ボーカリスト琴音の音楽旅

ペルー人は虎のミルクがお好き!? レチェ・デ・ティグレのセビーチェを作りました

レチェ・デ・ティグレのセビーチェ

 南米で最初に日本人が移住した国、ペルー。食文化も似ているところが多く、醤油を使う料理があったり、魚を生で食べる料理もあったりします。

 毎日暑い日が続くので、何か冷たい料理でも……とレストランで食べたことのある、ペルー料理の「セビーチェ」のレシピをスペイン語で検索してみました。

 セビーチェは簡単にいうと「ペルー風魚介類のマリネ」です。日本語で検索したレシピは、ライムやレモンなどと魚介類をシンプルにマリネしたものが多かったのに対し、スペイン語で検索すると「Leche de tigre(レチェ・デ・ティグレ)」という言葉がレシピに書いてあります。

 これは直訳すると「虎のミルク」。えーっ、ペルーでは虎のミルクなんて売ってるの? と思いきや、YouTubeでペルー人シェフの動画を見て、この「虎のミルク(レチェ・デ・ティグレ)」とは魚の出汁とニンニク、しょうがなどの野菜で作ったソースということが分かりました。

 ペルーでは滋養強壮によいとされているそうです。確かに虎のミルク、というネーミングからも元気になれそうな気がします。

ペルー人は虎のミルクがお好き

 本場ペルーでもレモンやライムなどで味付けたシンプルなセビーチェもありますが、最近はこのレチェ・デ・ティグレのソースを使ったセビーチェが人気だそうです。

 ペルー人を母に持つアルゼンチン人の友人にレチェ・デ・ティグレを作ってみようと思う、と話したところ「めちゃくちゃ美味しいよ! それは最高のアイディアだわ!! それでセビーチェを作ると最高よ!」とテンション高めに熱く語られました。

 そのときはそんなに?と思いましたが、確かに作ってみたら私の今まで食べていたセビーチェは何だったんだ……というくらい美味しかったです。

 というわけで、今回はレチェ・デ・ティグレを使ったセビーチェのレシピをご紹介します。

レチェ・デ・ティグレのセビーチェの材料

白身魚の刺身(今回は鯛を使用):300g
玉ねぎ:1個
レモン:2個
ライム:1個
セロリ(茎の部分):1本分
コリアンダー:1株
ニンニク:1片
しょうが:1片
水:125mL
塩:適量
赤唐辛子:適量

レチェ・デ・ティグレのセビーチェの材料

作り方

1. まずは玉ねぎを半分に切り、半分は薄切りにして水にさらして辛味を取ります。もう半分は四角く1.5cmほどに切って、半分はお鍋に、半分はミキサーに入れます。

玉ねぎの半分は薄切りに。こちらは具として使います
四角くこのくらいに切ります。こちらは出汁用と、レチェ・デ・ティグレ用(ミキサーに入れる分)になります

2. セロリは縦切りに、コリアンダーは葉と茎の部分に切り分け、葉の部分はみじん切りに、ニンニクは皮をむき半分に、しょうがは薄切りにします。レモン、ライムもあとで絞りやすい形に切っておきます。

 コリアンダーの茎の部分を半分ずつ分けて鍋とミキサーそれぞれに入れ、セロリ、ニンニク、しょうがも半分ずつ鍋とミキサーに入れておきます。コリアンダーの葉の部分はあとにセビーチェの具として使うので分けておきます。

セロリは縦切り、コリアンダーはみじん切りに
余談ですが、スペイン語ではニンニク1片の単位を「歯」と表記します。確かに似てる。しょうがは今回は皮付き、レモン、ライムは絞りやすい形で結構です

3. 白身魚のお刺身を1.5cm角のサイコロ状に切ります。

鯛のお刺身を1.5cm角のサイコロ状に切ります

4. 切った白身魚を数切れ、水125mlをセロリ、コリアンダー、玉ねぎ、ニンニク、しょうがが入った鍋に入れて強火に掛けます。沸騰したら弱火にして5分間おいて、出汁をとります。

ペルー人シェフが5分以上火にかけない方がよい、と言っていました

5. これをザルでこして、とれた出汁を粗熱を取るために冷凍庫で冷やします。

 粗熱を取る間に、レモン1個とライム半分をミキサーに絞り、カットした白身魚数切れをミキサーに入れます。このときに、水にさらした玉ねぎの水も切っておきましょう。

魚と香味野菜の出汁が取れました
鯛の切り身を数切れミキサーに入れ、レモン1個分、ライム半分を絞ります。ペルー人シェフによると、絞るのは一回まで。何回も絞ると苦味が出てしまうそうです

6. 魚の出汁の粗熱が取れたら塩少々とともにミキサーに入れ、粉砕します。液体状になったらザルでこします(こし器がないので代用)。これがレチェ・デ・ティグレです。

魚の出汁と鯛の切り身、野菜をミキサーで液体状にします
ザルでこします。こし器がある方はこし器でやりましょう
レチェ・デ・ティグレのでき上がり

7. サイコロ状に切った白身魚をボウルに入れ、塩と唐辛子を振り、レモン1個とライム半分を絞ります。

 水を切った玉ねぎと、コリアンダーのみじん切り、レチェ・デ・ティグレを入れてよく混ぜ合わせます。

塩、唐辛子、玉ねぎの薄切り、レモン、ライムを絞ります
レチェ・デ・ティグレを入れてよく混ぜましょう

8. お皿に盛り付けてできあがりです。

さっぱりなのに濃厚クリーミーなセビーチェになりました

レチェ・デ・ティグレのセビーチェ

 今までもペルー料理店でセビーチェを食べたことがありましたが、このレチェ・デ・ティグレを使ったセビーチェはさっぱりなのに濃厚クリーミー。

 レシピを調べていたときに、レチェ・デ・ティグレに生クリームや牛乳を入れるのもよい、とありました。が、それを見たときはコリアンダーやニンニク、レモンなどの柑橘系に生クリーム?とピンと来ませんでした。

 しかし、食べてみると入れてもよかったかも。しっかりと濃厚な味なのに、材料に油は一切使っていないんですよ。

 これは確かに友人が熱弁するとおり美味しい! シンプルなセビーチェよりもひと手間掛かりますが、作ってみる価値はあると思います。

 今回は白身魚で鯛を使いましたが、ほかにタコや海老、イカなども合うと思います。暑い日が続きますが、ヘルシーなのにスタミナ抜群な冷んやりセビーチェで夏を乗り切りましょう。

 ほかにも美味しそうなペルー料理のレシピをたくさん見つけたので、私の夏は自宅でペルー料理研究になりそうです。

琴音

シャンソン、JAZZなどをメインに歌うボーカリスト。たまにアルトサックスも吹きます。1986年10月10日生まれ。趣味・特技は、ライブなどで訪れた日本各地の美味しい食べ物を探すこと。思い立ってふらっと一人旅をすることもしばしば。ブログはhttp://ameblo.jp/singersax-kotone/