大城和歌子の沖縄グルメ&スポット
メディアミックスの発信基地を目指す、コミュニティラジオの「fm那覇」
2016年12月23日 00:00
旅先での楽しみの一つに、地元のメディアに触れるというのがあるのではないだろうか。テレビ、新聞、ラジオ、雑誌……。ローカルニュースやタウン情報などを知ることができたり、地元で活躍するご当地タレントを目にしたり、普段触れる機会のない番組や記事に触れたりできる。
沖縄はラジオが元気だ。クルマ社会のため、カーラジオで聞く人が多いことも理由の一つだろう。
名物DJがいたり、30年以上も続く長寿番組があったり。その番組にリクエストを送ったりすることを楽しんでいるリスナーも多い。
コミュニティFMも元気だ。沖縄県には現在、離島も含めて18のコミュニティFM局がある。今回、コミュニティFM局の一つであるエフエム那覇(以下、fm那覇)が新スタジオをオープンしたとのことで伺ってきた。
fm那覇の開局は2002年。当時は国際通りにスタジオを構え、地元情報や音楽番組などを発信。その後、スタジオを首里に移転。スタジオが高台になったこともあり、聴取可能エリアが広くなった印象を当時持ったことを覚えている。
そのfm那覇が2017年7月の開局15周年を迎えることを機に、国際通りから枝分かれする沖映通りに新スタジオを開設したのだ。ゆいレール「美栄橋駅」のすぐ近くだ。
取材した時点では、首里スタジオと新スタジオを並行して運用していたが、近く新スタジオに全移行するとのことだった。
新スタジオは通りに面し、ガラス張りの開放的な造り。放送中のパーソナリティの様子が目の前で見られる。人気DJや、もしかしたらスペシャルゲストが出演しているところも見られるかも知れない。
なんといっても特徴的なのが、大きなイベントスペースがあること。ステージが組まれており、トークショーやライブなどが行なわれる。その模様はラジオとともにUstreamでも中継するとのことだ。
「プロでなくても若いミュージシャンにも使っていただきたい。発表する場の一つとして活用してもらえれば」と広報担当の阿嘉さん。音楽だけでなく、お母さんグループの読み聞かせ会、学生サークルの演劇など、アイディア次第でいろいろなことに使える。その模様がラジオで放送され、インターネットとも連動することで地元密着型のコミュニティ局の存在感がぐっと増す。
また、沖映通りをカルチャー発信の場として盛り上げていきたいという思いも持つ。沖映通りには大型書店があり、老舗の楽器店もある。ライブハウスやギャラリーなどもあることから、これらの「点」で存在するスポットを「線」で結びたいとのことだ。
通りの名称になっている「沖映」は、かつてこの通りにあった映画館。映画を中心に発展した沖映通りに、また新たなカルチャームーブメントが起こりそうだ。