ハワイ現地発
【ハワイ現地発】今から今年を振り返る! 2023年で忘れられない一皿
2023年11月20日 12:00
11月といえば、アラモアナセンターにはすでにビッグサンタが登場したように、ホリデーシーズンまっただなか。家族で食卓を囲むサンクスギビングデー、1年に一度のビッグセールであるブラックフライデー、パンデミック以降さらに勢いを増したオンラインセールのサイバーマンデーなど、財布の紐もゆるゆるの季節に。その勢いでクリスマスを迎え、年が明けている……というのが1年で一番盛り上がるアメリカのこのシーズンの流れ。
「気付けば2024年!」となる前に、今回から今年のハワイを振り返ってみることにした。まずは、今年食べて「美味しかったなぁ~」と思い出す料理。奮発してもまた食べたいと思う一品とは……?
マルゴットハワイの「ラムのロースト」
“トリュフを一粒丸ごと堪能する”をコンセプトに掲げる東京西麻布の「マルゴット・エ・バッチャーレ」の2号店として、2022年にハワイにオープンした「マルゴットハワイ」。一口食べて感動したのがこのラムのローストだった。個人的には外すこともあり基本的に遠ざけてしまうラム肉なのだが、こちらは低温で50分間、じっくりと肉を休ませながら火を入れるといい、肉がロゼ色に輝いていた。表面は香ばしく、肉はやわらかい弾力があり、脂の甘みが絶妙だった。さらに、削りたてのトリュフの芳醇な香りが美味しさを完璧にしてくれた。
この店ではその季節を鑑みて一番味わいのよいトリュフを世界から取り寄せている。今ならイタリアの白トリュフなのだそう。そんなトリュフをトッピングした豪華過ぎる卵がけご飯やパスタも楽しめる。トリュフというと敷居が高い印象を持つが、おまかせコース以外にアラカルトメニューもある。好みの一品とグラスワイン1杯という来店も歓迎という。
アガルの「おまかせ6貫握り」
この数年間、パンデミックをものともせずに、異なるコンセプトの店をプロデュースし続けてきたハワイ出身のクリス・カジオカシェフによる居酒屋「アガル」。ここでは一般的な居酒屋メニューも一筋縄ではいかない味とアイデアで提供される。すしカウンターで満喫できるのが寿司のおまかせコース。格子状の飾り切りを施したシマアジにニラで編み込んだ「レイ」をかけたり、大トロの上にキャビアと青ネギをのせたり、滋味あふれたハワイらしいすし体験へと導かれる。
レイスタンドの「ウニワッフル」
ハワイでは記念日に欠かせないレイ。そんなレイカルチャーへのオマージュとして昨年オープンした「レイスタンド」。入口ではレイを販売し、一歩なかへ入るとバーになっている話題の店。日本でも腕を振るっていたというシェフが創り出したモチワッフルはウニとキャビアを乗せた贅沢な一品。ウニとキャビアと柚子メープルとバター……こんな食べ方も一度くらい体験してみるのもいいと思った。
ブラインドオックスの「和牛カツサンド」
アールデコにインスパイアされたという独特の空間が広がる「ブラインドオックス」は、禁酒法が施行された1920年代のアメリカをテーマにしたダイニング。酒の密売が行なわれていた酒場をイメージさせる店内で、上質な酒と料理を堪能できる。A5宮﨑和牛カツサンドにうなぎのタレと北海道のウニが添えられた一皿は、熟成されて旨みが閉じ込められた肉の旨みがたまらないサンドイッチだった。
ちなみに、キャラメライズしたA5宮﨑和牛ベーコンを添えたブル&ウィップ($22)は、和牛ベーコンがバーボンの味わいを最大限に引き出していて、初めてバーボンの魅力に気付かされた衝撃的な一杯となった。
普段はなかなか手が出ないが、ある人が「味が濃くて分かりやすいものばかりでなく、本物を食べることで味覚、そして感性が磨かれる」と話していた。いずれにしても、どんなものも丁寧に味わう習慣を持ちたいと、振り返ってみて思った。
※上記メニューと価格は今年訪れた時点のもの