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JAL、空港サービス世界ナンバーワンを決める社内コンテストを開催(予選編)

国内外の空港5000名の中から選ばれた59名が12名に絞られる

2016年11月14~15日 開催

11月14日と15日の2日間にわたり「JAL 第5回 空港サービスのプロフェッショナルコンテスト」が開催された

 JAL(日本航空)は11月14日と15日の2日間にわたり、「JAL 第5回 空港サービスのプロフェッショナルコンテスト」を開催。5000名から選出された59名(国内空港48名、海外空港11名)が、JAL 第一テクニカルセンターで現場さながらのシチュエーションのなか、質の高いサービスを披露しあった。

「JAL 空港サービスのプロフェッショナルコンテスト」とは、常に新鮮な感動を得られるよう、高品質なヒューマンサービスの提供を目指して行なわれるコンテスト。利用客に寄り添いながら、JALフィロソフィの価値観として体現できる「安全とサービスのプロフェッショナル」を選出するとともに、審査結果をもとに毎年「プロフェッショナル No.1」を決定している。11月14日は59名のうち12名が、15日の本選へと進むための予選を競った。

コンテストの総合MCの江里口氏と福島氏が会場を盛り上げる

 コンテストでは「イレギュラーケースのアナウンス能力」「カウンターチェックインでの旅客対応能力」の2つを審査。お題は当日の直前、または開始してから判明するなど、現場での普段の行動や対応力が試される。

 会場では、軽快なMCで江里口氏と福島氏が出場者の緊張をほぐしながら本コンテストの概要を説明。空港サービスのプロフェッショナルコンテストはJAL従業員の憧れの場であり、ファイナルヘ進むとJALグランドスタッフの顔、そしてサービスアドバイザーとして日々、活躍することになる、といかに重要なコンテストかを解説してくれた。

空港企画部・部長の宍倉幸男氏が開会式で挨拶を行なった

 冒頭ではJAL 空港企画部の部長である宍倉幸雄氏が挨拶。「出産や結婚、里帰りをはじめ、嬉しいこと、そしてその逆。またビジネスなど幅広いお客さまが空港にはいらっしゃいます。対応の際に大事なことは基本的なことだけではなく、きちんと心の会話をすること。お客さまの表情や口調を敏感に感じ取り、最適な対応がとても大切です。言葉使い、表情に笑顔、そして語気をどう表現しているかが会話では重要。

 いろいろなシチュエーションがありますが、自分から行動をおこせるか、想像力もポイントです。自分を落ち着かせ、自然体でいられるようなお守り、心がけを持っているといいのではないでしょうか。私も手の平に心と文字を書いて胸に当てるんです。皆さんも何か自分を冷静にさせてくれる何かを持って挑んでみてください」と出場者へアドバイスをするとともに激励した。

アナウンス審査ではご当地色も。言葉の奥のおもてなしを表現

山形空港の太田早希氏

 いよいよ審査がスタート。まずは2分間の英語と日本語のアナウンス審査となる。AグループとBグループに分かれ、2会場での同時審査となる。筆者はAグループ(28名)に同行した。審査では早朝の空港のシチュエーションでチェックイン開始のアナウンスを行なう。

 トップバッターは山形空港の太田早希氏「とても緊張していますが、一生懸命頑張りたい」と挨拶。簡潔なアナウンスとはっきりとした聞きやすい言葉が好印象だった。

「皆さまおはようございます。日本航空よりご案内いたします。ご出発のお客さま、早朝からのご利用ありがとうございます。ただ今よりお手続きを開始いたします。1階日本航空のカウンターまでお越しください。今日もワンワールドアライアンスメンバー日本航空をご利用いただきましてありがとうございます」。

仙台空港の林真希氏

 続いては、仙台空港の林真希氏。「大変緊張しています」と話していたが、ゆっくりと周りを見回しながら言葉と紡いでいるのが印象的だった。空港名を入れ、いつものアナウンスに一言添える心遣いも見られた。

「仙台空港をご利用のお客さま、おはようございます。日本航空よりご案内いたします。ただ今よりお手続きを開始いたします。皆さまの今日の空の旅が素敵なものになりますよう、心を込めてお手伝いいたします。どうぞ2階の国内線日本航空カウンターまでお越しください。本日も早朝よりワンワールドアライアンスメンバー日本航空をご利用いただきましてありがとうございます」。

羽田空港の橋本まどか氏

 そして、羽田空港の橋本まどか氏。「笑顔で頑張りたいと思います!」と意気込みを語り、まさに笑顔がたっぷり溢れるアナウンスだった。アナウンスの最後に、空港での出会いを大切にしたいというしっかり思いも込められていた。

「皆さまおはようございます。日本航空よりご案内いたします。ご出発のお客さま、早朝からのご利用ありがとうございます。ただ今よりすべての便のお手続きを始めます。出発階3階チェックインカウンターにて皆さまをお待ちいたしております。今日も数ある航空会社のなかからワンワールドアライアンスメンバー日本航空をご利用くださいましてありがとうございます。日本航空は今日も皆さまお一人お一人の出会いを大切に、素敵な空の旅のお手伝いをいたします」

三沢空港からは菊池和奏氏が出場

 三沢空港からは菊池和奏氏が参加。「緊張しておりますが、そんな自分に負けないように頑張ります」と語った。必要なフレーズだけで簡潔な文章ながら、おもてなしの心が感じられる口調が聞いていて心地よいアナウンスだった。

「おはようございます。日本航空よりご案内いたします。ご出発のお客さま、早朝からのご利用ありがとうございます。ただ今より搭乗手続きを開始いたします。お客さま方、どうぞ搭乗カウンターまでお越しください。本日もワンワールドアライアンスメンバー日本航空をご利用くださいましてありがとうございます」。

グアム空港のラクサマナ・アイ氏

 グアム空港から参加のラクサマナ・アイ氏は「皆さまのサービススキルを学んでグラムにもって帰りたいと思っています」と話し、チャモロ語で「こんにちは!」「ようこそ!」の意味を持つ言葉を入れるなど個性豊かなアナウンスを披露した。

「ハッファディ! 皆さまこんにちは。日本航空成田行き942便をご利用のお客さま。ただ今よりご搭乗手続きを開始いたします。グアムの日差しのようにまぶしい笑顔で皆さまをお待ちしております。お手続きの際には素敵な思い出とともにパスポート並びにお預け手荷物をお持ちください。このたびはトリピカルアイランド・グラムへのご旅行にワンワールドアライアンスメンバー日本航空をお選びいただきありがとうございます」。

羽田空港の町野玲奈氏

 羽田空港の町野玲奈氏は「緊張で手は震えてしまうかもしれませんが声は震えません!」とプロとしての意気込みを語り、旬な話題を織り込み、豊かな表現力で個性的なアナウンスを行なった。

「おはようございます。日本航空の翼をお選びいただきましてありがとうございます。ただ今より出発便のお手続きを開始いたします。チェックインカウンターまでどうぞお越しください。日本航空は安全を最優先に日本のおもてなしを、皆さまの心を、世界の空へお届けします。日本航空が織りなす上質な空間をお楽しみください。

 また、本日は月が地球に最も近づくスーパームーンの日です。ご出発のお客さまはより月に近いところで、またお見送りの方も空を見上げ、月を近くに感じてみてはいかがでしょうか? 今日もワンワールドアライアンスメンバー日本航空をご利用くださいましてありがとうございます」。

成田国際空港の尾野彩佳氏

 成田国際空港の尾野彩佳氏は、「心を込めたアナウンスができるよう頑張ります」と語り、簡潔でハッキリとしたアナウンスを披露。聞きやすく、空港の喧騒のなかでもとても聞きやすいと感じられる口調だった。

「おはようございます。日本航空よりご案内いたします。ご出発のお客さま、朝早くからのご利用ありがとうございます。ただ今よりお手続きを開始いたします。日本航空チェックインカウンターまでお越しください。今日もワンワールドアライアンスメンバー日本航空をご利用くださいましてありがとうございます」。

中部国際空港の木村未有氏

 中部国際空港の木村未有氏。「普段通りの笑顔で精一杯頑張ります」と話、終始笑顔でアナウンス。比較的ゆっくりとした口調で、聞きやすいものだった。

「皆さまおはようございます。日本航空よりご案内いたします。ご出発のお客さま、早朝からのご利用ありがとうございます。ただ今より、国際線すべての便のご登場手続きを開始いたします。日本航空チェックインカウンターまでお越しください。今日もワンワールドアライアンスメンバー日本航空をご利用くださいましてありがとうございます」。

ボストン空港のカンジ・ラミ氏

 続いてはボストン空港のカンジ・ラミ氏。「おはようございます。日本にコンテストのために訪れることができて嬉しい」と参加の喜びを語った。短いながら必要なことを伝えつつゆっくりとわかりやすく日本語で発音していたのが印象的だった。

「日本航空よりご案内いたします。ただ今よりお手続きを開始します。Eカウンターまでお越しください。今日も日本航空をご利用いただき、ありがとうございます」。

小松空港の川辻昭子氏

 小松空港の川辻昭子氏は「お客さまが笑顔になるよう、私らしさを忘れずにアナウンスしたいと思います」と語り、柔らかな声でゆったりとアナウンスを行なった。

「皆さまおはようございます。日本航空からご案内いたします。ご出発のお客さま、早朝からのご利用ありがとうございます。ただ今からお手続きを開始いたします。日本航空カウンターまでお越しください。今日もワンワールドアライアンスメンバー日本航空をご利用くださいましてありがとうございます」。

ロサンゼルス空港の大迫京子氏

 ロサンゼルス空港の大迫京子氏は、そのキャラクターで会場を笑顔に。アナウンスもロサンゼルスの青空を思い浮かべるような内容と、何を聞いても答えてくれそうな安心感のある雰囲気だった。

「皆さま、おはようございます。すがすがしく晴れ渡るロサンゼルスへようこそお越しくださいました。日本航空よりご案内いたします。ただ今よりご登場手続きを開始いたします。お客さまは日本航空Aカウンターまでお越しください。スタッフ一同皆さまの快適なご旅行のお手伝いをさせていただきます。本日もワンワールドアライアンスメンバー日本航空をご利用くださいましてまことにありがとうございます」。

ヘルシンキ空港のコッコネン・カタリーナ氏

 ヘルシンキ空港からはコッコネン・カタリーナ氏が参加。「こんにちは、皆さんこんにちは。とても今日はワクワクしています!」とコメント。搭乗便名を入れながらゆっくりと言葉を確かめるようにアナウンス。英語ではフィンランド語の「キートス(ありがとう)」をいれるなどの工夫も。「こんにちは、日本航空よりご案内いたします。東京行き17時25分発日本航空414便ならびにフィンランド航空5811便はただ今より搭乗を開始いたします。本日もワンワールドアライアンスメンバー日本航空をご利用くださいましてまことにありがとうございます」。

成田国際空港の佐藤綾氏

 続いては成田国際空港の佐藤綾氏。「せっかく頂いた機会なので精一杯楽しみます」と緊張を楽しみに変える強さもみせた。アナウンスは落ち着いた雰囲気で丁寧に一言一言発音、とても聞きやすく明るさも含んでいた。

「おはようございます。日本航空よりご案内いたします。ご出発のお客さま、朝早くからありがとうございます。ただ今よりお手続きを開始いたします。日本航空チェックインカウンターまでお越しください。今日もワンワールドアライアンスメンバー日本航空をご利用くださいましてまことにありがとうございます」。

花巻空港の留目美帆氏

 岩手の花巻空港の留目美帆氏。「とても緊張していますが、精一杯頑張ります」と話し、笑顔でアナウンスをスタート。メモを時折見ながらもしっかりとした口調でご案内した。

「おはようございます。日本航空からご案内いたします。早朝からのご利用まことにありがとうございます。ただ今よりご登場手続きを開始いたします。日本航空カウンターまでお越しください。今日もワンワールドアライアンスメンバー日本航空をご利用くださいましてまことにありがとうございます」。

デリー空港からはアシマ・マリ氏

 デリー空港からはアシマ・マリ氏が搭乗。「ナマステ! インドから来ました。どうぞよろしくお願いいたします!」と日本語で挨拶。言葉を確かめながら、そして周囲を見ながらゆっくりとアナウンスしていた。

「おはようございます。日本航空からご案内いたします。ご出発のお客さまご利用ありがとうございます。ただ今よりお手続きを開始いたします。チェックインカウンターまでお越しください。本日もワンワールドアライアンスメンバー日本航空をご利用くださいましてありがとうございます」。

成田国際空港の平坂彩氏

 成田国際空港の平坂彩氏は「私の大好きな朝一番の空港を思い浮かべていつもどおりにしたいと思います」とコメント。アナウンスはシンプルで聞きやすく、さわやかな聞き心地。また、終始笑顔だったのも素晴らしかった。

「おはようございます。日本航空よりご案内いたします。ご出発のお客さま、朝早くからのご利用ありがとうございます。ただ今より搭乗手続きを承ります。どうぞ日本航空チェックインカウンターまでお越しください。今日もワンワールドアライアンスメンバー日本航空をご利用くださいましてありがとうございます」。

金浦空港より金健東が参加

 金浦空港からは金健東が参加。「コンテストで皆さまにお目にかかれたことを大変嬉しく思います」と挨拶。アナウンスは終始丁寧で、カウンターでいろいろ相談できると思わせてくれる柔らかさを持った内容だった。

「皆さまおはようございます。日本航空よりご案内いたします。ただ今より東京羽田行きの手続きを承ります。当機ご利用のお客さまは、どうぞ日本航空チェックインカウンターの方までお越しください。また搭乗手続きの際にご希望やご不明な点がございましたら、どうぞご遠慮なく係員にお知らせください。本日もワンワールドアライアンスメンバー日本航空をご利用くださいましてありがとうございます」。

マニラ空港のパスクアル・ロウェナ・アン氏

 マニラ空港からはパスクアル・ロウェナ・アン氏。「こんにちは。マニラから参りました。どうぞよろしくお願いします」と挨拶。朗らかで勢いのあるアナウンスとはっきりした口調でとても聞きやすい内容だった。声にワクワクするような要素を感じ、朝一で聞くと元気がもらえそうな印象。

「おはようございます。日本航空よりご案内いたします。ご出発のお客さま、早朝からのご利用ありがとうございます。ただ今よりお手続きを開始いたします。カウンターまでお越しください。今日もワンワールドアライアンスメンバー日本航空をご利用くださいましてありがとうございます」。

中部国際空港の森口文菜氏

 中部国際空港の森口文菜氏は「一人一人の心に届くようしっかりと気持ちを込めてアナウンスさせていただきます」と挨拶。具体的な手続き場所を伝え、どこにいけばいいのかも入れるなど利用者目線に立った内容だった。

「皆さま、おはようございます。日本航空よりご案内いたします。ご出発のお客さま、早朝からのご利用まことにありがとうございます。ただ今より日本航空国際線、全便のお手続きを開始いたします。3階、Hカウンターまでお越しください。今日もワンワールドアライアンスメンバー日本航空をご利用くださいましてありがとうございます」。

天津空港からは趙新明氏が出場

 天津空港からは趙新明氏が参加。「皆さまこんにちは。今凄く緊張しておりますが、笑顔で精一杯頑張りたいと思います」と話した。カウンターの場所なども詳細に入れた内容で利用者が聞いただけで分かる内容だった。

「おはようございます。日本航空よりご案内いたします。ご出発のお客さま、早朝よりのご利用ありがとうございます。ただ今よりお手続きを開始いたします。11番カウンターから20番カウンターまでお越しください。ご不明な点などがございましたら、日本航空係員までお気軽にお知らせください。本日もワンワールドアライアンスメンバー日本航空をご利用くださいましてありがとうございます」。

台湾桃園空港からは徐珮玹氏

 台湾桃園空港からは徐珮玹氏が登場。「今日この場に来ることができてとても嬉しいです」とコメント。少し早めの流暢な日本語でハキハキとシンプルな内容で伝えた。

「日本航空よりご案内いたします。出発のお客さま、早朝から日本航空をご利用いただきましてまことにありがとうございます。ただ今よりご登場手続きを開始いたします。本日もワンワールドアライアンスメンバー日本航空をご利用くださいましてありがとうございます」。

秋田空港の小倉見朋子氏

 秋田空港の小倉見朋子氏は「秋田空港は霧が出ており、心配でしたがこの場に来れてうれしい」と話し、アナウンスのも秋田ならではの寒さへの気遣いの一言を入れていた。

「おはようございます。日本航空よりご案内いたします。本日もお寒い中、早朝からのご利用ありがとうございます。ただ今よりご登場手続きを開始いたします。1階日本航空のカウンターまでお越しください。本日もワンワールドアライアンスメンバー日本航空をご利用くださいましてありがとうございます」。

北京空港の魯瑩氏

 北京空港の魯瑩氏は「今回は、緊張を忘れて北京ならではのアナウンスを発表したいと思います」と話、優しさが滲むアナウンスで安心できるものだった。また、保安検査場などが時間がかかることも情報として入れていた。

「おはようございます。日本航空より東京成田空港行きのお客さまにご案内いたします。朝早くからご利用いただきまことにありがとうございます。ただ今よりお手続きを開始いたします。C9番からC16番カウンターにお越しください。

 なお出国審査場、ならびに保安検査場の混雑によりご搭乗口までに1時間ほどかかる場合がございます。手続き終了後お早めにご搭乗口へお進みください。皆さまのご協力をお願いいたします。本日もワンワールドアライアンスメンバー日本航空をご利用くださいましてありがとうございます」。

デリー空港から参加したアルティ・カッカール氏

 デリー空港2人目はアルティ・カッカール氏は「ナマステ! インドからきました。よろしくお願いします!」とまぶしい笑顔で挨拶。日本語の内容はシンプルで簡潔、英語では便名のJL740便も入れるなど違いも出ていた。ともに明るさがただよう気持ちのよいアナウンスだった。

「おはようございます。日本航空よりご案内いたします。ご出発のご利用のお客さまありがとうございます。ただ今よりお手続きを開始いたします。Kカウンターまでお越しください。本日もワンワールドアライアンスメンバー日本航空をご利用くださいましてありがとうございます」。

羽田空港からは陳野はるか氏が出場

 羽田空港2人目は陳野はるか氏。「今日はあいにくの空模様ですが、一人一人の心に虹がかかるようなアナウンスができたらと思っております」とコメント。カウンターの番号や、係員への問い合わせについて、季節の移り変わりなどを入れた豊富な内容だった。

「おはようございます。日本航空よりご案内いたします。日に日に晩の寒さが厳しい季節となりました。皆さま朝早くからのご利用ありがとうございます。ただ今よりお手続きを開始いたします。手荷物をお預けのお客さまは24番、または26番カウンターへ。航空券をご購入のお客さまは30番カウンターへお越しください。

 ご不明点やご心配なことがございましたら、お近くの日本航空係員までお知らせください。今日もワンワールドアライアンスメンバー日本航空をご利用くださいましてありがとうございます」。

新潟空港からは平野広氏

 新潟空港からは平野広氏。「かなり緊張していますが、普段通りにできるように頑張ります」と笑顔でコメント。具体的な空港名を冒頭に入れ、カウンターの場所や係員への案内なども入っていた。ふわりとした柔らかさのある声質で気持ちのよい時間が過ごせた。

「新潟空港にお越しの皆さまおはようございます。日本航空よりご案内いたします。ご出発のお客さま、朝早くからのご利用ありがとうございます。ただ今よりお手続きを開始いたします。1階日本航空のカウンターまでお越しください。なお、ご不明な点がございましたらお気軽にお近くの日本航空係員までお声がけください。今日もワンワールドアライアンスメンバー日本航空をお選びいただきありがとうございます」。

羽田空港より水野志保氏も出場

 羽田空港3人目は水野志保氏。「心を込めて、普段通りの笑顔でアナウンスいたします」と挨拶。2020年の東京オリンピック、パラリンピックについての言及などオフィシャルエアラインパートナーならではの内容だった。

「おはようございます。日本航空よりお知らせいたします。ご出発の皆さま、世界の玄関羽田空港へようそこお越しいただきました。ただ今より3階チェックインカウンターにて、お手続きを開始いたします。皆さまを上質な空の旅へとご案内いたします。

 日本航空は2020年の東京オリンピック、パラリンピック競技大会のオフィシャルパートナーとして、皆さまと心を一つに、そして皆さまの思いを乗せて世界に羽ばたきます。JALのチャレンジです。今日もワンワールドアライアンスメンバー日本航空をご利用くださいましてありがとうございます」。

青森空港の池内和歌子氏

 Aグループのラストは青森空港の池内和歌子氏。「一生懸命頑張ります」と挨拶。はっきりした口調で必要なことのみのシンプル構成。

「おはようございます。日本航空よりご案内いたします。ご出発のお客さま、早朝からのご利用ありがとうございます。ただ今よりお手続きを開始いたします。日本航空カウンターまでお越しください。今日もワンワールドアライアンスメンバー日本航空をお選びいただきありがとうございます」。

 シンプルな定型文型から、プラスアルファで旬な出来事や季節についてなどを盛り込んだアナウンスまでさまざまな内容が披露されたアナウンス審査。同じ言葉や内容でも人柄がにじみ出ており、すべて異なっていた。必要なことを盛り込み、聞いただけで利用者がどこに行けばいいのかが分かるのがやはり大事であり、伝えるとはどういうことかを改めて意識させられた。

 ご当地色も色濃く反映され、さまざまな空港のアナウンスを一度に聞くでき、それぞれの空港のおもてなしの心も感じ取れた。1日の始まりを告げる大事な朝のアナウンス、次回から空港でもじっくり耳を傾けてみたいと思わせてくれる貴重な時間だった。

毎日の業務の現場を再現。チェックインカウンター審査

AからFのカウンターにそれぞれ1回6名ずつ、10グループに分けて一斉に審査を行なう

 続いては「チェックインカウンター審査」。審査の前にアナウンスメントポリシーを会場にいる全員で再確認する場面も。情報を伝える意識、知りたいタイミングで提供、感謝やお詫びの気持ちを素直に伝えること。そして、正しさ、優しさ、分かりやすさを心がけることを会場にいる全員で再確認。その後「チェックインカウンター審査」がスタートした。

 審査の流れは、チェックインロールプレイングを行ない、毎日の業務と同じ状態でサービススキルを披露。参加者59名を6グループ10名ずつに分け、AからDが国内空港、E、Fが海外空港の6カ所のカウンターで一斉に審査を行なう。各回一人5分間。

国内空港の設定

1.出張に出発のビジネスパーソン(男性/女性)
2.マイレージの有効期限が迫っている。休暇の旅行で特典空港券を取りたいが空席がない
3.受託荷物にリチウムイオンバッテリが入っている

海外空港の利用客の設定

1.妊娠7カ月の女性
2.非常口付近の広めの座席を希望
3.32kgの手荷物を持っている

 以上の利用客の設定のなか、適切に案内できるかを評価する。審査が始まると6カ所のチェックインカウンターには1名の出場者に対し、教官3名が対応力をチェック。利用者役も含めて合計5人、6カウンターで約30名が集合。会場は実際の空港さながらの雰囲気に包まれた。

教官3名が審査を行なうなかで、それぞれが対応を行なう
出場者が各カウンター6名ずつ入場。応援をする大勢のオーディエンスに見守られながら審査がスタート

 国内空港のカウンターでは利用客をカウンター外へ迎えに行き、荷物を預かることから始まり、機内持ち込みができない品物をチェック。持ち込み不可のバッテリを取り出してもらう際には、目線を会わせてかがんだりと対応はさまざま。持ち込めない理由をしっかり伝えることで気持ちよく納得してもらっていた。

 また、ざわざわとするなかでご案内内容をきちんと伝えるために、チケットに手を添えて説明し、聞きやすい口調と豊かな表情で気持ちよく話している姿もあちらこちらで見ることができた。

 特典航空券に関してもマイルがポイントに変えられることや、頻繁にWebサイトをチェックすることで空席が見つけられることがあることを案内。大事に使っているカバンを預ける際に袋をかけるかどうかなども丁寧に聞いていた。

会話を通じて受託荷物の中に持ち込みができないものがないかを確認
バッテリが中にあることが判明。取り出してもらう際に同じ目線になる場面も
騒がしいカウンター前でも、きちんと相手に伝わるように近くで手をチケットに添えて説明するなどの配慮があちこちで見られた
出場者が笑顔で業務を行なう姿も各カウンターで見ることができた

 海外空港のカウンターでも、非常口付近の席がなぜ妊娠中の方にご案内ができないのかを明確にし、きちんとお断りをして、代替案を提案する姿も印象的だった。また。話をするなかで自然と「おめでとうございます!」などの一言も添えることができており、気持ちのよい対応も。目を見ながら利用客の話に真剣に耳を傾ける姿もあちこちで見られた。

目を見て相手の要望を真剣に聞く姿も
非常口近くの席を希望の利用者に、緊急時に手伝ってもらうことがあるためご案内が妊娠中だと難しいことを伝え、代替案も提案。教官の厳しい目も光る
笑顔で利用者と会話。搭乗の際のお手伝いや、何か心配ごとがあればご相談くださいとの一言も添えていた
審査後は利用客役の意見も交えつつ評価

 カウンターでのやり取りをはじめ、利用者一人一人の要望に合った対応を各出場者が行なっているのが印象的だった。笑顔で搭乗できるように、一言を添えたり、心配事があればすぐに係員に、と常に利用客に寄り添っているとも実感。また緊張する場面でも常に笑顔を心がけて、分かりやすく丁寧に説明し相手の理解を押し進める対応が見事だった。たった5分間だが、いろいろなドラマが生まれていた。

保安検査も搭乗時も乗ったままで。負担軽減の新車いすをお披露目

 すべての審査が終了し結果を待っている間に、JALが今後取り組む新しいサービスについてのお披露目もされた。キョウワアグメントと共同で木製の車いすを開発。2017年の早い時期より導入する予定とのこと。ネジも木製で、左右の肘掛け部分を取り外すことで機内の通路サイズになり、乗り換えをすることなく搭乗ができる。

 通常の車いす利用者は、保安検査場で車いすが金属探知器に反応してしまうため接触による検査が必要だった。しかし新開発のものだとそのまま利用が可能。負担の軽減が期待されている。日本航空カラーの車いすはサイズは小さく見えるが、実際に利用してみるとゆったり。乗り心地も安定しており、しっかり。また、触り心地も金属に比べると温かく、柔らかな雰囲気を持ち親しみやすいデザインのよさも魅力的だ。今後の導入に期待が高まる。

お披露目された木製の車いす。JALのカラーリングで積み木のようなほっこりした色合い
背面のワンタッチロックを外すと肘掛けが取り外せる

ファイナル出場の12名が決定

 空港オペレーション教育訓練部・部長の上原博信氏が結果を発表した。ファイナリストは合計12名。

海外空港部門

北京空港・魯瑩氏
天津空港・趙新明氏
金浦空港・金健東氏

国内空港部門

福岡空港・野村翼氏
函館空港・櫻岡優梨恵氏
羽田空港・陳野はるか氏
羽田空港・町野玲奈氏
高知空港・岡村美音氏
羽田空港・水野志保氏
成田国際空港・佐藤綾氏
関西国際空港・永井麻衣子氏
成田国際空港・平坂彩氏

空港オペレーション教育訓練部・部長の上原博信氏

 発表後は上原氏が挨拶した。「今回は大きく国内と海外の2つに分かれての審査となりました。国内部門のアナウンスは、基本はルールに従っているか。そしてイントネーション、言葉遣いや声の大きさなどありますが、最も大事なのが“笑声(えごえ)”。

 声でお客さまに伝わるかどうかが大事な部分。各空港がアナウンスにストーリーを入れていたのが印象的でした。毎日聞く方も、たまに聞く方も“いつもとは違う”という感覚を持ってもらうための自分の持っているアイデアを盛り込んだアナウンスが聞けたのが印象的でした。

 カウンターチェック審査は、お客さまの心を汲み取ろうとする心が表われるかどうかを問題で設定し、評価。寄り添う気持ちのサービスを今回一生懸命説明するかどうかの部分はよくできたと思います。

 マイレージや国内移動についても日本航空のサービスとは何かを学び、発揮してほしいと盛り込んだので、ぜひ現場でも活かしてほしいです」と総評を述べた。海外部門に関しても日本語でのアナウンスの難しさに、ベストを尽くしてくれたと評価、今後もサービスのレベルを英語と同じように日本語の場合も上げてほしいと希望を語った。

ファイナル出場者の12名の名前が呼ばれ、会場の応援席から歓喜の声が響き渡った

 結果発表のあとは全員で記念撮影。空港サービスの世界No.1を目指し、全員で“No.1”のポーズで撮影。翌日へのファイナルへの期待が高まった状態で予選のすべてのプログラムが終了。

 空港利用の際は、急いでいるとアナウンスをよく聞いていなかったり、スタッフとじっくり会話をしたりすることがないかもしれないが、実は交わす言葉の一つ一つにさまざまな思いが込められているということを実感できるコンテストだった。次回は翌日15日に開催された本選の様子をお届けする。

ナンバー1のポーズで出場者と関係者が記念撮影