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JAL、成田事業所で接客ナンバー1を決定する「N-1グランプリ 2017」開催

アナウンスとロールプレイで、日頃の成果の発揮とサービスのさらなる向上を目指す

2017年10月4日 実施

JAL、成田事業所で接客ナンバー1を決定する「N-1グランプリ 2017」開催 「N-1グランプリ 2017」に出場したJAL成田地区旅客サービス部門の9名
「N-1グランプリ 2017」に出場したJAL成田地区旅客サービス部門の9名

 JAL(日本航空)グループのJALスカイは10月4日、今回が5回目の開催となる「N-1グランプリ 2017」を実施。「N-1グランプリ」とは、日々ヒューマンサービスの向上に取り組む同社が成田事業所内旅客サービス部門のスタッフを対象に実施する接客コンテストで、N-1は「成田ナンバー1」を意味している。

 前身の「アナウンスコンテスト」から続く同社の伝統行事であり、上位入賞の3名は2018年1月22日から23日にかけて実施する空港本部主催で国内外各空港の代表者が参加する「第6回空港サービスのプロフェッショナルコンテスト」の出場権を得ることができる。審査は、アナウンスとロールプレイの2項目。「お客さまに寄り添い、JALフィロソフィを価値観として体現する“安全とサービスのプロフェッショナル”」を選出する。

 開会式では成田事業所 事業所長の石橋正二郎氏が挨拶。「出場する9名の基本のスキルや手順の差はほぼないと思います。ではどこを審査するのか、ですが、やはりそれは“心”。お客さまの役に立ちたい気持ちや感謝の気持ちをいかに表現できるか、実行に移せるかが決め手になると思います。心のままに動けば、きっと自分らしさも出ます。審査員も応援していますので、伸び伸びと平常心で、普段どおりの姿を見せてください」と出場者を激励した。なお、同氏が「第1回アナウンスコンテスト」で司会を担当した話も披露。毎年司会者はその年にちなんだ衣装で登場するが、2017年は9月1日の成田~メルボルン線開設と9月15日の成田~コナ線直行便就航を祝い、コアラと南の島の王をイメージした姿となっていた。

JAL、成田事業所で接客ナンバー1を決定する「N-1グランプリ 2017」開催 株式会社JALスカイ 成田事業所 事業所長の石橋正二郎氏が大会のスタートを宣言
株式会社JALスカイ 成田事業所 事業所長の石橋正二郎氏が大会のスタートを宣言
JAL、成田事業所で接客ナンバー1を決定する「N-1グランプリ 2017」開催 緊張した面持ちで開会式に臨む選抜者9名
緊張した面持ちで開会式に臨む選抜者9名
JAL、成田事業所で接客ナンバー1を決定する「N-1グランプリ 2017」開催 司会者はコアラと南の島の王をイメージ
司会者はコアラと南の島の王をイメージ

チェックインカウンターオープン時を再現。朝一のカウンター業務で対応力を披露

 開会式が終わるといよいよ審査がスタート。アナウンス審査とロールプレイ審査を約10分間で続けて行なう。アナウンス審査の設定は成田国際空港7時のチェックインカウンターオープン時をイメージ。JALブランドを感じさせるアナウンスを日本語・英語合わせて1分以内で自由に作成する。

 利用者との密接なタッチポイントであるアナウンスは、企業イメージに直結する要素であるため、基本要素である「正しさ」「優しさ」「分かりやすさ」をしっかりと踏まえたうえで作成し、伝えることが重要となってくる。

 アナウンスのあとはカウンターのロールプレイへ。出場者には事前にどのような利用者が訪れるかは知らされておらず、その場の対応力が試される。利用者は5名おり設定は以下のとおり。演じたのはJALスカイ オペレーション部門の社員たちだ。

1組目:出張へ向かうビジネスマン(JL725便、ジャカルタ行き)。ビジネスクラス利用。手荷物のみ。主に日本語。
2組目:娘の名前で予約した航空券を所持した利用者(JL770便、コナ行き)。故郷に帰省予定で楽しみにしている。主に英語。
3組目:保安検査場で規定外の液体物(容器が大きく残り少ない歯磨きペースト)を所持していたため戻って来た利用者(JL773便、メルボルン行き)。主に日本語。
4組目:耳が不自由な利用者(JL413便、ヘルシンキ行き)。誕生日に休みを使って友人に会いに行く。旅慣れており、口の動きで会話ができる。主に日本語。

 トップバッターは、空港オペレーション第1部プレミアムグループの前木涼氏。「とても緊張していますが、自分らしさが出せるように笑顔で頑張ります」とコメントし、審査がスタートした。

JAL、成田事業所で接客ナンバー1を決定する「N-1グランプリ 2017」開催 空港オペレーション第1部プレミアムグループの前木涼氏
空港オペレーション第1部プレミアムグループの前木涼氏

 アナウンスは以下のとおり。

「皆さまおはようございます。日本航空よりご案内いたします。今日は朝早くからお越しいただきありがとうございます。ただ今よりすべての便のお手続きを承りますので日本航空チェックインカウンターにてお待ちしております。今日も、ワンワールドアライアンスメンバー、日本航空をお選びいただきまして、ありがとうございます」。

 聞き取りやすい絶妙なスピードで、定型アナウンスを若干アレンジしたシンプルなアナウンスが好印象。続いて、ロールプレイ審査へ。

 1組目の利用者に「朝早くにお越しいただきありがとうございます」と挨拶し、笑顔で対応。ジャカルタ滞在がビジネス、しかも短期間で忙しいと分かると「機内とラウンジでごゆっくりおくつろぎください」と心配りも。

 2組目の利用者では、娘の名前が航空券に印字されていることに気付き、新たにチケットを取り直してもらいたい旨を説明。電話をして確認するという利用者へバッグを一旦返却。4組目が急いでおり割り込みを突然するというハプニングも発生。4組目が3組目の利用者にぶつかってしまったため「おケガはありませんか?」などの声かけも即座にしつつ、4組目に対してもヒアリングをして落ち着かせるなどの迅速な対応が光っていた。

JAL、成田事業所で接客ナンバー1を決定する「N-1グランプリ 2017」開催 常に笑顔で対応。利用客の要望をくみ取る姿が印象的だった
常に笑顔で対応。利用客の要望をくみ取る姿が印象的だった
JAL、成田事業所で接客ナンバー1を決定する「N-1グランプリ 2017」開催 航空券が娘の名前になっていた利用者に対しても落ち着いた口調で安心感があった
航空券が娘の名前になっていた利用者に対しても落ち着いた口調で安心感があった

 2番手は空港オペレーション第2部プレミアムグループの近美璃氏。「たくさんの方々からの応援とサポートに応えられるよう笑顔を大切に頑張ります」と意気込みを語った。

JAL、成田事業所で接客ナンバー1を決定する「N-1グランプリ 2017」開催 空港オペレーション第2部プレミアムグループの近美璃氏
空港オペレーション第2部プレミアムグループの近美璃氏

 アナウンスは以下のとおり。

「おはようございます。日本航空よりご案内いたします。ただ今よりお手続きを開始いたします。どうぞ日本航空チェックインカウンターにお越しください。10月に入りだんだんと過ごしやすく、秋めいてまいりました。美しい澄んだ秋の空の旅をお楽しみください。今日も、ワンワールドアライアンスメンバー、日本航空をご利用くださいまして、まことにありがとうございます」。

 日本の季節の変わり目をアナウンスで感じさせる爽やかな内容。比較的ゆっくりで柔らかな雰囲気が会場に漂っていた。

 ロールプレイ審査の1組目では相手に寄り添いながらもスムーズな手続きを行ないつつ、利用客が去る際も最後まで目線を送っていたのが印象的だった。2組目では、コナ線利用者に家族で昨年訪れてマウナ・ケアで感動した話などで大盛り上がり。3組目はジェスチャーや座席図を一緒に見て確認。4組目の割り込みに対しては、適切な案内が最初にできなかったこととに謝罪し、カウンターに戻って来たことに対しても感謝を示すなど全体的に丁寧さと親しみやすさが際立っていた。

JAL、成田事業所で接客ナンバー1を決定する「N-1グランプリ 2017」開催 利用者が見やすいよう、より近くで説明するなども
利用者が見やすいよう、より近くで説明するなども
JAL、成田事業所で接客ナンバー1を決定する「N-1グランプリ 2017」開催 カウンターから少し出て、コミュニケーションしやすい体制を整えていた
カウンターから少し出て、コミュニケーションしやすい体制を整えていた

 3番手は、空港オペレーション第2部チェックイングループの鉾田あずさ氏。「大変緊張しておりますが、いつもどおり楽しく接客ができればいいなと思っております」と挨拶。

JAL、成田事業所で接客ナンバー1を決定する「N-1グランプリ 2017」開催 空港オペレーション第2部チェックイングループの鉾田あずさ氏
空港オペレーション第2部チェックイングループの鉾田あずさ氏

 アナウンスは以下のとおり。

「おはようございます。日本航空よりご案内いたします。本日は大切なお仕事、ご旅行のおり、日本航空をお選びくださいましてありがとうございます。ご出発のお客さまはどうぞチェックインカウンターまでお越しください。係員一同心よりお待ちしております。今日も、ワンワールドアライアンスメンバー、日本航空をご利用いただきまして、ありがとうございます」。

 非常にハキハキした口調で朝から元気が出るようなアナウンス。気持ちよくカウンターへ向かい出発できそうな空気を一瞬で生んでいた。

 ロールプレイ審査では、「おはようございます。大変長らくお待たせいたしました」と並んでいる利用者全員へまずは挨拶。1組目へは機内でも仕事をするという話を聞き、作業がしやすい席を提案し、図で場所を説明。あまり自己主張をしないタイプの利用者からの要望をうまく引き出していた。2組目は壊れ物がないかなどはタグを見せつつ確認。3組目には、相手が口元を見て会話ができるようにゆっくり、はっきりと発音も。機内でのお手伝いの有無なども確認。4組目では、大きめの容器で残りが少ない歯磨き粉所持のため保安検査場から戻って来た男性に対し、ダンボールなども用意できますと提案するなども。言葉とともに表情豊かに対応を全員に行なっていた。

JAL、成田事業所で接客ナンバー1を決定する「N-1グランプリ 2017」開催 これからジャカルタへ向かうビジネスマンには笑顔で仕事へと送り出していた
これからジャカルタへ向かうビジネスマンには笑顔で仕事へと送り出していた
JAL、成田事業所で接客ナンバー1を決定する「N-1グランプリ 2017」開催 歯磨き粉により保安検査場から戻って来た利用者には表情でも謝罪の気持ちを表現
歯磨き粉により保安検査場から戻って来た利用者には表情でも謝罪の気持ちを表現

 4番手は空港オペレーション第3部チェックイングループの甲良直美ジェニファー氏。コメントでは「仲間から学んだ知識と経験を活かして、成長を見守ってくれた先輩や同期、慕ってくれる後輩への感謝の気持ちをN-1で披露したいと思います。勝ちに行きます!」と大会にかける思いを披露。

JAL、成田事業所で接客ナンバー1を決定する「N-1グランプリ 2017」開催 空港オペレーション第3部チェックイングループの甲良直美ジェニファー氏
空港オペレーション第3部チェックイングループの甲良直美ジェニファー氏

 アナウンスは以下のとおり。

「おはようございます。日本航空よりご案内いたします。朝早くからのご利用ありがとうございます。只今より、搭乗手続きを承ります。どうぞ日本航空チェックインカウンターまでお越しください。肌寒い日々が続いていますが、お身体を大切に素敵な旅をお過ごしください。今日も、ワンワールドアライアンスメンバー、日本航空をご利用くださいまして、ありがとうございます」。

 聞きやすい明るい口調で、利用者への気遣いもアナウンスにプラス。英語では、訪日観光客に向けてまた日本を訪れてほしいという思いを入れるなども。

 ロールプレイ審査では、1組目の多忙なビジネスマンへの配慮がキラリ。オススメの食事の話からジャカルタ滞在が毎回ご飯が満足に食べられないほど忙しいと知ると「ご利用のビジネスクラスのフルコース、ぜひ楽しんでください」などの気遣いが。また2組目のコナ行きの利用者に対してはユーモアを交えて危険物持ち込みについて説明、そしてたくさん話せて素敵な時間をありがとうございます! とのお礼も。3組目、4組目とともに常にハートフルな対応をしていた。

JAL、成田事業所で接客ナンバー1を決定する「N-1グランプリ 2017」開催 多忙なビジネスマンへは機内でリラックスして、お仕事に備えてくださいとエールを送った
多忙なビジネスマンへは機内でリラックスして、お仕事に備えてくださいとエールを送った
JAL、成田事業所で接客ナンバー1を決定する「N-1グランプリ 2017」開催 しっかりと危険物持ち込みがないかを確認しつつもユーモアとともに笑顔で対応
しっかりと危険物持ち込みがないかを確認しつつもユーモアとともに笑顔で対応

 前半ラストは、空港オペレーション第3部プレミアムグループの土屋裕美氏。「私が一番大切にしていることは、お客さまへの感謝の気持ちです。お客さまに寄り添う気持ちは誰にも負けません!」と業務にかける思いとともに意気込みを披露した。

JAL、成田事業所で接客ナンバー1を決定する「N-1グランプリ 2017」開催 空港オペレーション第3部プレミアムグループの土屋裕美氏
空港オペレーション第3部プレミアムグループの土屋裕美氏

 アナウンスは以下のとおり。

「皆さまおはようございます。日本航空よりご案内いたします。ただ今より日本航空の搭乗手続きを承ります。どうぞ日本航空チェックインカウンターまでお越しください。明日の空へ日本の翼。日本航空は安全で快適な旅をお約束いたします。今日も、ワンワールドアライアンスメンバー、日本航空をお選びいただき、ありがとうございます」。

 ゆったりとエレガントさを持った口調のアナウンスは、スマートさと安心感をプラスした印象。ロールプレイ審査では、1組目のビジネスマンに対し到着後すぐに入国審査へ向かいスムーズにジャカルタ内の仕事先へ向かえるように前の席をオススメしたり、2組目のコナ線利用者には直行便利用を感謝。ホームタウンであると利用者が教えてくれると、自分自身も絶対に旅行で訪れたい場所であることを伝えた。

 3組目の歯磨き粉持参の利用者には、的確になぜ引っかかってしまったのかの理由を伝え、カウンターでのご案内不足を即座に謝罪し納得してもらうシーンも。なお、4組目の利用者にも指差し確認をゆっくりし、会話の際は正面をしっかりと向いて相手が言葉を読みやすいよう口元が見えるように配慮していた。

JAL、成田事業所で接客ナンバー1を決定する「N-1グランプリ 2017」開催 壊れ物が入っているかどうかなどもタグを使ってスマートに利用者に質問
壊れ物が入っているかどうかなどもタグを使ってスマートに利用者に質問
JAL、成田事業所で接客ナンバー1を決定する「N-1グランプリ 2017」開催 指差し確認をしながら一つ一つ丁寧に説明していた
指差し確認をしながら一つ一つ丁寧に説明していた

 なお出場者が入場する際などには、出場者の所属先の先輩、同期、後輩らが個性的な応援を展開。名前が大きくデコレーションされたうちわ片手に大盛り上がりするなど、ほんわかした雰囲気に。緊張しながら入ってきた出場者の表情が応援により柔らかくなり、リラックスを促す効果もあったようだ。

JAL、成田事業所で接客ナンバー1を決定する「N-1グランプリ 2017」開催 出場者と同じ所属のスタッフたちがうちわなどを振って応援!
JAL、成田事業所で接客ナンバー1を決定する「N-1グランプリ 2017」開催 出場者と同じ所属のスタッフたちがうちわなどを振って応援!
出場者と同じ所属のスタッフたちがうちわなどを振って応援!

 後半戦は空港オペレーション第3部トラフィックグループの松野遥果氏からスタート。「大変緊張しておりますが、笑顔で精一杯頑張ります」と意気込みを話した。

JAL、成田事業所で接客ナンバー1を決定する「N-1グランプリ 2017」開催 空港オペレーション第3部トラフィックグループの松野遥果氏
空港オペレーション第3部トラフィックグループの松野遥果氏

 アナウンスは以下のとおり。

「おはようございます。日本航空よりご案内いたします。ご出発のお客さま、朝早くからのご利用ありがとうございます。ただ今よりご搭乗手続きを承ります。どうぞ日本航空チェックインカウンターまでお越しください。素敵なご旅行となりますよう、係員一同心よりお祈り申し上げます。今日も、ワンワールドアライアンスメンバー、日本航空をお選びいただきまして、ありがとうございます」。

 爽やかな口調で、早朝の空港でよい出発ができそうな雰囲気のアナウンス。プラスアルファでこれから始まる旅行への期待が高まるフレーズも。

 ロールプレイ審査では、1組目では前方or後方、仕事or旅行など返答の選択肢を複数利用者に提示するなど、口少ない相手でも希望をスムーズに聞き出す工夫が随所に。また、2組目のコナ行きの利用者とも会話のなかで2週間コナに滞在することや、航空券の間違いにも気付いた際にまだ時間はありますので、と焦る相手に対し安心させて落ち着かせ、チケットの取り直しなど何をこれからやるべきなのかを的確に助言。

 また、3組目に対しては搭乗口や機内でのお手伝いの有無をはじめ、窓側を選んだ際に「景色をお楽しみください」と一言を添える心配りも。まさに相手に寄り添った対応をしていることが短い時間のなかでもしっかりと見て取れた。

JAL、成田事業所で接客ナンバー1を決定する「N-1グランプリ 2017」開催 利用者から希望を自然に引き出すテクニックはさすがの一言
利用者から希望を自然に引き出すテクニックはさすがの一言
JAL、成田事業所で接客ナンバー1を決定する「N-1グランプリ 2017」開催 荷物の数を確認する際にはジェスチャーや口が見えやすいようにしながら利用者とコミュニケーション
荷物の数を確認する際にはジェスチャーや口が見えやすいようにしながら利用者とコミュニケーション

 7番手は、空港オペレーション第1部チェックイングループの市川彩氏。冒頭では「大変緊張しておりますが、少しでも自分の力が発揮できるように頑張ります」とコメント。

JAL、成田事業所で接客ナンバー1を決定する「N-1グランプリ 2017」開催 空港オペレーション第1部チェックイングループの市川彩氏
空港オペレーション第1部チェックイングループの市川彩氏

 アナウンスは以下のとおり。

「皆さま、おはようございます。日本航空よりご案内いたします。本日は日本の翼・日本航空をお選びいただきましてまことにありがとうございます。ただいまよりご搭乗手続きを受け承ります。なお、本日カウンターを担当いたしますのは市川でございます。何かご不明な点、ご心配な点がございましたらどうぞお気軽にお知らせください。皆さまのお越しを心よりお待ち申しております」。

 カウンターを担当する自分自身の名前を伝え、親しみが感じられるアナウンス。聞きたいことがあった場合に、気兼ねなく質問ができるような雰囲気だった。

 ロールプレイ審査では、1組目ではスムーズにビジネスマンをご案内し2組目のコナ線利用者には、復活したばかりの直行便の利用を感謝。さらに、航空券の間違いに気付いた際には取り直しが必要なことを伝えて、慌てている利用者に対して安心感を与える言葉もかけていた。なお、3組目対応中に4組目の割り込みが発生したが、一度ヒアリングをし納得してもらったうえで、次に案内していた。

JAL、成田事業所で接客ナンバー1を決定する「N-1グランプリ 2017」開催 航空券の間違いが発覚した際は、次に行なうべきことをしっかりとした口調で説明
航空券の間違いが発覚した際は、次に行なうべきことをしっかりとした口調で説明
JAL、成田事業所で接客ナンバー1を決定する「N-1グランプリ 2017」開催 カウンターでの案内不足を謝罪し、その後は笑顔で的確に対応して利用者を納得へ導いていた
カウンターでの案内不足を謝罪し、その後は笑顔で的確に対応して利用者を納得へ導いていた

 8番手は、空港オペレーション第1部チェックイングループの浅井裕介氏。「唯一の男性出場者となりますが、僕だからこそできる接客を目指して頑張ります」と大会への思いを語った。

JAL、成田事業所で接客ナンバー1を決定する「N-1グランプリ 2017」開催 空港オペレーション第1部チェックイングループの浅井裕介氏
空港オペレーション第1部チェックイングループの浅井裕介氏

 アナウンスは以下のとおり。

「皆さま、おはようございます。日本航空よりご案内いたします。本日は成田空港までお越しいただきありがとうございます。ただ今よりご搭乗手続きを承ります。日本航空チェックインカウンターまでお進みください。今日も、ワンワールドアライアンスメンバー、日本航空をご利用くださいまして、ありがとうございます。皆さまをチェックインカウンターにてお待ちしております」。

 柔らかな口調で、チェックインカウンターに向かい旅に出るのが楽しみになるような雰囲気のアナウンス。早朝に成田国際空港を訪れた利用者に対する気遣いも垣間見られる内容だ。

 ロールプレイ審査では、1組目のビジネスクラス利用のビジネスマンには、サクララウンジに一番近い61番搭乗口の利用であることなどを伝え、2組目の利用者がカイルア・コナ出身である話なども引き出していた。また3組目の利用者に対しては機内での筆談ボードの利用の有無について、また相手が1人旅に慣れていることなどを教えてもらうなど短い時間で会話を楽しんでいた。4組目に対しては歯磨き粉入りの袋に対してビニールをかけれることや箱の利用ができることなども伝えていた。常に紳士的な対応で、じっくり話を聞いて会話につなげ、相手の要望をくみ取っていた印象だ。

JAL、成田事業所で接客ナンバー1を決定する「N-1グランプリ 2017」開催 紳士的な姿勢で相手の話をじっくり聞き利用者の要望をくみ取っていた
紳士的な姿勢で相手の話をじっくり聞き利用者の要望をくみ取っていた
JAL、成田事業所で接客ナンバー1を決定する「N-1グランプリ 2017」開催 筆談ボードの有無についてなどを話しつつ、旅慣れていることなどを会話で引き出し適切な対応へつなげていた
筆談ボードの有無についてなどを話しつつ、旅慣れていることなどを会話で引き出し適切な対応へつなげていた

 大会ラストは、空港オペレーション第2部プレミアムグループの小池舞氏。「とても緊張しておりますが、お客さまに寄り添った接客ができるように心掛けます」とコメント。

JAL、成田事業所で接客ナンバー1を決定する「N-1グランプリ 2017」開催 空港オペレーション第2部プレミアムグループの小池舞氏
空港オペレーション第2部プレミアムグループの小池舞氏

 アナウンスは以下のとおり。

「おはようございます。日本航空よりご案内いたします。ご出発のお客さま、朝早くからのご利用ありがとうございます。お手続きを開始いたしますので、どうぞカウンターまでお越しください。皆さまに快適な空の旅をご提供するために、スタッフ一同心を尽くしてまいります。今日も、ワンワールドアライアンスメンバー、日本航空をご利用いただき、ありがとうございます」。

 旅の始まりをワクワクさせるような印象のアナウンス。ハキハキとしており、聞き取りやすく気持ちよくチェックインができる予感も。

 ロールプレイ審査では、1組目のビジネスマンが3日後に帰国と知ると「ジャカルタは暑いと思いますのでお体に気を付けてください」と心配りも。また、2組目では娘が航空券をプレゼントしてくれたことなども会話で引き出してた。なお、Wi-Fi利用の話なども。3組目の対応中に4組目の利用者が割り込んできた際には、話を一度聞いて、相手を落ち着かせつつ、その後隣が空いている座席などを再度ご提案する配慮も見られた。一人一人と向き合いどんな場面でも会話を楽しんでいる印象だった。

JAL、成田事業所で接客ナンバー1を決定する「N-1グランプリ 2017」開催 コナ線の利用者には、Wi-Fiについてなどもご案内
コナ線の利用者には、Wi-Fiについてなどもご案内
JAL、成田事業所で接客ナンバー1を決定する「N-1グランプリ 2017」開催 歯磨き粉の持ち込みについての案内不足を謝罪するとともに、解決後に利用者との笑顔での会話も光っていた
歯磨き粉の持ち込みについての案内不足を謝罪するとともに、解決後に利用者との笑顔での会話も光っていた

入賞のうれしさで言葉が出てこない場面も。上位3名は、来年のコンテストへ決意も新たに挑戦へ

 40分ほどかけて審査結果の発表がスタート。空港オペレーション業務部 部長で審査員長も務めた大八木淳子氏が「サービスは永遠。しっかりとした基礎固めとお客さまへの寄り添いを意識し、最終的には『○○さんがいるから来たんだよ』と言っていただけるくらいに。お客さまにJALのファンになっていただけるよう全員にさらに成長してもらいたいと思います。そして、楽しんで接客をすることが一番大事です。これからも後輩の見本となれるよう頑張りましょう」と話した。

JAL、成田事業所で接客ナンバー1を決定する「N-1グランプリ 2017」開催 空港オペレーション業務部 部長で審査員長も務める大八木淳子氏
空港オペレーション業務部 部長で審査員長も務める大八木淳子氏

 また、総務部部長の末崎裕介氏も「親心的な視点で見ていましたが、成田全体の力強さを感じました。ここで燃えつきることなく、課題を克服し、来年1月の大会でトップを取ることができるように先輩からの指導を受けながらさらに磨きをかけていきましょう。ここにいる全員が精一杯頑張ってきたと思います。今後も素晴らしい接客ができるように、成長していきましょう」と激励した。

JAL、成田事業所で接客ナンバー1を決定する「N-1グランプリ 2017」開催 総務部部長の末崎裕介氏
総務部部長の末崎裕介氏

 そしていよいよ入賞者の発表へ。所属と名前が読み上げられると会場からは大きな拍手と悲鳴に近い歓喜の声が上がった。3位は空港オペレーション第3部プレミアムグループの土屋裕美氏。準優勝は空港オペレーション第1部チェックイングループの浅井裕介氏。そして優勝は空港オペレーション第3部トラフィックグループの松野遥果氏に。入賞者には、花束と賞状が授与され、優勝者にはティアラのプレゼントも。

JAL、成田事業所で接客ナンバー1を決定する「N-1グランプリ 2017」開催 写真左から、準優勝の空港オペレーション第1部チェックイングループの浅井裕介氏、優勝した空港オペレーション第3部トラフィックグループの松野遥果氏。そして3位の空港オペレーション第3部プレミアムグループの土屋裕美氏
写真左から、準優勝の空港オペレーション第1部チェックイングループの浅井裕介氏、優勝した空港オペレーション第3部トラフィックグループの松野遥果氏。そして3位の空港オペレーション第3部プレミアムグループの土屋裕美氏

 入賞者に話を聞いたところ3位の空港オペレーション第3部プレミアムグループの土屋裕美氏は「緊張してはいましたが、いつもどおりしっかりと感謝の気持ちを伝えようと大会に挑みました。ロールプレイではきちんとその部分は出すことができたと思います。今回出場したことで日頃の接客で自分自身がやるべきことがはっきりと見えました。

 安全については今まで以上にしっかりと確認、そして接客の際によりよい対応ができるようにしたいと思います」とコメント。

 準優勝の空港オペレーション第1部チェックイングループの浅井裕介氏は「特にロールプレイは楽しく会話もできましたし、非常に満足しています。普段チェックイン業務を行なっていますので、いつもどおりで本番に臨みました。印象に残っているのはヘルシンキ行きのお客さまです。しっかりと目線を合わせて、口も大きく動かしてコミュニケーションを取ることを意識しました。

 カウンターにいらっしゃるお客さまは、旅行を楽しみにしていらっしゃいますので、日本航空をお選びいただき、僕のカウンターに来ていただいたことで、さらに旅の始まりを気持ちよくスタートしていただきたいと思いながら会話をしています。よく自分は、いろいろな方に上品さについてをほめていただくのでその部分を磨きつつ、よりよいサービスができるよう練習していきたいと思います」と話してくれた。

 そして優勝の空港オペレーション第3部トラフィックグループの松野遥果氏は、「会場へ入った瞬間に同じ部署の仲間の姿と温かい応援を目にして、まわりを見る余裕ができました。アナウンスも落ち着いてできましたし、ロールプレイは課題もありましたが楽しむことができました。

 お客さまが気持ちよく、不安なく出発できるようにすることが私の仕事だと思っています。日々親しみやすさや温かさを出せるように意識していますが、まだまだ知識と経験を積まなくてはと今回痛感いたしました。先輩に指導していただいたことを糧に、そして自分の経験と知識を実際の接客でしっかりと発揮できるよう、そして洗練されたご案内でお客さまに満足していただけるように頑張っていきたいと思います」と今後の展望などを語ってくれた。

 約4時間半ほどかけて、アナウンス審査とロールプレイ審査を行ない、接客サービスの技術を披露した「N-1グランプリ 2017」。普段じっくりと見ることのできない、さまざまな対応を目のあたりにし、その的確さに驚くばかりだった。

 旅の始まりに必ず訪れるチェックインカウンターでの会話や空港内のアナウンスに耳を傾ければ、きっといつも以上に華やいだ気分で、旅のスタートが切れるはず。次回空港を訪れた際には、ぜひカウンター対応やアナウンスも楽しんでみてはいかがだろう。