車中泊の拠点 RVパークを訪ねる
「ナニもない」がセールスポイント。静岡市の山中にできたばかりのRVパークに泊まってみた
RVパークごほうびリゾート
2026年11月1日 08:00
今回訪れた「RVパークごほうびリゾート」(静岡県静岡市葵区坂ノ上624-2)は9月26日にオープンしたばかりの新しい施設。場所は新東名高速の静岡SAスマートICから山へ向けて約20分走ったところ。
施設までは県道60号線(南アルプス公園線)を走るのだが、県道の始点付近から「ここで合ってるのか?」と思うくらい道が細く山の中という雰囲気になる。
途中から県道60号線は藁科川(わらしながわ)に沿うようなルートになり、坂ノ上地区に入ってすぐにごほうびリゾートがある。施設の入り口の目印になるのは古民家で、静岡SAスマートIC方面から来ると「RVパーク」の看板が建物の横にかけられている。そこから藁科川沿いへ降りていったところが敷地だ。
予約サイトによれば、利用料金は1泊1台5500円~。チェックインは13時から、チェックアウトは11時までとなっている。
施設は無人で営業しているので、電源ボックスやトイレの鍵の解除は、予約時に伝えられる暗証番号を使う。
ごほうびリゾートは藁科川の横にあり、県道からは低い土地となる。ただ、河原というわけではなく、河原からは約1m高い位置にある。河川沿いの施設には違いないので、大雨などで増水が予想されるときは注意が必要だ。
地面は砂利を敷き詰めており、かなり締まっているのでクルマが通過しても沈み込むようなことはなかった。ただその分、タープを張ったりする際はペグがなかなか刺さらないかもしれない。
取材では2日目の朝から雨脚が強まったが、砂利敷きの地面は水はけがよく、どこにも水たまりができていなかったので、雨の日でも足元がぬかるむ心配は少なそうだ。
車中泊スペースは3台分用意しているが、特に区画分けのためのロープなどが張られていないので、区画サイトに慣れている人にとってはどこまで使っていいのか、少しとまどうかもしれない。
この点について説明しておくと、ごほうびリゾートはネイチャーポジティブを掲げて、必要以上に「何かを作らない」という方針を取っている。
RVパークなので敷地を整地したり、電源を引いたりはするが、それ以外は何もしないということである。そして利用者に対しては、ごく自然にそれぞれのスペースのとらえ方とまわりへの配慮を持って、スマートに利用してほしいというスタイルなのだ。
今回は3つあるスペースのうち、一番端を使わせてもらった。この敷地は出入り口の部分が最も幅が狭く、奥に行くに従って広くなる形状なので、今回利用したスペースが一番広い。
そしてロケーション的に川の近くにクルマを停めたかったのだが、スペースが広い分、持っていった延長コードでは、電源ポールから川のそばまでの長さが足りなかった。川沿いにクルマを停めて、椅子やテーブルを出す方が、ロケーションのよさを活かせると思うので、こちらを利用するときは電源の延長リールを持っていった方がいいかもしれない。
なお、3台分のうち、出入り口から近い2つは、敷地内の動線的に川沿いにクルマを停めてしまうと、ほかのクルマの移動ができなくなりそうなので注意したい。
設備の紹介
3つあるスペースすべて電源を用意している。コンセントは2口あって、アース付きの3極プラグに対応する。電源ボックスには南京錠がかかっていて、予約をすると解除番号が伝えられるので、到着したら自分で開けてスイッチを入れる。帰るときは、スイッチを切って鍵をかけるという手順だ。
電源は民家側にあるので、ワンボックスタイプなどでテールゲートを景色のよい川側に向けたいときは延長コードが必須になるだろう。現地は無人営業なので、用品の貸し出しサービスは行なっていない。
水道を利用するときは、出入り口の坂を上って古民家まで移動。2つのシンクがあり、サイズも十分。ただしお湯は出ない。洗い場には屋根が付いていてセンサーライトもあるので、雨の日や夜間も利用しやすい。
水道の右手には、ゴミ捨て場が用意されていて、こちらを利用するときは静岡市のゴミ出しルールに従うことになる。ゴミ袋も静岡市指定のものを利用するので、来る途中のホームセンターやスーパー、コンビニなどで買っておく必要がある。
ちなみに静岡SAスマートICを出たら、国道362号線に当たり、そこを左に行くと県道60号線に向かうのだが、国道362号線を右に曲がって静岡市内へ向かうと、ホームセンターやスーパー、コンビニなどが存在するので、食材や滞在時に使う日用品などの買い物はそちらで済ませるとよさそうだ。左へ曲がってしまうとごほうびリゾートまでそういったお店は一切ない。
そして、ごほうびリゾートにはお風呂やシャワーもない。RVパークでは、新たにシャワーブースなどを設置することも多いが、前述したようになにかを新たに作ることはしていない。
お風呂については、施設からさらに上流に行くと地元では有名な「湯ノ島温泉浴場」という温泉施設がある。地元の人に評判を聞いてみたところ、江戸時代から続く温泉であり、お湯の性質もよいとのこと。また、現在は静岡市営の温泉浴場なので、料金も大人が600円、子供が300円と利用しやすい設定になっている。
営業時間は9時30分~16時30分(最終受付は16時)。木曜は休業日だが、木曜が祝日の場合は翌平日が休業になる。最新の情報は温泉のWebサイトで確認してほしい。
施設の入り口にある古民家は、もともとオーナーの実家だったところで、築年数は約110年という。最初は酒屋だったそうで、最近まではカフェとしても利用していたようだ。
建物の内部は、寝泊まりできるスペースがあるだけでなく、展示会やマルシェなどもできるそうで、スペースのレンタルも行なっている。料金は1泊2日で1組5万5000円。キャンプはハードルが高く、車中泊では家族で出かけられない、だけど普通の宿泊施設ではない非日常感がほしいというときは、この古民家がよいかも。
付近の散策と利用してみた印象
何もないがウリの施設なので、まわりに食事ができるところはないと聞いていた。ところが施設から少し歩いたところに「てるてる坊主」というカフェを発見。ドアを開けて女性のオーナーに話を聞いたところ、金・土・日曜限定でお店を開けているそうだ。朝は10時からで、夕方はそのときの状況によるとのこと。
メニューを見せてもらったが、ランチの食事メニューも充実しているし、なにより興味があったのがこちらのオリジナルの餃子である。オーナーは日本人だが、25年ほど中国で暮らしていた経験があるそうで、そこで中国料理も覚えたのだが、中国には中国の餃子があって、そのままの味では日本人には合わない。
そこで日本向けにアレンジした餃子を作って出しているそうだ。同じ静岡県の浜松市は餃子の年間購入額で宇都宮市とトップを争っている街なので、餃子にこだわる人はぜひ食べに行ってみていただきたい。
施設の周辺はのどかな風景が広がる。施設から見える吊り橋にも行ってみたが、こちらは農業用のもので、一般のクルマの通行は禁止されている。ただ、そばにいた農家の方に聞いてみると、徒歩で渡るのは問題ないということなので、向こう岸まで渡らせてもらった。特に何があるというわけではないがこういうところを歩けるのも貴重な体験である。
施設に戻って川沿いに椅子を出してのんびりする。滞在中はほとんどこの感じだったが、確かにリラックスできる。惜しいのは曇り空だったこと。天気がよければ星がきれいに見えるそうで、もし訪問するなら天気のよい日を選ぶとよい思い出になるだろう。





























































