ハワイ現地発

【ハワイ現地発】今年オープンしたなかで再訪を誓った店

今年も「日本の味」がハワイでは人気だった

 サンクスギビングデーが終わり、クリスマスまっしぐらのハワイ。この時期に友人宅に行くと大きなクリスマスツリーとその下にプレゼントが置かれている。我が家も今年こそツリーを買おうと一大決心。大きなツリーをオンラインでオーダーしたら、「配達日はメールでお知らせします」とのこと。

 ハワイ(とアラスカ)はとにかく物が届くのが遅い……。予定日に着かないのでトラッキングしてみると「フロリダにある」と判明することもあったりする。そんなわけで気長に待つことを覚え、ツリーが届くのが年明けになることも想定。来年のクリスマスに飾れたらいいかななどと思っている。

ワイキキシェラトンホテルはこの時期はサンタクロースの砂のアートを見ることができる

 さて、今年もハワイでは続々と新たな店がオープンした。今年の振り返り第2弾は、「また行きたいなぁ」と思う飲食店を挙げてみたい。

ホロホロ・ビストロ・エクスプレス

 現時点の一番のお気に入りは、11月15日にオープンしたばかりの「ホロホロ・ビストロ・エクスプレス」。ホノルル空港の少し手前にある「ド」がつくほどのローカルエリアのカリヒという場所にあって、今のハワイにしてはリーズナブル。そして何より、ほかの店とは違うここだけの味がある。

11月にオープンしたばかりのカリヒ店
昔ながらのハワイの味とオリジナルの味を感じられる

 料理もスイーツもすべてイチから手作りしていて、地元農家から仕入れた食材にフォーカスしたオリジナリティあふれる料理が並ぶ。小さなイートインスペースもあるが、基本的にはお持ち帰り。プレートランチではなく、ここにあるのは「ベントー」。

 ガーリックチキン、テグヌードルサラダ、ロコモコならぬチリモコ、カルニータスボウル、チキンポットパイ、むすび、サラダ、サンドイッチ、ラップサンド、ペストリー、デザート、ドリンクなど、ちょっと小腹が空いたときからペコペコの状態まですべてカバーしてくれる驚く数のメニューが揃う。実はハワイ大学マノア校のなかにもすでに出店していて、学生たちにも大人気のお墨付きの店なのだ。

丼やサラダのほか、マンゴーマフィンやチョコチップクッキーに至るまで手作りされている

 イチ押しは、メキシカン好きにぜひお勧めしたいカルニータスボウル($12、写真右手前)。ほろほろになった豚肉と豆、サルサ、コーンなどがご飯に乗った丼で、メキシカンとハワイローカルの味がミックスした味を楽しめる。

 ローストビーツ&ゴートチーズサラダ($14、写真左奥)も見た目以上に豪華で食べ応えがあった。栄養たっぷりの赤とゴールドの甘いビーツをローストして、味わいの濃いトマト、アボカド、ゴートチーズも添えられている。リンゴバルサミコ酢をベースとした自家製ドレッシングをかけると野菜の味がより一層引き立った。なお、ドリンクは、ブラックティーにライチフレーバーを足すなど自分好みにカスタマイズできる。

ラ・ベットラ・ワイキキ

巨大水槽で優雅に魚が泳ぐロビーフロアに店がある

 日本ではイタリア料理のパイオニアとして知られてきた落合務シェフが今年、アロヒラニ・リゾート・ワイキキ・ビーチに海外1号店をオープンさせた。このホテルを象徴する巨大水槽オーシャナリウムに沿うように位置するレストランは、まるで魚たちが食事をする人たちを臨むような雰囲気。

ウニの甘みと香りとコクが口いっぱいに広がるウニパスタ($39)

 ここで大絶賛されているのが、落合シェフの代表作の一つであるウニパスタ。ソースのなかに生ウニをふんだんに入れているとあって、ハワイに数あるウニパスタのなかでも一段と濃厚なクリームとなっている。こだわり抜いたアルデンテの麺とよく絡むこのパスタとキリリと冷えた白ワインで幸せいっぱいに。日本からきた女性のパティシエが創作するデザートも素晴らしかった。

カイムキ食堂

昔から日系人が多く暮らしてきたカイムキの街になじんでいる

「そば居酒屋」として個性的な飲食店やショップが立ち並ぶカイムキにオープンしたこの店は、ローカルからの反響がよかった。インフルエンサーのロコの友人が「カイムキショクドー、いいよ!」と言っていたので行ってみると、なんとも日本らしい味が揃っていて落ち着いた。

天ぷらそば($15)とオイスターそば($21)
デザートのアイスクリーム。ロコの一番人気はハニートーストだそう

 衣が重くてぼってりした天ぷらに出合うことも多いハワイだが、ここはサクッと軽く揚げられていた。そばの香りもよく、大満足のランチタイムとなった。オイスターそばは友人が満喫していた。ちなみにロコたちは夜につまみをオーダーしながら居酒屋気分を味わえることがうれしいらしい。

カン・スキュワー・レストラン

冬のハワイで盛大にオープニングセレモニーが行なわれた

 ハワイでは数年前から串刺しした料理を楽しめるスキュワーレストランが増えている。BBQ好きなロコには、特に自分の目の前で焼くスタイルが人気だ。そんななかでオープンしたのがモンゴルの串焼きをはじめとした料理を味わえる「カン・スキュワー・レストラン」。ワイキキから近いが旅行者を見かけることはほぼないモイリイリというエリアにある。中国出身のオーナーが中国スタイルで盛大にオープニングを行なったパワフルなレストラン。

目の前の鉄板に載った串焼き(3本$7.99~)
スパイシーチャイニーズスパイスで味わうエビ($28.99)
ガーリックをきかせたザリガニは意外とイケる($28.99)
ハワイ島コナのアワビは玉ねぎで味わう贅沢な逸品(2個$18.99)

 ラム肉、牛タン、豚肉、鶏肉などの肉を、クミンや七味などの香辛料で味付けして熱々を味わう。串焼き以外のメニューも充実していて、ハワイ島コナのアワビなどのシーフードのほか、ザリガニやエビなども独特のスパイスで堪能できる。どれもボリュームがあるのでグループで訪れてみんなで分け合う食事に最適だ。

 こうして振り返ると、メルティングポットのハワイでは、食の分野でもミックスカルチャーならではの味と雰囲気を楽しめるのが魅力だと改めて思う。

 Happy Holidays!

大澤陽子

ハワイで発行している生活情報誌「ライトハウスハワイ」編集長。日本ではラジオアナウンサー、ライターとエディターとして活動。2012年にハワイへ移住。新聞やハワイのガイド本などの編集に携わる。ハワイのビーチとビールをこよなく愛している。