大城和歌子の沖縄グルメ&スポット

遊び心と沖縄愛にあふれたお店「琉球泡盛カクテルBar『あっちゃん's』」

 那覇市の国際通りからパラダイス通りに入って間もなく、ピカピカと楽しげな電飾が誘う。「琉球泡盛カクテルBar『あっちゃん's(あっちゃんず)』」だ。

 店内もワクワクするアイテムがたくさん。カウンターにずらっと並ぶ泡盛の一升瓶のなかには、珍しい銘柄やビンテージものも。壁に飾られた古い沖縄の写真や、野球関係のグッズもワクワクを増してくれる。

「あっちゃん's」の店内。カウンターには泡盛の一升瓶が並ぶ
壁にはサインや野球関係のグッズなどがたくさん。沖縄の古い写真なども飾られている

 店主の「あっちゃん」は横浜出身。修学旅行ではじめて訪れた沖縄に、一気に惚れ込んだ。

 いつかは沖縄で暮らしたい……そんな漠然とした思いが、いつしか本気モードに。2014年、沖縄に居を移した。泡盛バーをやりたいという強い気持ちも後押しし、移住から半年でその思いを実現。

店主のあっちゃん。2016年7月にオープン2周年を迎えた

 店のコンセプトは、「どっぷり沖縄」。

 居酒屋では沖縄らしさを演出した店は多いが、バーではそういう店がないのが寂しかった。観光で沖縄に来ていたころに抱いていたそんな思いを自ら形にしたのだ。

 50種類あるというオリジナル泡盛カクテルにもそれぞれ沖縄に関する名前が付いている。

 この日は、新メニューだという「赤花(あかばな)」を作ってくれた。

 赤花とは沖縄方言でハイビスカスのこと。ネーネーズの曲に同名の曲がある。それにインスピレーションを受けて作ったそうだ。ハイビスカスをイメージした赤いカクテル。柑橘系の酸味でさっぱりした味わいだ。

オリジナル泡盛カクテルには沖縄に関係するネーミングが。この日味わったのは「赤花」(700円)

 泡盛カクテルのメニューを見ているとほかにもいろいろ飲んでみたくなる。遊び心もたっぷり。

 ビンテージ泡盛も、泡盛好きにはオススメ。産業祭りなどで限定ものを入手したり、昔からある酒屋さんでたまたま残っていたリアル年代物を購入したり。骨董品屋で古い沖縄の写真などを探すのも楽しいという。

ビンテージものも泡盛好きにはオススメ。なかには30年ものも!

 BGMも沖縄のアーティストで固めている。一番好きなのは、カクテルの名前にもなったネーネーズ。

 お店の近くにはネーネーズが出演するライブ居酒屋があるので見に行くのだそう。また、ネーネーズのメンバーが遊びに来てくれることも。

 沖縄民謡の重鎮である大城美佐子さんが来店されたときは、その場で歌ってくれたことも忘れられない思い出だ。

 ふとカウンターの端を見ると、古い沖縄の切手をそのまま使ったペンダントヘッドが。あっちゃんの手作りだそうだ。復帰前のドル時代の切手。うちなーんちゅには懐かしく、観光客には新鮮に感じられる。

あっちゃん手作りの古切手ペンダント

「観光客の目線は忘れずにいたい」と、あっちゃん。

 沖縄に来てワクワクした気分を、さらに盛り上げてくれる沖縄愛にあふれたお店だ。

あっちゃん's

所在地:沖縄県那覇市牧志1-1-41
TEL:098-866-1160
営業時間:19時~翌3時頃(変動あり)
定休日:なし(臨時休業あり)

大城和歌子

横浜生まれのウチナーンチュ二世。東京での出版社勤務を経て1998年11月に沖縄移住、フリーのライターとなり「和歌之介」のペンネームで活動。主に音楽系記事を得意とし、沖縄インディーズの隆盛を間近で体感した。自らも音楽活動をゆる~く展開。現在、那覇市内でレコードバー「リンドウ」を営んでいる。