週末駅弁

熊本駅「特製山彦かしわめし」

高橋学

2023年6月23日 12:00

「特製山彦かしわめし」

　今回紹介するのは熊本県人吉市の老舗、人吉駅弁やまぐちの「特製山彦かしわめし」。東日本ではあまり耳にしない「かしわ」とは、一般的に西日本で使われている鶏肉の呼び方だそうです。厳密には鶏肉＝かしわ肉ではないらしいのですが、その辺はあまり気にせず熊本に来たからくまモンという単純な動機でパッケージ買いです。

くまモンのパッケージを開けるとこんな感じ

　かなり甘い鶏そぼろがかかったご飯の上には、かしわが2切れ。こちらは甘くはなく鶏らしい美味しさがしっかりと味わえるタイプです。

鶏そぼろの上にかしわが2枚

　同じくご飯の上に乗った割り干し大根はほんのり甘めで、硬めと表現してもよいくらいのしっかりとした歯応えはお弁当全体のなかで食感のアクセントとしての存在感を放っています。個人的にはとても気に入りました。

歯応えのしっかりした割り干し大根

　おかずとして棒状に切ったさつまいもの天ぷらが入っています。熊本ではこの料理を「がね」と呼ぶそうです。ベトついた感じのないがねの落ち着いた甘味は鶏そぼろや割り干し大根との相性がとてもよいのが印象的でした。ちなみに出汁巻玉子は出汁の味がしっかり効いていながらやっぱり甘め。全体的に甘めのお弁当です。

さつまいものがね、こんにゃく、蒲鉾、レンコン、出汁巻玉子

ホクホクとしたさつまいものがね

　まるでカルビーかっぱえびせんのパッケージに描かれているような立派な姿のエビの煮物は殻付きなので、殻を剥いて食べるのが無精者の筆者には少々めんどうです。手が汚れるのも本当はイヤだし。しかしながら食べてみるとエビの味がしっかりとしていて瑞々しさすら感じます。横着しないでよかったと思わされる美味しさです。

エビの煮物

　お弁当全体としては全体的に甘めの味付けで統一されています。一方、ご飯の上のかしわと大きなエビは甘い味付けではなく素材の味をしっかりと楽しめるタイプ。統一感のある味付けと素材の味わいを活かしたおかずの両方がよくまとまっていてとても美味しいお弁当でした。