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JAL、「空港サービスのプロフェッショナルコンテスト」の羽田空港代表者が決定

11月の本選には4名が出場

2016年10月5日 実施

 JAL(日本航空)グループのJALスカイは10月5日、「空港サービスのプロフェッショナルコンテスト」の羽田地区代表を決める選考会を、羽田オペレーションセンターで開催した。今回で5回目となる本コンテストでは、JALの羽田地区旅客サービス部門スタッフから選ばれた11名が出場し、「アナウンス審査」と「接客ロールプレイ審査」で接客技術を競い合う。審査で選ばれた上位4名は羽田地区代表として、11月に国内各空港の代表者が集まり開催される「空港サービスのプロフェッショナルコンテスト」本選に進むことになる。

 JALでは、2016年度までの中期経営計画でJCSI(日本版顧客満足度指数)調査での顧客満足度向上を目標の1つに掲げており、各空港でばらつきのあったサービスの均一化とレベルアップを目指し、本コンテストを2012年から行なっている。

日本航空株式会社 東京空港支店 副支店長 石川房子氏

 羽田地区接客コンテストの開催にあたり、JALの東京空港支店 副支店長である石川房子氏は、「2012年からこのコンテストを開催しているが、私たちは一貫して世界一に選ばれ、愛される航空会社を目指してやってきた。お客さまに『また会いたい。JALに乗りたい。』という思いになってもらうこと、それにほかならないのかなと考えている。ここにいる羽田全員の力を結集して、世界一を目指していければと思う。今日は初めて飛行機に乗る人のようにワクワクしている」と出場者への期待を述べた。

地震が起きた想定での「アナウンス審査」

 最初に行なわれた「アナウンス審査」は、まず出場者の緊張をほぐすため、審査対象外として日本語定型のアナウンスを披露。続けて、審査対象となるイレギュラーアナウンスを、日本語と英語で披露する流れだ。イレギュラーアナウンスでは、イレギュラーの設定条件を出場者が知るのは直前。10分間でそれに対応するアナウンス文を考え、日本語と英語で、合わせて3分間以内で伝える。イレギュラーの設定条件は下記のとおり。

「アナウンス審査」イレギュラーの設定条件

時刻:09時05分
対象となる便:国際線は香港行きのJL029便(10時00分発)、国内線は新千歳(札幌)行きのJL509便(09時30分発)
起きている事象:9時頃に東京で地震が発生
滑走路の確認作業に30分間かかり、詳しい案内がそれ以降となるなかで、利用客へアナウンスを行なう。

サービスアドバイザーの石塚美桜氏

 まず、2015年のプロフェッショナルコンテストで本選に出場した、サービスアドバイザーの石塚美桜氏によるデモンストレーションが披露された。続けて、出場者によるアナウンスが開始。審査基準は「上質」「寄り添う」「タイムリー」のJALグループのキーワードを、アナウンスによって再現できているか。「上質」の観点では、アナウンスをしているときの表情、立ち振舞い、話し方、言葉遣いが上質か。「寄り添う」の観点では、利用客の視点に立ち、利用客の信頼と要望をお伝えできているか、寄り添いの言葉を添えているか。「タイムリー」の観点では、情報をタイムリーに伝えられているか、となる。

株式会社JALスカイ 羽田事業所(国内線)第2部の野原瞳氏
第3部の中島悠夏氏
第1部の産田真由氏
第2部の宮本紗恵氏
第3部の陣野はるか氏
第1部の三森凌子氏
会場の様子

 どの出場者も、定型アナウンスとイレギュラーアナウンスで表情や声色がガラリと変わった。また、変更時間を2度繰り返す出場者や、お詫びを繰り返す出場者など、なにを重視しているかの違いが表われていた。

チェックインカウンターでの「ロールプレイ審査」

 休憩をはさみ、「接客ロールプレイ」審査が行なわれた。ロールプレイの内容は出場者にはまったく知らされておらず、会場に知らされた情報も「現在の時刻は10時」ということのみ。そのなかで、それぞれ事情のある利用客に対応していく。

株式会社JALスカイ 羽田事業所 国際部第3室の水野志保氏
国際部第3室の町野玲奈氏
国際部第2室の黒田詩織氏
国際部第2室の中川陽子氏
国際部第1室の橋本まどか氏

 4人の利用客(利用客役はJALスタッフが担当)がチェックインカウンターに並んでいる設定で、1人目は窓際の席を予約したのにも関わらず、自動チェックインをしたら通路側になっていたというクレームから始まる。

「どうして勝手に変えるのか。これから大事な仕事のプレゼンがあるのに幸先が悪いじゃないか」と憤慨している様子。かなりの勢いで迫ってくる利用客に対し、利用客が手に持っているお土産や富士山の見える席を話題にしたり、どの出場者も華麗な切り返しで見事に対応していた。

 特に印象深かったのは、スーツケースとネクタイの色に反応した陣野氏。「青がお好きなんですか?」との質問から、最終的には「パステルのプリンのパッケージが青色なので、お土産にオススメですよ」とし、「次回はJALカラーの赤色のネクタイでいらしてくださいね」と明るい笑顔で対応し、会場からはこの「陣野ワールド」に笑いが沸き起こった。

 2人目は英語圏の利用客、3人目は妊婦、4人目は苛立ったビジネスマンといった設定だ。出場者のほとんどは2人目の接客途中で制限時間が切れていた。そのなかで、後ろで並んでいる利用客に気を配れる「寄り添った」サービスができているかどうかもポイントのようだ。

 見事、本選へ駒を進めたのは、JALスカイ 第3部の陣野はるか氏、国際部第1室の橋本まどか氏、国際部第3室の水野志保氏、国際部第3室の町野玲奈氏の計4名。皆、緊張から解放された安心感と喜びで、笑顔と涙があふれていた。

4名の入賞者が発表された
発表直後涙を見せる陣野氏
驚きを隠せない様子の橋本氏
明るい笑顔の町野氏
感謝を述べる水野氏
出場した11名による記念撮影
入賞した4名による記念撮影

 緊張で手が震えている出場者もいたが、終始レベルの高い戦いが繰り広げられ、会場では応援団から沢山の拍手と共に大きな歓声があがっていた。「一人一人がJAL」、そんな社員達の思いが感じられるコンテストだった。