ハワイ現地発

【ハワイ現地発】ハッピーアワーで巨匠の味をお得に楽しむオン・ザ・ビーチ・レストラン

 皆さんは、ピーター・メリマンというハワイのシェフをご存じだろうか? 農家と農場、ブリュワリーなど地元ハワイにフォーカスした食の革命「ハワイ・リージョナル・キュイジーヌ」のパイオニアとして知られている。10年ほど前にハワイ島ワイメアという、敷地のほとんどが牧場の町で彼の店を取材したことがあり、ハワイの恵みがこれほどまでに美味しいのかと衝撃を受けた。

ハッピーアワーでも予約をすると安心。入店時に伝えよう

 素材の味を大切にしながらクリエイティブなアイデアで提供するメリマンシェフ。巨匠と呼ばれる彼が手掛けるレストランは、マウイ島、カウアイ島、そしてここオアフ島でも新展開されている。カカアコに「モク・キッチン」、コオリナには「モンキーポッド」、そしてワードに「メリマンズ」があるが、2023年夏にはついにワイキキに「モンキーポッド」が登場した。

海の上にいるかのようなオーシャンフロントのロケーション

 ワイキキの西端、アウトリガー・リーフ・ワイキキ・ビーチ・リゾートホテルの1階にあるのだが、そのロケーションが大胆過ぎる。オーシャンフロントというよりオン・ザ・ビーチで、波の音どころか、波しぶきが店に入ってくるほど「海の上」感覚で食事を楽しめるのだ。

海に囲まれている感覚に浸れる店内

「メリマンのレストランは美味しいらしいけれど高級……」と思われるが、ここには庶民の味方、ハッピーアワーがある。アペタイザーは半額に、ピザは14ドル、ドラフトビールは2ドルオフで、マイタイなどのハンドクラフトカクテルはすべて4ドルオフとなる。時間は15時半から17時まで。ハッピーアワーは平日限定の店がほとんどのなか、ここは週末も実施しているのも人気の理由だと思う(一部の祝日のみ休止)。

モンキーポッドマイタイとホワイトウォーカー(各18ドルが4ドルオフで14ドルに)

 そんなわけなので、平日は忙しいローカルたちも週末にこぞってハッピーアワー狙いで訪れている。店内はにぎやかでカジュアル。気取らない雰囲気のなかでメリマンのコンセプトの料理を楽しめるのはありがたい。モンキーポッドマイタイはマウイ島クラのラム、自家製マカダミアナッツシロップを使い、ふんわり甘酸っぱいハニーリリコイフォームを乗せた絶品マイタイ。

まずはここからスタート。ガーリックトリュフオイルフライ(13ドル→6.50ドル)

 訪れるたびにオーダーするのが、ガーリックトリュフオイルフライ(13ドル→6.50ドル)。揚げたてを自家製ケチャップと全粒粉マスタードアイオリソースにディップしてつまむと永遠に手が止まらなくなる。

次回もオーダーしようと決めたローステッドチキンウィング(22ドル→11ドル)

 地鶏によるローステッドチキンウィングはメリマンシェフが得意とするハーブ使いが素晴らしく、ローカルローズマリーとガーリックが香っていた(22ドル→11ドル)。ヨーグルトフェタとセロリも添えられていて、結構なボリューム。ついつい食べ過ぎると次の一品にいけなくなるのでご注意を。

カルーアポーク&パイナップルのピザ(23ドル→14ドル)
ピザ窯で高温で焼き上げる独特の香ばしさを味わえる

 このロケーションで、店内の窯で焼き上げるピザが14ドル(定価は21~23ドル)というのは破格なので、ピザもオーダー必須リストに入っている。今回はハワイらしくカルーアポーク&パイナップルを頼んだ。カルーアポークとマカデミアナッツペスト、生のパイナップルがこんがり焼かれていて、大満足だった。ハワイならではの味を満喫したいならオススメしたい。

ドラフトビールは20種類余りあるなかからカテゴリーごとに選べる

 この辺で、ローカルビールもグビっと。20種類以上のビールが揃っていて、今回は「ビアラボ」のミリラニレッドというレッドエールをチョイス(10ドル→8ドル)。苦味が少なくほんのりカラメル感が出ていた。

どのポーションもハワイらしいボリューム感

 この時点で満腹度がマックスとなり、チキンもピザも持ち帰ることに。ハワイでは残したものは持ち帰る習慣があり、結果的に2食分になる(どちらも温め直したら美味しかった)。

ハマクアマッシュルーム・トリュフオイル・ピザ(23ドル→14ドル)、フレッシュアイランドフィッシュ・サンドイッチ(25ドル)

 参考までに、上の写真は前回来店した際に注文したハマクアマッシュルーム・トリュフオイル・ピザ(23ドル→14ドル)。ハワイのキノコとトリュフオイルが香る、ホワイトソースのガーリックピザで、味わいはいわずもがな。もう一品は、フレッシュアイランドフィッシュ・サンドイッチ(ハッピーアワー対象外で25ドル)。

デザートもお楽しみの一つ。ストロベリークリームパイ(13ドル)

 もう一つ、なんとか頑張ってオーダーしたいのが、ストロベリークリームパイ(13ドル)。スタッフにも「グッドチョイスね!」と褒められたが、マウイ島クラのイチゴ・ストロベリーグアバジャム・ふんわりクリームの仲よしトリオがたまらなく、自家製パイ生地も意外に軽くて、ペロリと完食できてしまう。裏技があって、店のWebサイトから席を予約すると、来店後にアンケートがメールで届く。それに応えると「次回、好きなクリームパイを1つ分サービス!」と連絡が来る。そんなわけで、今回のパイは無料サービスとなった。イエイ(現時点では使用期限がなかった)。

店内のモンキーポッド、イスの生地など、楽しいインテリアも快適な空間を作る要素の一つ

 店内には大きなモンキーポッドがデザインされていて、これは「モンキーポッドの木の下では芝生が青々としているように、ハワイの人たちの活き活きとした日々を願う」というコンセプトを表現しているとか。

オン・ザ・ビーチのロケーションだから撮れる1枚

 せっかくなら海側の席に座りたいところだが、季節を考慮してより快適な席を選ぼう。夏は5時過ぎまでなら最高の時間になる。冬場は海に太陽が沈むので、絶景ではあるけれど、夕方には席まで日が差し込んでくるため、暑くてまぶしい。そんなときは少し内側の席がベター。海が見え、風も感じられて十分に気持ちいい。

店の外のビーチではサンセットを眺める人たちが集まっていた

 波の音を聞きながら風が舞う店で食事を堪能したあと、窓際からこんな景色を望められる。店のなかではライブ演奏による軽快な音楽も奏でられている。五感でハワイの魅力に触れられるハッピーアワーは、まさに「幸せな時間」だ。

大澤陽子

ハワイで発行している生活情報誌「ライトハウスハワイ」編集長。日本ではラジオアナウンサー、ライターとエディターとして活動。2012年にハワイへ移住。新聞やハワイのガイド本などの編集に携わる。ハワイのビーチとビールをこよなく愛している。