の中央付近に位置していて、空港からも車で10分ほどとアクセス良好。グアムでの快適な滞在が約束されたロケーションといえるだろう。
デュシタニ グアム リゾートでは、アメリカのグアムでありながらタイの雰囲気もそこかしこで感じることができる。例えば、到着にスタッフが合掌して(ワイというポース)、「コップン・カ(クラップ)」という「ありがとう」という意味の挨拶で出迎えてくれる。スタッフとすれ違う際など頻繁に挨拶されるので、日本語や英語で気軽に挨拶を返しておこう。ちなみに「こんにちは」の意味の「サワディー・カ(クラップ)」と挨拶されるケースもある。また、到着や休憩時など要所で提供される冷えたおしぼりに付けられた香りや、レモングラス入りの飲料、ホテル内にあるスパ、客室内の装飾などでも感じることができる。
デュシタニのホテルでは、「温もりのあるサービス」「タイ料理」「タイ式スパの伝統」が堪能できることを特徴としている。実際にホテル内で、スタッフはとても朗らかで親しみやすく、タイ料理やタイ式マッサージやスパが好きな人はもちろんだが、タイ文化に親しみを感じているならその雰囲気を満喫できるはずだ。
また、デュシタニ グアム リゾートには、コンシェルジュを含め、日本語が話せるスタッフも常駐しているのがありがたい。英語で伝わりにくい複雑なことを頼んだりトラブル時の対応など、フロントなどで日本語が通じるスタッフを呼んでもらえる安心感がある。各種説明書やレストランやスパのメニューなどでも、ほぼ日本語が併記されていて、英語が得意でなくても安心して楽しめる。
青いビーチが眼前に広がるロビーラウンジと夜も美しいプール
空港から車でグランド階に到着後、エスカレーターでロビー階に向かう。ロビーはタモン湾向きにガラス張りになっていて、到着すると青いビーチが眼前に広がり圧倒される。
ロビー横にはロビーラウンジがあり、ビーチを見ながらドリンクで一服できる。ロビーラウンジには、くつろげる広いテラスがあり、窓からの景色だけでなく海風を受けてビーチの風景を満喫することもできる。このロビーラウンジ、夜には生演奏などもある25時まで営業の雰囲気のよいバーになる。
ロビーラウンジからも見えるが、1階部分にはプールが広がっている。水路を模した回遊型のプールでウォータースライダーもある。周囲にはくつろぐためのスペースも広く用意されている。プールは夜のライトアップも美しい。プール内にライトが散りばめられていて幻想的。夜は20時までプールを楽しめる。
モダンとアジアテイストが見事に融合した豪華な客室
今回宿泊したのは、「オーシャンフロント デラックスルーム」というタイプ。このタイプは43m2の客室で、13~23階に総客室数143室が用意され、ホテルの客室数ではもっとも多い。洗面からベッドルームまで広く繋がっていて、とても広く感じられる。必要に応じて間は分割して閉めることもできる。オーシャンビューの窓が大きくとられ、バルコニーに出て海風を感じることもできる。
ほかに、スイートルームの「オーシャンフロント エグゼクティブスイート」(105m2、総客室数12室)と「オーシャンビュー デラックス ジュニアスイート」(51m2、総客室数18室)の2タイプが公開された。
6つの多彩なレストラン
ここからは、レストラン施設と料理を紹介していく。レストラン施設は6つあり、そのうちロビーラウンジは前項で紹介済みなので、それ以外の5つを紹介しよう。
3階にあるのは、オールデイダイニングの「アクア」、イタリアンステーキハウスの「アルフレードズ」、タイレストラン「ソイ」。グランド階(1階)のプールに併設されている「タシ グリル」。同じ1階の入口近くにある24時間営業(ソフトオープン時は6時~23時)のデリカテッセン「デュシットグルメ」となる。
また、最上階の30階に位置する「クラブラウンジ」からは、タモン湾のパノラマビューを一望できる。こちらは、スイートやヴィラ、クラブルーム滞在者専用の施設になる。
オールデイダイニング「アクア」
ビュッフェスタイルのレストラン。朝(6時30分~10時30分)、昼(11時30分~14時30分)、夕(18時~22時)ともに営業している。タモン湾を一望できる3階に位置していて、広くとられた窓からはオーシャンビューを堪能しながら食事ができる。時間帯や日によりメニューは異なり、さまざまな国を意識したさまざまなメニューが用意される。本格的ではないが、日本食を意識したメニューも用意されていた。
クラブラウンジ
スイートなどクラブラウンジが利用可能な部屋に滞在中には、最上階の30階に位置するクラブラウンジを利用できる。ソフトドリンクであれば6時30分~23時の間いつでも利用可能。ブレックファスト(6時30分~10時)とティータイム(14時~16時)、カクテルタイム(17時~19時)の時間帯には、それぞれ飲食ができる。クラブラウンジにはミーティングスペースがあり、2時間まで無料で利用できる。
最上階からのタモン湾は眺めは格別なので、該当する部屋に滞在するならぜひ一度は訪れてみて欲しい。窓は下を見おろしやすいように工夫されている。29階マウンテンビュー側にフロア拡張工事をしていて、より広くなる予定。
タイレストラン「ソイ」
タイ系のデュシタニホテルには、本格的タイレストランが用意される。それが、3階にあるタイレストラン「ソイ」。グアムで美味しいタイ料理が食べられるのは珍しい。18時~22時のディナーのみ営業。
伝統的タイ料理をベースにして、モダンテイストなメニューに仕上げられている。辛さもほどほどに食べやすくアレンジされているので、タイ料理が初めてでも、ぜひチャレンジして見てほしい。
イタリアンステーキハウス「アルフレードズ」
上質なこだわりのオージービーフのステーキ、手打ちパスタ、アンティパストが食べられる。世界各国のワインも取りそろえている。グアムにステーキハウスは多いが、柔らかな上質なステーキがイタリアンと一緒に、コースで食べられるレストランはまずない。ぜひワインと一緒に楽しんでもらいたい。
店内はイタリアの雰囲気を忠実に再現した、落ち着いたイメージ。窓も大きくとられ、夕日に沈むビーチを眺めながらの会食が楽しめる。ランチ(11時30分~14時30分)とディナー(18時~22時)に営業。
プールサイドレストラン「タシ グリル」
「タシ グリル」は、1階のプールサイドにありプールやビーチからアクセスしやすい。夜はシーフードBBQ、昼はサンドイッチなどが楽しめる。10時~19時まで営業。カクテルなどアルコール類も多種揃えていて、ビーチサイドでのリラックスタイムにピッタリだ。
タイ式高級スパ「テワランスパ」
デュシタニ グアム リゾートでは、デュシットの高級スパブランド「テワランスパ(Devarana Spa)」が利用できることも特徴だ。「テワラン」はタイ語で「天国の庭園」を意味する。モダンなタイ様式で統一されたプライベートスパルームを10室用意。グアムでは唯一となるタイ風ハイドロサーマルセラピー(水治療法)を堪能できる。
スパのメニューは、とても充実している。日本語で詳しく解説されたカタログが用意されているので、受付でゆっくり吟味できる。カタログでお勧めとされていたのは、「The Hevenry Nantha Garden Experience(2時間半)」と「The Harmony of Tad Si - the Traditional Thai Medicine(2時間)」。前者はアーユルベータの指圧とタイ式の強めの「テワランマッサージ」を合わせていて、後者は伝統的なタイマッサージで血液やリンパの流れをよくして気の流れを整える。またカップルで1室を使い、複数日に渡って受ける「Couple Hideway」も用意されている。
また、スパとは別にフィットネスクラブが22~23階に用意されていて、宿泊者は24時間利用できる。
ボールルーム「グアム コンベンション センター」
「グアム コンベンション センター」とネーミングされたボールルーム(宴会場)も充実させている。名前は公的なイメージがあるが、あくまでもデュシタニ内の施設。完成まで最終点検を残すのみの状態で、最大規模となる「グランドボールルーム」が公開された。1169m2あり、バンケットで950名、カクテルパーティなら2000名が収容可能な広さ。ほかにも、「ロイヤルボールルームA、B」や「サロン1、2」など、全体で9つのスペースがある。
これまでグアムにあった宴会場のほぼ2倍となり、多人数の宴会誘致が可能になる。すでに日本の企業での使用も決まっているとのことだ。
デュシタニ グアム リゾートでグアム旅行が変わる
ツアー中にはセミナーが開催され、関係者によるプレゼンテーションが行なわれた。
デュシタニ グアム リゾート 総支配人 ディーン・ハンツマン氏から、「デュシタニ グアムリゾートは、本当の意味でのラグジュアリーホテルとしてオープンしました。グアムはよりラグジュアリーな方向に進んでいて、デュシタニ グアムリゾートのレストランではファインダイニングも提供できています。デュシタニがほかのホテルと違う点は、伝統と格式のあるタイのサービスです。単純にタイをそのまま持ってくるのではなく、タイの暖かなサービスとセンスをお客様に感じていただく、という部分で差別化を図っています」と、挨拶と説明があった。
続いて、今回の報道向けのツアーを共催したユナイテッド航空会社 アジア・太平洋地区 広報統括本部長 永田浩二氏から「ユナイテッド航空は2010年にコンチネンタル航空との対等合併により誕生し、スターアライアンスの創設メンバーでもあります。スターアライアンスメンバーのANAとは、太平洋路線においてジョイントベンチャーを実施しています。日本からグアムへは、成田(毎日3便)、名古屋と関空(毎日2便)、福岡(毎日)、札幌/新千歳と仙台(週2便)の6都市から直行便を週に約60便運航しています。離れた場所に住む家族や友人とグアム現地で集合~解散ができるメリットがあります。新型で各席にパーソナルモニターが付いたボーイング 737-800型機を順次導入中です。グアム路線においては、現在全路線においてビジネスクラスの設定があり、空港に着いてから出るまでワンランク上のサービスが提供されます。料金は時期と旅行会社によって変わりますが、エコノミーのパッケージツアーに追加で往復で4~5万円でラグジュアリーな旅ができます。エコノミーもエコノミープラスという、足下が最大12cm広い座席もあります。マイレージのプレミア会員は無料で、一般でも若干の追加料金で設定できます。また、成田~グアム路線の777機では、スマホのUnitedアプリで、映画やビデオをオンデマンドで楽しめる無料サービスを行なっています。グアムなら3日など、短い期間でも十分に楽しめます。ぜひユナイテッドのビジネスクラスでユッタリした旅を楽しんでいただきたい」とユナイテッド航空での日本~グアム路線の解説があった。
グアム政府観光局 理事会 会長 マーク・バルディガ氏からは、「2020年に200万人の渡航者を誘致できるように目標を掲げています。新しいバス停を作ったり、ビーチを含めて、セキュリティオフィサーを配置し、より安全になるように努力しています。もっとも重要なのは5つ星クラスのラグジュアリーホテルの存在です。デュシタニ グアムリゾートのオープンは、このことにとても寄与しています。現在日本からの旅行者は為替の関係で少し減ってきていますが、富裕層の旅行者はそれほど為替の影響は受けないと考えています。また、日本や韓国のバケーション時期以外に、企業の研修や会議、見本市の誘致に積極的に取り組んでいます。デュシタニのコンベンションセンターがオープンしますので、これらにも大きく寄与するはずです」と、グアム政府観光局としての取り組みやビジョンの解説があった。
さらに、ワールドブライダル 取締役 園田春樹氏から「ワールドブライダルは創立20周年になり、これまでグアム、ハワイ、バリ島、ヨーロッパなど10カ国で4万組のウェディングをプロデュースしてきました。デュシタニ グアム リゾートとアウトリガー グアムの間に、新たなチャペルを2016年10月にオープンさせる予定にしています。立地的に繁華街に近く、かつビーチにも出やすい場所です。これは、ワールドブライダルのフラッグシップチャペルになり、『パール・オン・ザ・ビーチ』という、パールがちりばめられた新しいコンセプトのチャペルです。2階で挙式、1階にはゲストのウエイティングルームと挙式後撮影ができるフォトスタジオが用意されます。ラグジュアリーでハイエンドなウエディングを提供予定です」と、新チャペルの発表があった。
最後にDFS ミッドパシフィック地区 T Galleria Guam セールスマネージャー 熱田一徳氏から、「T Galleria Guam by DFSは、デュシタニ グアム リゾートのちょうど真向かいにあります。2年前全面的にリノベーションしました。リノベーションは現在も続いています。1階部分には各旅行会社のラウンジがあるのですが、そこにユナイテッド航空のチェックインカウンターが2016年1月にオープンする予定です。空港以外の場所でチェックインができ、空港に向かう時間を少し短縮し買い物を楽しんでいただけるという利便性が高まります。ツアーラウンジのほうも19時まで営業していますので、夕方便到着でも翌日のオプショナルツアーの申し込みが可能です」とT Galleria Guam by DFSの紹介があった。とても大きなショッピング施設で、DFS限定商品なども多い。タモン地区での観光時には足を運んでみるとよいだろう。
デュシタニ グアム リゾートでの滞在は、いうまでもなく快適だった。特筆は、ベッドとリネンの心地よさ。ベッドに横たわると包まれるように感じ、いつの間にか眠りについてしまう。目が覚めて体が痛く感じることなどいっさいなく、いつもよりスッキリして目覚めることに驚く。
また、ホテルスタッフが常に朗らかで、気持ちよく応対してくれたのが印象に残った。日本語が通じやすく、各種案内に日本語が書かれていることも心強く感じるはずだ。
そして、ホテルの眼前に広がるビーチは常に穏やか。ツアー後半では、折しも発生した台風によって大きな波が遠くに見えていたが、遠浅の岩礁に守られてるおかげで浜辺が荒れることがなかった。日没や早朝の浜辺を歩くだけで、穏やかな気持ちにさせてくれる。
旅行プランはあまり詰め込み過ぎずになるべく時間をとって、南の島でユッタリとくつろぎ自分を解放しに来ることをお勧めしたい。3時間半ほどのフライトで来ることができる、南国の別世界。デュシタニ グアム リゾートで、時間の流れがゆっくり感じられることを、ぜひ自身で実感してみてほしい。